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前世の記憶ーーそして私は1つの生涯を終えました

お待たせしました。


リリアナお嬢様の前世の記憶です。

私の名前は志波梨乃18才、今年の春から上京して大学に通う一年生です!


沢山友達出来ると良いなぁ…!あわよくば彼氏も出来ちゃったりして…うふふ…!


なんて淡い期待を寄せていましたが特に何も起きず気付けば半年が過ぎた。


でもでも運命の神様は私を見捨てていなかった。



その日私は少し仲の良い大学の先輩にデートに誘われた。


先輩は結構イケメンでテニスサークルをやってて実家が超が付くほどのお金持ち!


そんな人に誘われるとは…!!


私みたいな普通の女子、まず相手にされないだろう


けど、田舎から出てきた割りにはファッションとか言葉遣いもちゃんとしてるはず。うん…!


前向き、前向き!


学校が終わったら食事に行こうとメールを貰い、うきうき気分で講義や課題を終わらせる。


もうすぐ約束の時間…待ち合わせの駅で待つこと一時間…彼はまだ来ません…



親友の美樹からメールが来ます。


『上手くいってる?』


『ううん、まだ会えてないよ。』


『先輩には黒い噂が有るから気を付けて!』


そんなの嘘に決まってる。


『大丈夫だよ。』


そんな噂何かの間違いだ。絶対に来る!


私は信じて待った。


きっと何か外せない予定がある筈!


それから三十分が経過した。


大学方面から先輩らしき人と男女、三人がこちらに歩いてくる。


私は声を掛けました。


「あっ!先輩!」


「あっれ~?梨乃ちゃんまだ居たの?ヤバくね?俺の負けかよォ、ちくしょー…」


「あっはっは、俺の勝ちな!飯奢れよ?」


「マジ信じられないんだけどォ!ちょーウケる!何?本気だった?あんたみたいなイモ臭い田舎モンにこいつが惚れる訳ないじゃんッ!ちょっと揶揄われただけなのに気付いてなかったの?!ププッ!」


私は受け入れ難い真実を呑み込めず思考が停止する…


十秒ほどゆっくり内容を咀嚼し、通り過ぎて行く三人へ声を掛ける。


「あの…」


「あん?まだ居たの?まぁ、少しくらい遊んでやるか。カラオケでも行く?」


そんな呑気な言葉に私の中で目の前の男への熱情が一気に覚め、その場を立ち去る決意をしました。


「……失礼します…。」


パチンと乾いた音が響く。平手打ちされた先輩…女の敵はその場で頬を抑えながら口を開け呆けている。


「テメェ!」


逆上した連れの男が拳を振り上げ私に襲い掛かろうとするがその前に全力で逃げる。


今日の為に買った高いハイヒールには思い出と共に犠牲になってもらおう。


「あ、おい!」


「君達なにかあったかな?少し話しを聞かせて貰いたいのだが」


様子を偶然見守っていた警官の助けによって私は何とか距離を離す事が出来た。


どれくらい走っただろう?夢中になって走っていた私はふとさっき怒った光景と真実を鑑みる。


私は賭けの対象にされていたってこと…なの?


信じられない…

優しかった先輩との思い出が脳裏を過る。


これも全部嘘だったの。。。?


私はまたその場から逃げ出すように帰路に駆け出していた。


途中で転び靴を見るとヒールのピンが折れていた。 


その場でヒール投げ捨て裸足で駅方面へと走り続けた。


何かに躓いて…その時涙を流していたことに気付きました。


本気だったのに…


初恋だったのかもしれない…違う、本気だったんだ。


でも、でも…


立ち上がりまた歩き出す。



「おい、お嬢ちゃん!危ねえぞ!!」


ふと我に帰ると車のクラクションと信号待ちの歩行者の人から声が…


嘘!逃げなきゃ!


そう思った時には車が突っ込んできて私は十メートルほど吹っ飛ぶ。


軋む骨、肺が圧迫され、全身が熱くなる。


薄れ行く意識の中、私の脳裏に田舎に住んでいる母と弟に妹。


親友の美樹の顔や楽しかった思い出が過ぎ去っていった。


このまま死ぬのかな…。


私の人生なんだったんだろう…


死にたくないよォ…!誰か、助けて…!


私の悲痛な叫びは喉から出ず、段々と意識が遠退く。


気付くと倒れた私の姿が目の前に…えっ?なんで私が倒れてるの!




『……た……か?』


その時頭に何かが響いた。掠れてよく聞き取れない。


その声はリピートされたCDの様にもう一度私に問い掛けました。


『生きたいか?』


冷淡な男の声が脳内に響く。


何これ?訳が分からないよ…


『生きたいか?』


もう一度同じ質問が響く。


なんなのこれ…!答えれば良いの?


『生きたいか?』


そんなの決まっている!生きたい!

恋もしたい、美味しいものもいっぱい食べたい。まだまだやりたい事は沢山ある。


『ならば甦らせよう。』


一定間隔でリピートされていた冷淡な声に変化が訪れる。


えっ?!ホントに?!


そう思った時、男の声はまだ続きがあったようだ。


『お前は別の世界にて生まれ変わる。それでも良いのならお前の望みを叶えよう。』


そんな…もう家族には会えないの?そんなのやだよ…!


『ならばこの話は無しだ。お前は死ぬ。それだけだ』


ま、待って!それでもいい!だからお願い!私にもう一度チャンスを…


『分かった。次は良い人生を…』


そのまま私の意識は暗転した。



気が変わりました。

筆が乗ったので10話まで一時間置きに投稿します。

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