お嬢様は五才になりました
この辺りからお嬢様は暴走します。
文字を覚えてから一年、私は五才になった。
両親やメイド、あまり関わらない執事や文官っぽい人が集まって御祝いをしてくれた。
この頃になると私の生活スペースは二階だけだったのが一階から三階までとなり、子供っぽい口調は止め、なるべく男は近づけない様に両親に伝えた。
父上は二つ返事で
「分かった。男は狼だからな、気を付けろよ?いや…リリアナは絶対嫁には出さんぞ!うぉぉぉおお!」
と了承してくれ、私の周りから男を排除してくれた。
私でも分かるほどの親バカぶりだ。頭が痛い…
一週間後、父上が突然パーティをやると宣言した。
自慢じゃないが、私の家はすごく大きい。
それもお城と言って良いほどの屋敷だ。
その一番大きな部屋で私の誕生日パーティは行われた。
父と仲の良い貴族や商人、鎧を着た人なんかも顔を出したパーティは私の実家の地位の高さと権力を知るには容易かった。
いわゆる貴族の社交パーティだ。
「リリアナ様お誕生日おめでとうございます!」
「リリアナ様、是非こちらをお受け取り下さい!ささやかな贈り物です。」
「あ…ありがとう…」
私は戸惑いながらもジェシカに受け取らせお礼を言って何十人もの人達と顔を合わせた。
私の横にはプレゼント、もとい貢ぎ物の山が。
中には自分の息子を…とか紹介してくる貴族も居たけど、そうゆう人には父を使い下がらせた。
私はこの五年の月日でよっぽど男嫌いになってしまったのかもしれない。
パーティは遅くまで続き、頬杖を着いた私は退屈そうに見えたのだろう、父に遊んでおいでと連れ出され女の子が三人ほど集まるグループに母から紹介された。
一人は金髪ストレートのお人形さんみたいな子。
名前はレインちゃんって言うらしい。年は同じ5歳。
白い肌にすらりと伸びた手足、ピンクのフリルをあしらったドレスが素敵だ。
実家は子爵家の次女だとか。
二人目は長い茶髪で毛先がくるっとした癒し系。
名前はタニアちゃん5歳。
ぷにぷにっとした体に白いレースのドレスがお似合いだ。
実家は侯爵家…うちより格上…だと…?!
三人目は黒髪ショートの和風系美人。
名前はアンちゃん6歳。
まだ幼いながらも可愛いと美しいを両立させるような存在。
日本人形みたいな印象を受ける。
実家はタニアちゃんと同じ侯爵家だ。
と、尊い……!
じゅるりと心の涎を啜りながら私は三人とお話 (前世なら事案)を始めた。