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お嬢様は祖父の情報を纏めました

王都に入り、まずしたことは宿を取る事だった。お祖父様…ヘンディ・アルデン(当主を引退した貴族はミドルネームがなくなる)の屋敷に泊まらない理由は単純に行きたくないだけ。


あのお爺さん、好好爺然としてるけど、実際は物凄く厳しいのだ。つまり…すごい苦手なのだ。誰だって好き好んで怒られたいとは思わない。


いや…一部の特殊性癖の人なら嬉しいのかな?


あと、今回王都に来た理由でもある婚約の話など自家の利益となる目先の事しか考えてない。


そうゆう訳で私は直接屋敷に向かうことを避けた。

後でジョセフか若い騎士レントンにお遣いでもさせよう。


ジェシカ、イレーネと同室の四人部屋と護衛騎士三人の四人部屋二つを取ると荷物を置き治癒魔法を二人にかけてそのままベッドに突っ伏した。

二人は何も言わない、アルデン家ではなく私個人に忠誠を誓っているからだ。


厩舎のあるそれなりに大きい宿で今回の王都遠征は私の自費から出している。


さらに少なくない臨時報酬と王都に居る間は交代で休暇も与えているので護衛騎士達は嬉しそうだった。

ジョセフあたりは明日に休みを与えてるから早速酒場に出向いてたりして。

もう一人の騎士…ファーガスは今夜護衛で扉前で寝ずの番だったっけ。

護衛の担当は三人で話し合ってるから私は関与してない。



早速アントンに謁見の日にちを尋ねる様命令し、一息吐く。


ベッドに座り持ってきた鞄から祖父について書かれている書類に目を移す。


ヘンディ・アルデン(58)元17代アルデン家当主


当時子爵家だったアルデン家長男として生まれ平凡に育つ。


しかし、彼は二つの才能があった。


魔法の才と戦才である。才覚に恵まれ、貧乏ではあったが森に入り自分で獲物を仕留めるなどして食べるものには困らずただ魔法にのめり込んだ。


元々過去の戦争で魔法兵としての働きによって平民から叙爵されアルデン家が興された。


ヘンディは生まれ持った魔法の才により23才の時戦場で活躍、子爵から伯爵へと陞爵された。

その功績を尊敬と畏怖を込め魔導伯と呼ばれる様になる。


現在領地は息子トニオに任せ、妻マルガリータと共に王都で暮らし、魔法省大臣として宮廷に遣えている。


血統や歴史などを重んじる貴族からは疎まれているが、偏屈さと気にしてないのか陰口や嫌味を言われても気にしない変人である。




これがイレーネ、ジェシカが情報収集した結果だった。まぁ主な情報源は父上や我が家の家令オースティンなのだが…細かい説明を省いたがこれだけ調べるのにアルデン領で三日掛かった。



「お嬢様、夕食のお時間です。」


「えっ?」


声を掛けられた方を見るとジェシカが扉の前に立っていた。どうやら既に日が暮れ始めている様だ。


この世界には電気という便利なものなど存在しない。

日が落ちると共に皆寝始めるのだ。


何故か?油などの燃料が勿体ないからである。

まぁ、それも村や小さい町規模の話なのでそれなりの地位にある私には関係の無い話だが。


魔法も使えるし、そもそも私は前世から夜型の人間である。多少の夜更かしは問題ない…はず。


「ふわぁー…さっさと食べて寝るとしますか」


だけど今の私は七歳児、馬に揺られ回復魔法で治したとはいえ精神的には疲れている。早く寝るに越したことはないのだ。


夕食を済まし桶に水魔法で作ったお湯を張りタオルを濡らして体を拭く。


あー、さっぱりした…今日は色々有って疲れた…お休みなさい。

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