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市場でお買い物

おはようございます。


あの後宿に帰って来た私は六人分の宿代を即金で支払いそのままベッドイン。この後どう動くのかは朝食時に話すって事にしてある。とりあえず六人の拠点に行って私物を回収するのとアイテムの補充、食料も買わなくちゃ。あと着替えとか諸々準備するものもあるな。ここはダリアとマルシェラたんに手伝ってもらうべきだな。顔合わせもあるし。


起き抜けでそんな事を考えながら宿の裏にある井戸で水を組み顔を洗う。


そのタイミングでドロシーがやって来る。


「あら、リリィじゃない?随分早いのね?まだ日も昇りきってないわよ?」


「うーん、習慣だからね。ドロシーさんも早いんだね。」


「私は日課のランニングがあるのよ。でも…この様子だと辞めといた方が良いのかしらね?」


「あまりお勧めはしないかなー。一応狙われてるから自重するのがいいかも。」


「そう…ね。ならリリィ。稽古しない?その腰に挿した剣は飾りって訳じゃ無いんでしょ?Sランクの実力とやらを私に見せて見なさいよ!それとドロシーで良いわ?さん付けなんて柄じゃないのよ。それにアンタは依頼主で私は雇われた身、その辺の線引きをするのも必要でしょ?」


「あー確かに。じゃあドロシー、早速稽古しようか?そっちは真剣使って良いよー?私は、うーん…これでいっか。」


その辺に落ちてた木の枝を拾い葉や余計な枝を折る。


「あら私如きには折れた枝で十分とでも言いたいのかしら?言ってくれるじゃない!」


「そんなつもりは無いけどこれ振ったら木の根っこで串刺しにしちゃう可能性大なんだよねー。安全マージン取りたいし、予備の武器とか木剣持ってないんだよねー。それにドロシーを怪我させたく無いからさー。」


串刺しするだけの危険兵器と化した【喜望峰•翡翠】をとんとんと叩き、使えない理由を話すとドロシーの顔が妙に引き攣り始める。


「なにその殺戮兵器?!わ、分かったわ、枝での稽古を許可するわ。」


「んじゃー少し移動しよっかー。ここじゃ他の人の迷惑になるし。」



「も、もう一回よ!なんで懐に入って攻撃したのに私の後ろを取ってるの?動きがおかし過ぎるわ!」


「えー?もう十二回目だよ?それにそろそろ食堂に行かないとご飯間に合わないし。あとそろそろ回りの視線が…」


それに私お腹空いてきたもん。此処では私がルールなのだ、フハハー!

気付いたら、見た事ある人達が私とドロシーを中心に円を作る様に囲んでいた。

六割がお互いの身内で稽古が終わると解散とばかりに宿の方へ戻って行った。

大方顔を洗いに外に出たら私達が稽古していたから物珍しさに惹きつけられたのだろう。


今頃気付いたのかドロシーは「はにゃ?!」と奇声を上げ顔を真っ赤にした。

ぐーぎゅるるる、と私の物ではない音が聞こえると、ドロシーは更に顔を真っ赤にして「ふ、ふん!そ、それもそうね。またお願いするわ!」とスタスタ私を置いて井戸で汚れを落とすと宿へ戻って行った。


頭から水を浴びて着替えあるのかな?

あー昨日確か寝る前にメルティさんと何か話してたな。

仲良くなってたなら着替えを借りるかも知れない。


「さて私も着替えますか…へっくし!」


水、頭からザバー、ドライヤー魔法シュバババー!


盛大なくしゃみをかましながらも私は汚れを落とし、食堂へと戻った。



「ほえー。そんじゃこの姉さんらも旅に同行するんやな?賑やかになるなー、うちはマルシェラや、よろしゅうな!」


「えっと事情は分かりましたがランゼさんが朝帰りする理由が…私には分かり兼ねます。」


「ハッハッハ、ランゼの大将も男って事だ!まさか王女を引っ掛けるたぁ剛毅なお人よ!」


「ボストンうるさい!あー、ごめんね?フローラさんがランゼを見る視線があまりに悲しげでそのまま置いて来ちゃったんだよね…ほら、次の町ではランゼとメルティには二日間お休みあげるからさ。」


「…分かりました。ランゼさんがおモテになるのは分かっていた事です。妾の一人や二人、将来を考えれば微々たるものですよね。」


吹っ切れたのか、フフフフ…と笑ってない目で笑うメルティに済まない気持ちでいっぱいになりながらもこの後方針を説明する。方針というか今日やる事の班分けみたいなものだ。


まず前提として、ランゼはフローラと一緒にゴールディンモート王に謁見するので除外、そっちにメルティも入れた方がいいか。メルティも除外。


のこるは私を含め、四人の六人で十人か。三班に分ければ効率が良いかな。


んーと、私、ビビ、ファニ、ネルの四人で食料の買い出し。と武器屋によって適当に買ってこよう。

ダリア、ボストン、シズで拠点の私物回収。

マルシェラ、ドロシー、レイアで衣服や雑貨の購入。と、こんな感じかな。


ダリア班は一番危険度が高いが、Aランク相当が二人居るし大丈夫だろう。マルシェラ班マルシェラちゃんが値引きとかの対人技能が高いのでお任せする。年の功ってやつ?まぁ本人の前では口が裂けても言えないが。


「そんじゃ解散!お昼の金が鳴ったら何が有っても戻る事!いい?」


「「「「「おー!」」」」」


それぞれにマジックバッグと銀貨十枚ずつを渡して私達は町に出た。



あ、昨日のおじさんだ。好意的な証言をしてくれたお礼も兼ねて在庫の串焼きを全部買う。


「ちょいと!うちの商品も買って行っておくれよ!」


肩を叩かれて振り向くと恰幅の良いおばさんが果実水らしき物と搾る前の桃っぽい果実を手渡してくる。果実は瑞々しくてジューシーで程よい酸味としつこく無い甘さのものだ。ファニ達にも少しずつ試食試飲させると気に入ったらしくニコニコと綻んだ笑みを浮かべている。


「おばさん!全部ちょうだい?それと他にお勧めのお店が有ったら教えてよ?」


「毎度!そうだねぇ、そこのダロンのモツ煮込みは絶品だよ?あとチップの野菜は朝採れで鮮度も良いねえ。他にはーー」


果実と果実水をしまい、ご機嫌なおばさんがお勧めする店を案内と共に回りどんどんマジックバックに閉まっていく。


気付けば、商売上手なおばさんの口車に乗せられた私のマジックバックは食料で一杯だ。まぁ全部納得して買ったから良いんだけどさ。


ーーこの日コッペリオンの露天で過去最大の売り上げを上げたのは私の知る由でない。


んー、中途半端に時間が余ってしまった。武器屋に行って大量購入するには微妙な時間。


「それなら市場はどう?魔道具や装備が色々安く置いてあるってレイア姉が前に話してた。」


「んー時間潰すには丁度良いかも、行ってみようか?」


「「「おー!」」」


という事でやってきました、露天近くの広場にある朝市場。


葉を折った籠に入れられた衣服を脇に置く若い商人らしき男。怪しげな格好をした自称占い師のお婆さん。うーん、混沌としているな。


魔道具らしきものを売っているお婆さんの店の前で立ち止まる。

目に止まったのは煌びやかな装飾を施された首飾り…ではなく隣に置かれた巻物。


《忍びの極意•入門編》と可愛い文字で書かれた巻物だ。

あー…これ、明らかに囁き忍者さんが書いたやつだ…

しかもご丁寧にある程度の魔力量を保持してる人にしか開封出来ない様に施術されている。


地雷テンカフラグやんけ…


「おや?これが気になるのかい?」


「えぇ、まぁ。」


「これは冒険者から買い取った物でね。何でも黒装束を着たゴブリンを倒した際に手に入れたらしいんだが、開くことが出来なくてねえ。もし良かったら買い取ってくれないかい?銀貨五枚で良いよ?」


うーん、黒装束ゴブリンって間違いなくテンカのゴブリン忍軍だよね…

原作ではテンカが初登場後低乱数ランダムエンカウントでゴブ忍と戦う事が出来て1/10000の確率でドロップするレアアイテムだ。

テンカと遭遇したから条件を満たした?それにしてもおかしい事では有るが持ってて損は無いかも知れない。


「分かった…買うよ、それと音を増幅する魔道具は無い?」


「あるよ。首飾り型で五倍まで大きく出来る代物さ。」


「それもちょうだい、皆んなは何か欲しい物ある?ついでに買おう。」


魔道具だけでなく装飾品も扱っているらしくファニ達三人は其方を眺めていた。


「私はこれとこれ。」


ビビが手に取ったのは指輪と外套だ。指輪は蝶々を象った可愛らしい形で外套は薄緑色をしている。


「ちょっとビビちゃん?幾ら何でもリリィちゃんに失礼だよ!」


「そのリリィが良いと言ってる。ならばここで断るのは逆に失礼。」


「ふむ、こっちのは《妖精王オベロン加護環リング》ってアイテムだねぇ。装備者の能力が低ければ低いほど強いバリアが張れるみたいだねぇ。こっちは《妖精女王外套ティターニアクロス》で隠密性と素早さに補正が掛かる代物だねえ二つで金貨一枚の所銀貨七枚におまけしよう。」


「次、ファニ。」


「えっと…じゃあこれを…リリィさんすみません…」


ファニが手に取ったのは真っ黒な髪飾りだ。一部に金の装飾が施されアクセントとして可愛く仕立てられている。


「駄目。それはただの髪飾り、ファニはこれにして!」


えぇー、折角選んだ物をビビにダメ出しされ少し凹んでるファニ。可哀想なので両方買ってあげる事にした。


「毎度。最初に選んだ髪飾りはそっちのお嬢ちゃんのいう通り私の孫が手慰みに作ったものさ。こっちは…あったあった、《賢獣ビーストオブプライドり》ってアイテムだねぇ。獣人の身体能力を五分間だけ倍増させる代物の様だねえ。」


あれ…?ビビってもしかして目利きか何かが得意なのだろうか?


「ネルはこれとこれ。」


「う、うん。」


最早本人の主張などお構いなくビビが決めたものを受け取るネル。


「こっちが《天覇の足環》、ジャンプやフライに大幅な補正を掛ける、こっちは《天馬の革靴》飛行時間が伸びるアイテム。」


「驚いた!よく知ってるねえ。うちの店で雇いたいくらいだよ!」


お婆さんに総額金貨四枚のところ金貨二枚と銀貨八枚に割引してもらってから私達はお昼の鐘を背に宿へ向かう。


「ビビ、もしかしなくてもアイテムの名前と効果が分かる?」


道中それとなくビビに尋ねると、あっけらかんと答えた。


「うん、集中すればぼんやりと頭に効果が浮かんでくる。」


やっぱり。ビビスカウトして正解だわ、これ。

物品鑑定アイテムアプレイザル…必須スキルを手に入れた瞬間で有る。

物品鑑定は蝶々型蟲人固有スキルですえ。

他にも??型?人と種族によってそれぞれ固有スキルがある。が、魔法は使えないという罠。


新キャラ増やしたい欲がヤバい…!後付け設定ってのはどんどん生やしてナンボってだれかが言ってた(言ってない)

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― 新着の感想 ―
[一言] 何と!?また新たなキャルを増やした?ヤバ過ぎる欲でしょう。。。今でもキャラが非常に酷く多過ぎるだと思います、増えても覚える能力も願望も全然無いですけど。。。普通に昔最初の頃の仲間達をとても気…
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