お嬢様はご夫人方を接待しました
レインちゃん達が泊まった翌日、朝食後にランジェリーショップへ三人とそのお母さんを引き連れて少し大きめの馬車で移動する。
約束していた下着のプレゼントである。
直接お母さん方にはしてないが、これも友好の証になるだろう。
もちろん平民用ではなく、貴族向けの方の立派な店。
朝食の時に話したらご夫人方はウキウキしていた。
「でもリリアナちゃん、こんな高いもの頂いても良いのかしら?」
「そうよ?私とジュリアは自分達で買えるのだし。サティラもそうでしょ?」
「私は…ええ、まぁ買えない事はないけれど、うちの夫の稼ぎじゃ…ね?だから今回は折角のご厚意に甘えさせて貰おうかしら」
女七人集まれば姦しい訳で…
まぁ、三人のお母さんもうちの母と同世代で学院時代からの友人でもあるから少し言いにくい部分も気軽に話せる程度の仲らしい、まだ二十代前半だもんね。
歯に衣着せぬ物言いで少し血の気が引いたが特に気に止めてないようだ。
母も来たがっていたが、大事な客人を迎えるということで都合が悪かったらしい。
これは後で父に三着くらい買わせられるな…
私からプレゼントしても良いのだが、母は父からの物しか受け取ってくれないのだ。
母曰く世帯主なんだからそのくらいの甲斐性くらい見せて欲しいんだとか。
甲斐性も何もかなりの高額設定なので贅沢品なのだがその辺はあまり追求してはいけない。
ちなみにレインちゃんのお母さんがサティラさん、タニアちゃんのお母さんがレベッカさん、アンちゃんのお母さんがジュリアさんだ。
それぞれ子供と同じ髪色で容姿も似ているので母子には見えない、姉妹でも通じるだろう。
うん、タニアちゃんのお母さん…すごく大きいです…!ごくり
そんな事を思ってると馬車が停まりランジェリーショップに辿り着いた。
「いえいえ、レインちゃん達だけでなく皆さんとも仲良くさせて頂きたいので、細やかな贈り物ですよ。母も寂しがってますのでたまに遊びに来てください!」
「ほんと、うちの子と同い年とは思えないわ。レインとリリーちゃん、取り替えてくれないかしら」
「ほんとよ、利発だし礼儀正しいんだから。アンもこれくらい素直な子に育ってくれないかしら?」
「うちの子なんて元気が有り余りすぎて大変よ。この前だってーー」
そんな事を話し始めるご夫人方。
話が二転三転するのは女性同士の会話の特徴だろう。
唯一の救いはここに三人が居ないことだろうか。
今は既に三人ともランジェリーショップの隣に建てた新事業の玩具工房に釘付けのため話しは耳に入ってなかったと思われる。多分…うん…大丈夫だよね?
「いらっしゃいませ!リリアナ様、お話はお伺いしております。皆様こちらへ」
「うん、案内はお願いね?私は隣の工房に居るから何かあったら人を遣わせて。」
マルーナに言伝てをして私はレインちゃん達の元へ向かう。
サティラさん達も子供の居ない環境で学生時代を思い出して買い物したいだろうという私の心配りである。
直接私が採寸しても良いのだが子供がそんなことをしても仕方ないだろう。
私はぐっと感情を噛み殺して愛する子猫ちゃん達の元へ足を進めた。
気付けばブクマが110件!
作者の他作品を遂に抜きました。
それだけ支持される作品になるとは連載当初考えておりませんでした。
まだ初めて二ヶ月と少しの作品ですがこれからも応援宜しくお願いします!
これからも励みにしてより一層邁進して参りたいと思います!
ブクマ含め、感想評価レビューお待ちしております!




