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迷走メイリー

明けちまったぜ2022…!

失態…実は作者誕生日の12/29に投稿しようと画策していたのですが、年末年始はやる事が多くて…申し訳ありません。


28歳になりました、アラサーですよ、アラサー。

月日の流れが年々加速しているかの様な錯覚に陥ってます…


さて、遅ればせながら明けましておめでとう御座います。今年も当作を宜しくお願いします。

予定通り行けば2022年末には完結までいけるかなー…

なんてガバガバな画策をしている如月でございます。はい、平常運行ですね。


執筆頑張りまーす!

あの日から五日が経った。死天王同士の対話、テンカが魔王軍を抜けた夜、私はジョセフとマリアンヌの成長した姿と邂逅した。


クーロン王国軍騎士団の兵士候補生から新兵、ベテランなどを交えた百人組手をして、現騎士団長まで組手をした私とリリアナ軍(レイン命名)は、少しでも貪欲に強さを追い求めていた。 


皆、私と同じで少しでも魔王軍に遅れを取らぬように必死に研鑽を積んでいる。それはリリアナ軍だけではなくクーロン王国軍にまで伝播した。誰もが少しでも今の自分より強くなるために…そんな姿を見ていると私も頑張ろうって思う。


全焼してしまったブリリアント・ニャルラトホテプ号無き後、空港を後にした私達は王城に向かい、魔王軍の幹部と対峙した事を説明し、諸国に危険が有ることを提示した。


クーロン国王は迅速な対応をし、周辺警戒の兵を倍に増やした。

その事もあって百人組手も武術研鑽交流会と銘打って大々的に行われたのだが、少しでも実りある催しになったと私は確信している。と言うのも、今まで魔力頼りで暴れていたけど、体術の重要性を鑑みて無手での戦闘をする貴重な時間となったからだ。


話は変わるがテンカはリリアナ軍の中でも立場を確立していた。というよりも武人寄りな性格のテンカが百人組手後に一人一人と模擬戦を行い、自信をへし折らぬ様丁寧に各々の見せ場を作りつつも快勝を行ったのが功を奏したのかもしれない。元々死天王二位の実力を誇り、軍略に長けている為か将としての器も大きく個々の士気を維持する術にも長けている。そして個としての戦闘力も随一だ。モガなんかはテンカの実力に惚れ込み師事を申し出た程だ。戦闘スタイルも似通っているし、彼女自身思い当たる部分があったのだろう。(実は原作でもサブイベントでモガがテンカに弟子入りする事がある)

 


マリアンヌにはマシューに持たせている通信用の指輪をテンカ経由で渡している。『リリアナ様から指輪をいただきましたわ!これはもう婚約以外の何物でもない…!感動ですわ!!!』などと当然の様に左薬指に嵌めていたという報告を受けて私は頭を抱えたが、マリアンヌの活力につながるのならば放置で良いか、と楽観視している。


ジョセフとマリアンヌが提言した聖女の祈り。私は言葉の意味も分からず、後へ後へと思考を引き伸ばしにしている。普通に祈って見ても何も変わらないのだ、何か別の問題があるのかも知れない。



そんな風に過ぎた五日間だが私は今日も今日とて剣を奮っていた。大体午前九時頃。夏の日差しを受けながら無我夢中で剣を振っていると、私の元に侍女を引き連れたメイリーがやって来た。

最近私が一人で居ると良く姿を現す。いや、多分監視しているのでは無いかと思える程に徹底して私が一人のタイミングにやって来るのだ。

多分彼女の中で思い留めていた何かが弾けたのだろう。そしてあの晩の告白。

まぁ積極的なのは嫌いでは無いので寧ろ嬉しいのではあるが。

一つの問題を除いては…。


「ご機嫌よう、リリアナ様。今日も飽きずに剣を振ってますの?汗を掻く凛々しい姿にわたくし興奮しますわ!」


と、この様に開けっぴろげに性癖ゴリ押しなんだけどね…


「うん、メイリーさんや。少しはオブラートに包んで発言した方が良いんじゃないかな?人の目もあるし。」


「あら?わたくしの事を幼い時分から知っているレイシェに気を遣う事はしなくていいですわ!他の方が居る場合は多少気を付けますけど。ね、レイシェ?」


「はい、メイリー様が変態でポンコツなのは私も周知の事実。ですが、その場その場を弁え時に聞き手に徹する様は流石かと思います。まぁ、箍が外れ気を抜くと、常に想い人であるセンティス卿に向ける欲情を私室にて延々と聞かされる此方の身にもなって頂きたいと愚行しますが。」


うわー、この人主に対して辛辣…

絶対メイリーの事見下してるよね…?


「フフ、という訳ですわ!さぁ、リリアナ様!その流れる汗をわたくしに存分に嗅がせてほしいのですわ!あぁ、蛮族の血が騒いでいらして?凄く…凄く刺激的ですわ!!」


何が、という訳でなのかは甚だ疑問だが、私の方に幽鬼の如くふらつき歩いて来ると私の首筋に鼻を埋め、体臭を嗅ぎ始めるメイリー。

ダメだ、完全に目がイッてる…抵抗しようとすればいつでも出来るがメイリーは王族で戦闘技能は皆無。私にとっては守る対象だ。

即ち力任せに振り解けば怪我をさせてしまう恐れがあるのでされるがままだ。

だがこの五日間何度も似た状況に陥りながらも私はそれを咎めたりしなかった。


何故かって?


「メイリー王女殿下。お戯れが過ぎるのではなくて?羨まし…じゃなくて!今すぐお姉ちゃ…センティス卿から離れなさい!」


「そうですわ!わたくしのリリーを独り占めしようなんて浅はかですわよ!わたくしだって我慢しているのに…」


「おいおい、二人とも私情を隠す気あるのか?いや、まぁオレだって少しはリリーとイチャ…じゃねえ!まぁ取り敢えず殺気を出すな!」


「リリ…ボクがいながら…うわき?かなしい…」


助けが入るから。


今日はナーナ、レイン、ユグドラ、リビーの四人が介入してきた。

持ち回り制なのか毎日助けに入るメンバーは違うのだが、メイリーが暴走すると必ずと言って良いほどに引き留めに入ってくる。四人とも私欲ムンムンだがそれはいつもの事なので置いておく。


メイリーもバカでは無いので謝罪してその場を去るが毎日毎日懲りずにやって来る。


賢いけど学習しない。

それが私の中でのメイリーの印象だ。


メイリーを見送ると私はレイン達に視線を送り礼を告げた。


この後は私を何かに誘うつもりだろう。帯剣しているがめかし込んでいる。


今日は何の用事だと取り繕うのだろうか?このメンバーだと模擬戦?

いや、皆お茶が好きだしお茶会だろうか?それとも街で買い物だろうか。まぁ私は皆と過ごせるならば何でも良いんだけど。


「おほん!リリー、この後は何かご予定はあるの?」


「うーん、取り敢えずはお風呂かなー。その後は夕方に王様と出立の話を詰めるくらいでそれまでは暇だよー?」


「でしたら、わたくしと街に出ませんこと?色々興味を惹かれるものが多いんですの!」


「レインー、わたくしじゃなくてわたくし『達』だろー?オレ達のこと忘れて貰っちゃ困るぞー?」


「そうだそうだ。かいちょ、ボクもいる!」


「構わないよ!じゃあ皆で見て回ろうか?じゃあ十時に城門前でいい?」


「うん!お姉ちゃん!私、待ってるよ!」


「はいはい、ナーナは甘えん坊だねー。」


「うへへ…」


「おいおい、ナナリア。そのだらしない顔、メイリー王女と一緒だぞ?」


「ナナ、だらしない。リリ、ナナをあまやかす、ダメ!」


「オリヴィエさん、言動と行動が一致してませんわよ?」


「んー!リリ、なでられるのすき!」



頭を此方に差し向けて来るナーナとリビーを撫でると、だらしない顔を浮かべながら満足したのかレイン達を連れ城門の方へと向かって歩いていった。


「よしッ!私も準備しちゃおーっと!」


割り振られた私室に着替えを取りに行き、二十四時間入れる浴室へと私は向かった。

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