お嬢様はメイドを可愛がりました
真夏の暑い日、私は部屋に閉じ籠もっていた。
今日は特にやることが無くて暇なのだ。
まず父上母上が出掛けており居ない。
マシューは実家に帰ってるし、兵士達はこの暑さにやられダウン。
屋敷に居るのはせいぜい数人のメイドと執事、文官くらいだ。
私に出来ることはゴロゴロして時間を潰すだけ。
毎年快適な夏を過ごせていたのだが、どうやら今年は猛暑の様だ。
暑い…暑すぎる。
エアコン…せめて扇風機を私に下さい…
このままじゃ溶ける…ん?…溶ける?
そこで私は閃いた。
あぁ、氷魔法使えば良いやん!
何でもっと早く気付かなかったんだ私…!
思わず自分のバカさ加減に辟易した。
思い付いた私は早速、メイドに大きな桶を運ばせてその中に氷の塊を作り出した。
あー、近くに居るだけで体感五度くらい下がった気がする…!
更に涼しさを求めようと風魔法を使い部屋の空気を循環させた。
ふぅー…極楽極楽。かなり快適空間となった。
後で休憩室と兵所にも持っていってあげよう。
「お嬢様…お呼びとの事で参りました」
私はイレーネを呼び出した。
「うん、ちょっとそこに立ってて。魔法と芸術の特訓がしたいの」
「は、はぁ…」
イレーネは複雑そうな返事をする。
その顔もまた可愛い。
イレーネは領が西側で隣接しているボーン男爵家の四女で祖父同士が仲が良く奉公に来ている。
まだ十四才で幼さも残るが整った顔立ちをしている。
「ちょっとじっとしててね?」
私は二メートルくらいの氷塊を作り出す。
それを風魔法を使って氷解を削り、段々人の形に近付けていく。
そして遂に完成した。
「凄いです…お嬢様!でも何故裸なんですか?」
そう、イレーネの裸婦氷像だ。
膨らみかけの胸、細い腰、すらっとした手足。うん、最高!
多分私しか知らない細部までこだわった自信の逸品である。
「もちろん芸術の勉強も兼ねてるからよ!」
私はまだ成長も始まってない胸を張り宣言した。
今世最大の渾身のどや顔である。
ドン引きするイレーネをつい苛めたくなる。
これも愛の裏返しだよね?
「皆も呼んできて見せちゃおうかなぁー」
「それだけは勘弁してください…何でもしますから…」
「ん?今何でもって言ったよね?」
イレーネの顔が紅潮する。
ククク…羞恥に晒されたイレーネの表情が私の嗜虐心を煽る。
「あ、あの…そういう意味じゃ…はい、優しく…して下さいね?」
その言葉に私の理性の箍が弾け飛んだ。
そのあとめちゃめちゃイレーネを可愛がってあげた。(物理的な意味で)




