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お嬢様は文字を覚えました

一年が過ぎ、四月になった。


「リリアナ、誕生日おめでとう!」


「わぁーありがとう!」


私は四歳になった。


アルデン伯爵である父がプレゼントしてくれたのは大きな大きな熊のぬいぐるみ。


私より大きい…!



精神年齢22才になる私だがこうゆう可愛いものには未だに目がない。



その日は美味しい食事と暖かい暖炉の温もり。両親の笑顔を胸に刻みながら熊のぬいぐるみを抱き締め私は眠りに落ちた。


「おはようございます、お嬢様。本日からお勉強を始めたいと思います。」




そう言ってジェシカに起こされた私はお湯で顔を洗い着替えると食事を取った。


柔らかなパンに目玉焼き、塩漬けにされた豚肉のスライスとサラダ。


朝から料理を作らなくて良いというのは幸せな事だ。

朝食を噛み締めながらそう思った。


四歳になった翌日から勉強がしたいと両親にお願いしていたのが功を奏したのか、今日から早速勉強が始まるようだ。



「まずは文字の読み書きから始めます!ではこれを紙に書き写してみて下さい」


先生役のジェシカに板の上に敷かれた砂に書かれた文字を私は紙に書き写す。


最初に習ったのは自分の名前だ。

それが書けたら両親、国と徐々に広まっていく。


「流石ですねお嬢様!やはり出来が違う…天才です!」


私は首を傾げながら言葉を理解出来ないふりをした。

たった四歳じゃ天才とか出来が違うとか理解できないだろう。


これでも都内の有名大学に現役合格したのだ。舐めてもらっては困る。


「それじゃあ少し休憩して算術のお勉強をしましょうか」


「やー、これもっとやるー!」


とんでもない、私は読み書きをもっと習いたいのだ。


算術なんて二の次三の次だ。


この中世程度の文明じゃ私に教えられることなど微々たるものだろう。


「もぉー仕方ないですねぇ」


ニマニマと人懐っこい笑みを浮かべながらジェシカは目線を合わせて頷いた。


堕ちたな…!


こうすれば我儘が通るのは検討済みである。ジェシカはおねだりに弱いのだ。



こうして私はどんどん文字の読み書きを覚え半年後には完全にマスターした。



周囲からは天才だ、神童だと褒め称えられ私も両親も鼻が高い。


だがまだまだ知識は必要だ。


これから父に頼んで沢山の本を買って貰おう。


とにかく私は文字を覚えた。


これでゆっくり書物を読み解くことが出来る。


そう、次は魔法を覚えたいのだ!

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