お嬢様は周囲に視野を広げました
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「リリー…さん?」
ボーッとする私の肩を揺らすレインちゃんに気が付き振り向く。
「はっ…?!ごめんなさい、少しボーッとしちゃって…今はレインちゃん達とお話したい気分なの。大丈夫かな?」
「リリーさんがそう望むのでしたら勿論ですわ!びっくりされたでしょう?その気持ち凄く分かりますわ。私も最近婚約者を探そうと両親があちこち周ってまして。」
男嫌いだもんな、レインちゃんは。
そこは一緒だから凄く分かる。
「この際だからリリーさんを見習ってはっきり伝える事にします!学園を卒業するまでは要らないと!先程言ってくれた言葉ですが、私もリリーさんと同じ気持ちですから。」
これって私のせいになっちゃうのかな?
レインちゃんのお父さんお母さんごめんなさい。
責任持って私がレインちゃんをお世話します。ってふざけてる場合じゃないな。
「そっか。でも無理しちゃダメだよ?」
「いえ、私がそう望んでいるので。」
今はレインちゃんの優しさに甘えよう。
この子達だけには心配を掛けたくない。
皆が居るんだから今は忘れよう。
「う、うん。けど家の事情だから気にしないで。あ、そうだ!これ私が作った新作のお菓子なんだけど良かったら食べて?」
「えー?お菓子ー!?どれどれー?」
二人だけの微妙な空気に気が付いたのか、仔犬…シャーリーを抱えたタニアちゃんが食い付いてくれる。
「これはパンナコッタって言ってーー」
目を輝かせながら私の説明に食い付いてくれたのは気を遣わせちゃったかな?
それとも単にお菓子が気になるだけ…?
まさかね。
「これ…プリンみたい。美味しい!」
おっ、アンちゃんも食い付いた。食感が似てるからうけると思ったんだよね。
でもそんなに沢山食べると太っちゃうよ?
生クリームを大量に使用しているから高カロリーなのだ。
「気に入ってくれてよかった。そうだ、シャーリーを連れて空き部屋で遊ばない?ずっと抱っこしててもシャーリーが可哀想だし、タニアちゃんも疲れちゃうでしょ?」
「分かったー」
と返事をしたタニアちゃんがとてとてと廊下に向かい歩き出す。
もしかして私の部屋に向かおうとしてる?
それはそれで凄いけど私の部屋にシャーリーを入れる気はないのでタニアちゃんを追いかける。
たしか一階の西側に庭に面した空き部屋があった筈だ。
「あれー?どっちだっけ?」
やっぱり分かってなかった。
少し待っててと声を掛け、父に許可を取ってそこをシャーリーの部屋にしてもらった。
「リリー。周り見て?」
私の袖を引っ張るアンちゃんの声に従い周囲を見渡すと、私と同年代くらいの女の子供達が物珍しい顔で見ている。
アンちゃんはこうゆう事によく気付いてくれる。私も見習わなきゃなぁ…。
男の子達はマシューと共に私達に興味なしとばかりに会場を走り回っているが、女の子が幾つかのグループに分かれており、私達を遠目に見ている。
一応声を掛けてみるか。今日の主役だし、大丈夫だよね?
もしかすると侯爵家の娘が二人居る状況では話し掛けづらいのかもしれない。
そうゆうところは親にきっちりと教えられるからな。
それにレインちゃん達ばかりにかまけないで他の子とも仲良くしていた方がいい。
貴族の女の子って基本可愛い子ばかりだし。
まぁ、この世界がギャルゲーだというのにも起因しているだろうけど。
私は頭の中でそう纏めると近くのグループに歩み寄り少し活発そうな茶髪の女の子に話し掛ける。
「ねぇ貴方達。もし良かったらこの子と一緒に遊ばない?シャーリーって言うんだけど。あ、私はリリアナ!よろしくね?」
「えと…よ、喜んで!」
少し萎縮している様だがこれから慣れてくれるよね?
私はあまり負担を掛けない様に優しい声で話し、来ていた女の子17名を見事に連れ、空き部屋へと向かった。
気分は昔歴史ドラマで見た殿様だ。
大勢の女性を引き連れ歩くあれ。
大奥だっけ?少し忘れてるな。
ちょっと内心はしゃいでいるのは内緒…うん。




