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お嬢様は六才になりました

昨日PV10000を突破しました!

わーいわーい!


これからも頑張っていきたいと思いますので宜しくお願いします!

お泊まり会を終えて一週間、私はまた剣の鍛練にのめり込んだ。


朝夕二回、大体五時間くらいの鍛練で最近では大人と打ち合えるくらいにはなってきた。

また勝ったことはないけどね。

マシューも私を見て最近は素振りの真似事をし始めている。

良い傾向かもしれない。

もう少し頼りになるくらい成長して欲しいと願い助言はしなかった。




寒い冬が明け春になった。


私は六才になり、去年と同じ様に父が主催したパーティでドレスを着て、挨拶にきた人達を適当にこなし落ち着いた頃、頬杖を着きながら退屈そうに周りを眺めていた。

現在父は休憩を挟んでいる為この場には居ないので私は少し気を緩めていた。



レインちゃん達は来ていない。

本人達は実家にいるらしいが両親が居ない。

なんでも王妃さまが子供を産みそっちの方に顔を出しているとか。

私の家は生まれてすぐに挨拶へ行ったからそっちには行かない。

祖母の母、つまりひいおばあちゃんが王家出身だというのも関係している。

私はまだ一度しか会ったことがないが、宮廷魔術師の祖父と王都で暮らしているらしい。

私の魔法の才能も祖父の血が色濃く出た結果なのだろうと喜んでいたのを良く覚えている。

実際は前世の知識が有ったため文字を早く修得出来ただけなのだが本当の事は伝える事は出来ない。

私には前世の記憶があって転生しました!なんて言えば頭がおかしくなったと思われるだろう。


「はぁ…退屈ぅ…」


「お嬢様、その様なはしたないお姿はお止めください。」


ジェシカに嗜められて私は背筋を伸ばした。



「ーーー!ーーー!」


外が騒がしい。

なんだなんだと皆一斉にテラスへと集まりだす。

女の人が赤ん坊を抱き抱え泣き叫んでいるようだ。


私も立ち上がりテラスへ向かう。


「この子を認知してください。トニオ・アルデン様の子供です!お願い!トニオ様を呼んできて!」


はぁぁぁー?!


「おいおい、アルデン卿の子供だって?」


「どうせ嘘よ、ただの平民の戯れ言。無視しましょう」


「そうだよ、今日はリリアナ様のお祝いの場じゃないか。僕達には関係ないよ」


ざわざわと集まった人達が囁きあっている。

しかし、これが本当だったら只事ではない。

一応王国法では側室を迎えるのはダメとは言わない。

寧ろ推奨しているほどだ。

子を残すのは将来、お家の繁栄に繋がるからだ。


しかし大抵の場合庶民との間に生まれた子供は金を渡し多少の援助をしておしまいだ。


私の実家アルデン伯爵家は私の開発した玩具やお菓子で潤っているが、それを目当てにやってきたのならば、母親は貴族の資産を狙ったとして死刑確実、子供は良くて教会に預けられるのがオチだろう。



動きがあった様で父上と爺やが席を立ち、会場を後にする。

女性も門の近くにある詰所に入っていったようだ。

招待客が騒めきだしてきた。

ややこしい前になる前にこの場は主役の私が収めないと。

一つ咳払いをして注目を集める。


「皆様、誠に申し訳ございませんが本日の会はこの場でお開きとさせて頂きます。当主共々後日お詫び参りに行かせて戴きますのでご退場願います。この様な形で恐縮ですが、本日はお越し戴きありがとう御座いました。」


ちらほらと帰り支度を始めていく招待客を見て私は安堵の息を吐く。

余計な騒ぎに巻き込まれたくないのだろう。

私も招待者側ならさっさと帰りたいし…

でもここは私の家だから帰る場所なんてない。

良かった…!今日は同格か下の爵位の人達ばかりで…。

前世の私なら緊張で卒倒していただろう。

それでも人の上に立つ貴族教育をされてなければ今にも吐きそうだ。

さて…父上は一体何をやらかしたんだ?

場合によっては鉄拳制裁(教育的指導)が必要だな。

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