準名誉子爵、天幕にて
軍議が終わり私は用意された天幕にて筆を持ち作戦案を書き連ねていた。
この世界の兵法書は後学のために数冊読み漁っているが、平和な時代に生きているため人の命を奪うという行為に引け目を感じる。
だが、やらなければやられる。
ここはそうゆう世界だ。
ジェシカに紅茶を入れてもらい一呼吸。
凝った身体を伸ばしながら休み休み書いていた作戦案を何度も読み直し記憶の中のものを再現する。
それを開戦地周辺に当て嵌めながら少しでも理想に近付ける。
本や学校で習った作戦が現世で生きるとは思いもしなかった。
やっと完成として提出してもいいと思えるものが書けたのは既に夕食の時間となっていた。
適当に夕食を済ませると既に日が暮れ始めている。
日が暮れると眠りに付くこちらの生活には慣れず私は良く魔法で灯りを作っては本を読み漁り夜更かししているのでまだ眠くはない。
その夜私の天幕には思わぬ来客が現れた。
「リリーさん、陣中見舞いですわ!」
アルフィード子爵…レインちゃんのパパとレインちゃんである。
え?嘘!どうしてこんな危険な所に?
「レインちゃん?!嘘!夢じゃ…ないよね?痛ッ!!」
私は自分の頬をつねり痛みを感じて漸くレインちゃんが本物だと確信した。
夢にまで見たレインちゃんである。
実に五ヶ月ぶりのレインちゃんだ。
「何をしてますの?私は紛うことなくレイン・キュリエ・アルフィード本人ですわよ。リリーさん、少し窶れました?」
「そうかな?少し馴れない事をしちゃってね。レインちゃんに会えて嬉しいよ!でもどうしてここへ?」
「私も会えて嬉しいですわ。よかった…二人の気持ちは同じですのね…ハッ!オホン…避難のため王都に向かう途中で立ち寄りましたの。そしたらリリーさんがここに居るとリリーさんのお父様から教えられて!」
嬉しそうに話すレインちゃん。
何やらぶつぶつ呟いていたが聞こえなかった。
「そうなんだ、いつまでここに?」
「明日の昼にはここを出ますわ。だから少しでもリリーさんの側に居たいんです。今夜泊めて下さらないでしょうか?」
ん…?ちょっと待って?
泊まる?
レインちゃんが?
私の天幕に?
理解が追い付かない。
「レインちゃん、泊まる。一緒、寝る。」
何故かテンパって片言しか出なかった。
けれど、それでも嬉しかったのかレインちゃんは私の両腕を掴み今まで見たことないくらいにはしゃいでいる。
「やったー!じゃあお父様そうゆう事ですから早く出ていって下さい!」
空気と化していたアルフィード子爵は釈然としないまでもそのまま天幕を後にした。
レインちゃんと遅くまで語らい同じベッドで寝ることに。
私は疲れが出たのかそのまま眠りに着いた。
翌朝目覚めると隣には全裸のレインちゃんがすやすや寝息を立てている。
冷たさを感じ毛布を捲ると濡れたタオルが足元にあった。
しかも私も全裸で…え?
どうゆうこと?!
私は昨晩何をした?!
何故全裸のレインちゃんが腕にしがみついてるの?
そして何故私の足元はこんなにびちょびちょに濡れているの?
誰か、誰か教えてー!!
気付けばブクマが200件近く…嬉しい限りです!
皆様のご期待に添えるようこれからも一層、面白さと読みやすさ、丁寧さを追求していこうと思います。
まだされてない方も是非この機会にブクマに追加してみてください!
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