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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
二部一章 伯爵家当主学生準備編
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胸筋は巨乳にカテゴライズされますか?

第二部始動です!

お待たせしました!

少し流れが変わりますが百合展開は忘れず邁進したいと思います!


舞台は二年後となります!

聖歴950年1月14日アムスティア王国国王、

ブルート・カシム・フォルツ・ジアンビ・カッセロ・ペンディオン・アムスティア陛下崩御。


辛辣な凶報が国内外を駆け抜けた。


善王と呼ばれ慕われたブルートの死を悲しみ全国民は喪に伏した。


死因は他殺だった。


三年間国内にて燻っていた反乱勢力の手に由るものだった。



次代の国王を速やかに決めなければ、南のガルム帝国や西の皇国、南東の魔導国に侵略されかねない。


アムスティア王家には四男四女の子が居る。


正室であるシアーナ妃には第一王女リアスティーナのみしか居らず、


第二妻マリアナ妃には第一王子ブルタス、第四王子レオンハルト、第三王女ナナリアの三子が居る。


第三妻マチルダ妃には第二王子イグルト、第三王子ライノ、第二王女メルセリアーナ、第四王女ユリアナとなっている。


さて、ここで問題なのは長子である正室の子リアスティーナが女児であり、継承権を持つ事が出来なかった。


代々アムスティアの国王は男児と決まっており、例外は認められなかった。


しかし、第二妻の生んだ長男ブルタスの素行の悪さは折り紙付きであり、癇癪持ちだった。


事あるごとに城の使用人を徒に切り捨ててはその度に父王ブルートに呵責され折檻されていたが、それを行う者も既に居ない。


第三妻の生んだ次男イグルトは王になることを自ら断念した。

三妻の子で立場が低く自分に玉座は相応しくない…との事である。


家臣達の注目は第三王子ライノに向く。


しかしライノは病に伏せており、日中の殆どをベッドの上で過ごしていた。

その為自ら断った。


そこで宰相であるソラージュ候爵と四公は殿下達一人ひとりに国王選に立候補するかの決を取った。


立候補したのは三名。


長男ブルタス、長女リアスティーナ、四男レオンハルトである。



ブルタスは自分こそがふさわしいと信じて疑わなかった。


リアスティーナは女児であれど、野心に溢れ前例など自分が創れば良いと自信満々に言い放った。


そして四男レオンハルトは幼くも、聡明であり、常に国の利益と民の幸福を願う少年であった。


三人の競い合いはリアスティーナ優勢で進んでいたかの様に見えた。


しかし、ここで番狂わせが起こる。


ブルタスの死、そしてリアスティーナは突然の流行り病に倒れてしまったのだ。



それによりレオンハルトが次代国王として確定する。


数え年で12才の若き王は獅子王として後世歴史に名を残す。


民や貴族の期待を一身に受け若獅子は才覚を十二分に発揮した。


しかし民や王国の重鎮達は知らなかった。


二人の候補者はレオンハルトの策略により表舞台から引き摺り下ろされたことを…


センティス領のとある若く美しい少女伯爵の元にも情報は届けられた。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


950年4月センティス領都マルセムにてーー


第一文官長に任命した元騎馬民族のうち一つの長であるカサンドラや、都落ちし、新規雇用にて実力で第二文官長に昇進した初老の皮肉屋ボイドが持ち込む書類整理していた時の事である。


10才の誕生日を控えた私に突然の報告が舞い込んだ。


「レオンハルト陛下が次代国王か…」


私は王都からの遣いによって次代の国王がレオンハルト殿下になったのを聞いた。


一ヶ月後の5月10日に即位式を行うとの事で国内貴族だけではなく他国からも王族を招くとのことだ。



原作とは流れが違う。

原作ではリアスティーナ殿下が国王で、レオンハルト殿下はアムスティア学園の学生だったのだから。


おかしい…?!


私以外にも前世の記憶を持つものが居るのだろうか。


私はそこにも注視しなければならない。



レオンハルトと言えば妹のナナリアだが去年の暮れから連絡が来ない。


何かあったのなもしれない…

一度手紙を送っておこう。


「リリお姉様、お茶が入りました。」


「ありがとモガ。今行くね。」


執務途中の書類を放って私はモガの用意した紅茶で一度思考をリセットすることにした。



「同志、凄い発見よ!もしかしたらこれまでの魔法理論が覆る程の大発見だわ!」


私が紅茶を飲んでいると扉をノックせず、突然私の部屋に入り込んできたのはルルイアである。


一年前に完成した研究施設に移り住んだ彼女は、興奮した面持ちでくすんだ顔をしており目元には隈が出来ていて何日か寝ていないのが手に取るように分かる。


まぁ、いつもの事である。


「こんにちは、ルル。とりあえずそこに座って?今紅茶を用意するわ。」


「ええ、それじゃあいただこうかしら。」


紅茶を飲み、落ち着きを取り戻したのかルルは椅子に掛けると普段の冷静さへと戻った。


彼女は昨年の春からマルセムにて暮らしている。


というのも、センティス家、エンディミオン家、そして宮廷魔術師であるイシスの実家パルコシア家の三家合同で魔法技術施設の経営を行っているのだ。


【梟の塔】と名付けられたこの施設は国民の生活を著しく変化させ瞬く間に信頼と実績を上げた。


そこの所長となったルルは好きな魔法研究が出来るということで寝ずに研究を行うのも良くあることだ。



「ねえ、ルル?これから私、風呂に行くのだけど良かったら一緒に行かない?というより行くわよ?これは権利者権限を発動するから逃がさない!」


「同志…?!分かったわよ…。その後は睡眠と食事でしょ?同志の言葉に従うわ。それが契約条件だものね。」


呆れた様な表情をしながらも、ルルはやれやれと言った感じで私の顔を見てきた。


そりゃ一ヶ月に平均二回倒れられては此方が困ってしまうので強く出るのも当たり前だ。


「そういえば次代国王が決まったわ。レオンハルト殿下…陛下が来月中に即位式を行うんだって。ルルも話が来てるんじゃないかしら?」


「えぇ、実家から帰ってこいって何度も連絡が来たわ。私は即位式には参加出来ないのにうるさい事だわ。姉を治してくれた同志には本当に感謝している。」


ルルはそう言って私に微笑む。


ルルの姉、クトゥリカは植物状態だったのだが、私の商会が仕入れ持ち込んだ【アムリタの滴】という原作でも重要なアイテムによって意識を取り戻した。


原作のルルイアルートを進めるためにはどうしても必要なものである。


後はこれに王烏の白羽根に、白竜の肝などを調合した薬をルルに飲ませないと魔女の呪いは解除されない。


そう、魔物が出てこなければ手に入らないものばかりだ。


それもあと半年ほどだろうか…?


兆候は見えるんだけどなぁ…。


原作は恋愛シミュレーションRPGで魔物を刈りレベルを上げ最終的に魔王を倒すのと道中でヒロイン達と仲良くなり攻略するのが目的である。


その為に私はひたすら自らを鍛え上げた。


確か950年の八月だったから四ヶ月もしないうちに魔王が復活して魔物が蔓延る世の中になるはずだ。


その為にこの二年で準備を進めてきた。


ジョセフ指揮の元、兵士を集め鍛練し優秀な者には兵士を連れ村を開拓させた。


防御施設の構築と運営、後に来るだろう大飢饉に備えるのが目的である。


既にジョセフとジェシカには話しており、準備は整っている。


怪しまれはしたが信頼が厚いのに救われた。


下手をすれば私は教会の異端者認定を受けた事だろう。


ジェシカが情報を止めてくれて助かった…。



話を戻そう。


ルルと浴室に向かい浴槽に浸かる。


執務で凝った体が解されるのを感じながらも、私はルルの方へ視線を向けた。


「ふぅ…良い湯加減ね。あら、どうしたの同志?」


まだ10才の癖に胸元が膨らみかけて居るのを私は見逃さなかった。


ルルとタニア、イシスは巨乳という華やかな未来が待っている。


私?


ぺったんこだけど何か文句ある?


「…別に。」


「そんな不機嫌そうな顔で人の胸を見ながら言われても困るわ?同志もその…胸筋があるじゃない。」


「うわーん!…ブクブクブク」


そう、胸はないが胸筋は日頃の過酷な鍛練によって鍛えられつつある…


私は現実から目を背け湯の中に顔を沈めた。




応援のほど宜しくお願いします!


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