お嬢様は功績を認められました
私の下着改革は着々と進んだ。
これなら文句なしの功績として認められるだろう。
「父上御時間よろしいですか?」
私は父の執務室に入りそう尋ねた。
父はソファーの上に尻突きだしただらしない格好をしている。
なるほど、私に蹴ってほしいのか…ならばお望み通りにしてやろうか。
「ま、待てリリアナ…!少し疲れてるだけなんだ。少ししたらちゃんと座るからちょっとだけ休ませてくれ!」
私が音もなく近付いたのに気付いたのか父が焦りながら私を止める。
粗方母上との連日のプロレスごっこに疲労が溜まっているのだろう。
流石種馬の異名を持つ男だ。
私は蔑んだ目を愚物に向ける。
「リリアナ、その瞳はちょっと…ゾクッとするから止めてくれないか?」
うわ…気持ち悪ッ…!!
なに娘の軽蔑の眼差しで興奮してんだこの愚物は…
私は少し距離を取り母上を呼びに行った。
「どうも…ずびばぜんでじだ」
母上に密告し(チクって)てボコボコにされた愚物を見て清々した私は折角だからと三人で話をする事にした。
「種う…父上、これが私の行った功績です。我が家にも莫大な資産ももたらされ母上の協力のお陰でご友人やそのご友人にまで人気が出始めています。例の話ですが二つの条件を満たせるのでは?」
まだ販売して一ヶ月ほどだが、着々と売上げを伸ばしている。将来的な売上げ予想額、特徴、なぜ必要なのかなどを書類に纏めてある。
既存の衣類店に対応した商売だということもだ。
客層が被らない利点も書いてある。
予想額などは前世の経験を生かしエクセルで作った表みたいにしてある。
元々この世界はギャルゲーの世界だ。
男女比が3:7とかなり偏っている。
周辺国ならそこまで差はないのにおかしいな…
そのため王位、貴族当主は男だが、騎士兵士などは女性が圧倒的に多い。
「今絶対に種馬って言いかけたよね?そんな言葉何処で覚えたんだ?」
私は知らんぷりを決め込み微笑みで返した。
「貴方、女の子は早熟なのよ。でも種馬って…ププ…ごめんなさい。あまりにも的を射た言葉だから」
母があまりにツボにはまったのか吹き出し笑った。
よくこの両親離婚しないな。まぁ仲は良いのは分かるが前世なら即離婚だろう。
情報統制も個人情報保護の理念もない世界だ。
これが当たり前として定着しているのだろう。
「まぁそれは良い。リリアナ、確かに君の才能は認めよう。」
「ーー!!じゃあ!」
私は期待の眼差しをする。
「はぁ…六歳でこんな事を思い付くなんて不思議だよ…。素直に喜んで良いのか、それとも悲しむべきか」
確かに私が父目線ならこんな奇抜な発想をした娘を怖がるだろう。
親心って複雑なんだなぁ
なったことないけど
「貴方…」
「あぁ、認めよう。これから先、どんな貴族が婚約を申し込んできても私が断ろう。ただし学園を卒業するまでだ。良いな?」
「はい!!」
私はうきうき気分で自分の部屋へと向かった。
向かう途中で会ったイレーネが心配そうな顔をしていたが、私は親指を立てウインクすると嬉しそうにしていた。
私はイレーネにジェシカを呼びに行かせ3人で喜びを分かち合おうとお茶会の準備を始める。
時刻はお昼過ぎ、小腹が好いてきた。
別のメイドさんに紅茶と菓子を準備させ私は手帳を取り出す。
(よっし!これでハーレム計画に取り掛かれるぞ!でもその前に平民の生活を豊かにしてあげないと)
私は計画を思案する。
次は何をしようか。
そんなことを考えているとイレーネとジェシカがやって来て、ついでに準備してくれたメイドさんもいれて四人でお茶会を楽しんだ。
あーレインちゃん達なにやってるのかな?会いたいな…
次回から週二回更新に戻ります。3月5日更新です




