リリアナ•イン•ドリームワールド2
ギリギリです…よね?
今年中の更新は最後となります!また来年も当作品をよろしくお願いいたします!
私の事を知っている?一体何処で会ったのだろうか。転生前の名前を知っている…向こうの世界で出会っているとか?でも見た様な覚えはない、というよりこんな美形が居たら元の世界で有名になっているだろう…ーーー駄目だ、また迷走し始めている。兎に角話を聞いてみた方が良いかな。
「貴方は一体何者ですか?」
「ーーーそうだな。この世界の支配者…とでも名乗っておこうか。生憎固有名詞を持ち合わせて無くてな。ふむ、ゲームマスター…GMとでも呼んでくれ。志波 梨乃、そう言った類いの戯れが好きなのだろう?この世界に汝を招いた時に少し記憶を覗かせて貰った。実に興味深い人生ではないか。」
……この人ヤバい人じゃん!神様とか…あ!もしかして!!
「もしかして、私をこの世界に転生させてくれた声の人…ですか?」
「あぁ、正解だ」
やっぱり!さっき感じた聞いた事ある感じがした声の違和感がすっきりした。
「良かった。やっぱりそうだったんだ。あ、過去の名前じゃなくてリリアナって呼んで欲しいです。私は今を生きているので」
「相分かった、ではリリアナよ。汝は何がしたい?力を持ってこの世界で何を成したい?」
何をしたい?原作を捻じ曲げてでも、成し遂げたいこと。
決まってる、前世で掴めなかった幸せな生活。
「幸せになりたいです。自分だけじゃない、周りの人が笑って居られる世界にしたい。あはは、私って欲張りですかね?」
「ふむ…そうだな。汝は強欲だ、だがそうで無くては選んだ私の立つ瀬がない。ククク、少し話し過ぎたか。最後に一つ聞かせて貰おうか。生きたいか?生きる為に、力を望むか?」
『生きたいか?』だって?
この世界に転生する前に聞いた言葉だ。
そんなの決まってる!私は生きる、この世界で生き続ける。
私はこの世界が好きだ。
努力した分だけ私の糧になる。誰より強く、誰よりも幸せに。レインが居て、ルルが居て、ナーナにマリー、他のみんなに、ジョセフとあとマシューも。
美樹…ううん、レオンハルトを女性にする事だって、魔王軍を倒せば手に入る【権願の宝玉】さえ在れば…きっと!
だから、私が魔王軍を倒すのは決定事項なんだ。
そして私の大切な人達が笑顔で居られる世界を作る。
その為には私は過去に戻って魔神の呪いからマリアンヌとジョセフを守り抜かなくてはいけない。
まだまだ力が足りない。もっと、もっと強くなる必要があるから!
「決まってます!私は死にたくない!あんな辛い思いをしたくないし、他の人にもして欲しくない。だから、だから全部守る為に強くなります!」
「良かろう…ならば、汝に試練を与えよう。この先の道は三つに分かれている。それぞれ〈栄光〉〈慈悲〉〈贖罪〉の三つだ。どれか一つを選んでも良いし、複数を獲得するのも手だ。どうする?」
目の前に三つの扉が突然現れた。看板にはそれぞれ名前が書かれている。私は迷わず一つの扉の取っ手を掴んだ。
「〈栄光〉で!」
そして私は扉を開き前へと進み出した。




