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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
一部四章 少女子爵領地経営編
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少女子爵、高鳴る鼓動

ヒャッハー!


皆お待ちかねのオリヴィエたん回です!


昨日にも一話更新しております。読み飛ばしないようお願いします。



私は四公令嬢(一人は外国の為欠席)の前に立つ。


私の屋敷に天使達が舞い降りた。


いや、違う!


オリヴィエたん、リサーナちゃん、ルルイアちゃんだ。


ドーナツをもきゅもきゅしながら眠たげな顔を持ち上げ、近付く私に気付いたのか片手を上げるオリヴィエたん。


か、可愛いすぎる…!


もちもちした頬っぺに気だるげな目元、真っ直ぐで艶やかなストレートなんだけど毛先だけがくるんとカールした青髪に細くて小さい手…


どれを取っても可愛い…天使だ。天使が降臨なさった!


二人で交わした視線が、何故か特別なものに思えて私は今すぐにオリヴィエたんに抱き付きたくなってしまう。



「リリーさん」



「へ?」


後ろから聞こえてきた背筋が凍りそうな冷たい声に思わず間抜けな声を上げてしまう。


声の主は…レインちゃんだった。



「あ…あ、えと…お久しぶりですオリヴィエた…さん。リサーナさん、ルルイアさんもお越し下さりありがとうございます。挨拶が遅れ申し訳ございません。」


「ん。ぼく、きにしない」


「あーしも別に平気だしー!ていうかリリちゃんさ、香水作ってるんだよね?あーしにも売ってよ!あれ中々手に入んないんだよねー!」


「……呪…れろ」



思わずオリヴィエ『たん』と声に出してしまいそうになった…!


危ない危ない。



それにしても……


ぼくッ子尊い…!



オリヴィエたんは通常運転で短い言葉で返事し、クライシス公爵家のリサーナちゃんは実家の化粧品業が成功し流行したためか美意識が高く、お洒落好きに早く目覚めているらしく、リモーネ商会の新製品である香水に早くも食い付いた。


エンディミオン公爵家のルルイアちゃんは…か細い声で上手く聞き取れなかった。


ということにしておこう、うん。


オリヴィエたんはともかく他の二人もすごく良い子だって事を私は知っている。


リサーナちゃんは直球型でお洒落好きが爆発してしまっただけで本来は面倒見の良い姉御肌タイプ。


ルルイアちゃんはオカルト好きだけど、素直になれないだけで仲良くなればきちんと話してくれる。それと若干厨二病気味。


彼女ルルイアの言う「呪われろ」=ごきげんようと脳内変換すれば良い。そうすれば人生が少しだけハッピーさ☆


四公令嬢は皆好きなんだよなぁ。


姫様も好きだし。



それでも大天使オリヴィエたんがずば抜けてるんだけど。



「リサーナさん、香水は本日来て戴いた感謝の印に、小瓶ですが送らせて戴きます。もちろん、他の皆様にも。ですが生産数が少ないので種類は用意してませんが人気のものは何とか揃えました。」


私がそう言うとわぁーっと声が上がる。


ふふ、所詮子供よの。


私も同年代だが。


ルルイアちゃんに向き直り私は口を開く。


「ルルイアさんは確かオカルト作品が好きなんですよね。私もよく本を読むのでおすすめ作品を貸し合いしたりしませんか?」


「うぉー!マジで?やったー!リリっち大好きっしょ!」


「そう…貴方も深淵に手を出したのね…フフ…。」


リサーナちゃんは私に飛び付き熱烈なハグをし、ルルイアちゃんは親指、中指、小指を立て私に向け謎のハンドサインをした。


オリヴィエたんは私が来てから四つめのドーナツをもきゅっている。


ハムスターみたいで可愛い。




あぁ、ビデオカメラがあれば…!


ハッ…作るか?


光魔法と闇魔法、時間魔法はこれから習得するとして…イケるかな?


以前から検討していて七割くらいなら理論は組み上がってるんだけど…時間魔法の習得に手間取っているため未だ完成には至っていない。


私が美しき少女達の時間を永遠に見返せる為の方法を考えていると袖を急に引っ張られる。



「リリ…おかわり」


「ふぇ?あ、私の事か」


突然オリヴィエたんが私とリサーナちゃんの間に瞬間移動したかのように割り込み、声を上げた。


甘ったるいソプラノボイスが私の耳を擽る。



「リリアナじゃ…ながい。だからリリ。ぼくのことはリビーってよぶ」


「あ、え、と。ありがとうございます」


良く分からずお礼を言ってしまった。


たった四文字なんだけどオリヴィエたんには少し長すぎるかぁ…

改名しようかな?



オリヴィエたんは不思議そうな顔をしてこちらに手を差し出してくる。


小さな手のひらは真っ白で今すぐ頬擦りしてしまいたい衝動に駆られるが多分ちがうよね。


私は意味を計りかねて首を傾げてしまう。


「どーなちゅ、おかわり。あとリビーよぶ。なかいいひとそうよぶ」


オリヴィエたん改めリビー、今噛んだよね?

絶対噛んだ!

きゃわわわー/////


そして私はリビーの言う『なかいいひと』の枠に入れたのか…幸せだ。


もう結婚ゴールしてもいいよね?


私のテンションは急上昇どころか天に昇るが如く上がっていく。


これは真面目に映像記録ビデオカメラの魔法を検討しなくちゃ。


「じゃあリビーって呼ばせてもらうね。い、今ドーナツ持って来させるね。ジェシカ!」


「こちらに」


「「「早っ!!」」」


すっと私の後ろに移動してきたジェシカは皿いっぱいにドーナツを盛っていた。


前以てリビーの好きなドーナツを量産するように指示しといて良かった。


これで天使の姿を見続けることが出来る。


「ん、まんぞく。リリ、ここきて」



オリヴィエたんがどーなちゅ(尊い)をもきゅりながら隣の椅子を指差す。


私に座れってことかな?


私はさっと移動し、厚かましく椅子をオリヴィエたんの方に寄せるとそこに座る。


すると横からガタンッと音がして振り向くと、近くの椅子を持ってきたレインちゃんが私の隣に椅子を寄せ座った。


尚、隙間は一ミリもなくぴったりくっついた状態だ。


「リリーさん、お隣!良いですわよね」


「え、あ。うん。勿論大歓迎だよ。(棒)」


「あー、ズルい!私もリリーちゃんの隣に座りたい!アンちゃん、行こ!」


「あぁ…私の友達プリンが…」


「アン様、お友逹はご無事にございます」


「はっ!命の恩人!」


一連の行動を見ていたタニアちゃんがプリンを頬張っているアンちゃんの手を引っ張りこちらに駆け寄ってくる。


アンちゃんの手元にあったプリンは無惨にも皿ごと地面に落ちた。


というかアンちゃん、プリンが友達ってかなりのパワーワードだよ?


それを見ていたジェシカが曲芸並みの動きで宙返りし、それを手に取るとアンちゃんの空いている手にさっと渡していた。



「あははー!リリーちゃん家のメイドさんすごーい!ねッ、アンちゃん!あ、良いこと思い付いた!皆でリリーちゃんの隣に座る権利を賭けて勝負するんだよー!」


「何?勝負だと?!イシス!早く行こう!」


「サレナさん、きちんと話聞いてましたか?まぁ、良いでしょう。私もリリアナさんとはお話したいですし。マリアンヌさんもご一緒しません?」


「それが神のお導きとあらば。わたくしもリリアナ様とはもっともっと仲良くなりたいですわ!」


「リリ、のとなり。ぼくの!」


「あーしが勝ったらリリっちの香水全部貰うっしょ。うん、決定!もちろんルルっちも参加するっしょ」


「深淵よ…我に力を」


「お嬢様の隣に立つのは私です」


気付いたら私は囲まれており、私の隣席争奪戦が始まっていた。


椅子取りゲームなんだけどね。


タイトルを付けるならば、

『ドキッ☆(幼)女だらけ(メイド一名含む)の椅子取りゲーム』かな。


でもまぁ、皆楽しんでるしいっか。



どーなちゅ、尊い。


今回のキャラ設定はオリヴィエたん……





ではなく、サレナです。


ねぇねぇ、オリヴィエたんだと思った?残念、サレナでしたぁー(ゲースマリアンヌ


オリヴィエの紹介をしないのは作者に腹案がありまして…そこまで深い考えではありませんが、楽しみにして戴ければと思います。



聖アムスティア学園生徒名簿


サレナ・バーニャ・メルトリア 17才


己の剣技を磨くことのみに執着し日夜鍛練に明け暮れる若き『剣聖』として名を馳せる。


王国最強の剣として名高いメルトリア家嫡子で将来を期待されていた。


が、主人公との模擬戦に大敗し、以降隙を狙っては模擬戦を挑む。


年の離れた弟が生まれてから両親の愛情を一心に受け、更に父の才能を強く受け継いだ弟に全てを持っていかれてしまい、両親を見返したいと強く願う途中に大敗してしまったためかなり根にもっている。


が、その人生初の大敗が初恋へと転化した瞬間でもあった。


ざっくばらんな性格だが一度執着すると前のめりになってしまいがち。


武士口調だが、内面では意外ときゃぴきゃぴしてる。


趣味はぬいぐるみ集め。


好きなもの 両親 弟 鍛練

嫌いなもの 両親 弟 鍛練


役職 剣技部 部長 (部員一名 任期六年) 手芸部幽霊部員


「貴殿との勝敗が着くまで某は地獄の果てまで追い掛けてやる。だが次に某が負けた時、貴殿の奴隷にでもなってやる!某は絶対に負けんがな!(あうー!マシュー君今日もかっこいいよぉー!本当は模擬戦じゃなくてお茶会がしたいなぁー!)」

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