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修羅場注意報

すみませんでしたァア!!(焼き土下寝)

更新間に合わず申し訳ない!


今回は二話分の文字数書いたから許して下さい…


暫く紳士仮面さんの強さの余韻に浸りつつ動きの再現をしてから、私はコッペリオンに帰還した。


いや、あの人間隕石ばりのタックルは真似できるものじゃ無いし、そもそも私の体重が軽すぎてクレーターなんか作れないよ?


ただ双剣技なら身近に一人居るからクーロンに行ったら武器屋で双剣をオーダーメイドしようかなぁ…と。


ちょっと熱中し過ぎて、日が傾き過ぎたのはご愛嬌って事で… 丁度おやつどきくらいかな?


門の列に並び順番を待っていると先んじて目的を伺っている衛兵さんが前の人達に話を聞き、割符を渡している様だ。


「ようこそコッペリオンへ。順番待ちの間訪れた目的をお伺いしています。ギルドカードなどの提出をお願い出来ますか?」


「はい、どうぞ。出る時に簡易魔法巻物スクロールを使ったから受付処理はしてないけど緊急事態だったから大丈夫だよね?」


基本的には何処の町でも外での魔法使用は禁止だ。

だが特例として襲撃された場合やSランカーには使用を一時的に許可される特権がある。

それはAランカーにも免除されていて、周辺半径五メートル以内に人が居ない場合にのみ発動できる。


ギルドと衛兵詰所に事後報告が必要だが、それも軽い事情聴取でお終いだ。

Bランク以下の者は最悪投獄されて最悪の場合絞首刑となる。


取ってて良かった、Sランクカード様々である。


「えええ、Sランクの冒険者様?!これは失礼しました!どうぞ此方に!貴族様方用の専用門がご利用出来ますので!!」


冒険者のSランクともなれば騎士爵と同定度の権威を持つ。


「良いよ良いよ!別に急いで無いし。あ、リモーネ商会前の大通りからダーデナー鍛治工房の方面の裏路地にジェノスって名乗ってた人達が伸びてると思うんだけど回収ってされてるかな?」


「あ、あれも貴方がされたのですか?住民から連絡が有り、私も現場に行ったので存じております!串焼きの屋台の店主がSランクの嬢ちゃんがやったと証言も貰っているのでリリィさんで間違い無いでしょう。数名は捕縛したのですが、魔法で拘束されている者は魔法が使える同僚がどうにもならんと言って現地に置いたまま見張りを立てています。」



「あ、おじさん見てたんだ。衛兵をあまり待たせるのも悪いよね?ごめんなさい、断った後だけど案内して貰っても良いかな?」


私が大量購入した露天のおじさんだろう。

此方に好意的な発言してくれたので明日もやってたらまた買ってあげよう。


「ええ、勿論ですよ。私の代わりに若い奴を付けましょう!おーい、ラティスー!こっちに来てくれー!」


お?あの人って最初にコッペリオンに入る時対応してくれたお姉さんだ。まあまあ可愛かったから何となく覚えてるんだよねー!


「分かりました!あれ?前に一度お会いしましたよね?その時はAランクだったのに凄いですね!あ、すみません、此方へどうぞ!」


「大丈夫だよー!案内よろしくねー」


ラティスさんに連れられ貴族用門を通り隣接している衛兵詰所にて事情を説明。


なんかあちこちで窃盗や強盗が増えているらしく人手が足りないのでどうぞどうぞと送り出された。


ラティスさんから詳しく事情を聞くにあの長蛇の列もそれ絡みらしく、銀虎団という所謂窃盗団がコッペリオンに侵入し、貴族の家に盗みに入っているのだという。


ギルドにも応援を頼むくらいだから相当人手が足りないのだろう。

興味があるならギルドで依頼を受けれると言われたので、明日見に行ってみようかな?


そんな風に話していると、すぐに目的地にたどり着く。

門同士を繋ぐ大通りの近くだからね。


土の棺桶に入った筋肉ダルマさんとニードルプリズンに入ってるモブ達数名。


キチガイナイフ男は伸びてそのままだった筈だから既に捕まっている筈だ。


魔法を無力化すると逃げ出そうとする奴がちらほら居たが一人を蹴り倒すと理解したのか大人しく自ら手を差し出して縄を掛けやすくしてくれた。


ラティスさんにぺこぺこ頭を下げられながら、別れを告げていると魔法の心得がある衛兵にコツを教えてとか言われたが、貴方の努力次第だ、と伝えて私はその場を後にした。


さて…次は。。。


ギルドに行こうか。

ランゼいるだろうか?


ジェノスって組織とか気になるし、魔王軍幹部も出張って来てる。

報告はしといた方がいいだろうなぁ。


という事で、やってきました冒険者ギルド。

はいはい、顔パス顔パスー。

そんでぇフローラさんと衛兵隊長さんが会合してたので、私も参加することになった。


「ん?大通り外れのジェノス連中の話?あ、それ私、私ー!何か尾けられてたから呼び出してボコボコにしといた!そんでリーダー格のルッカってのが魔人化?したから豊穣の大樹海まで短転位して戦ってたんだけど、その魔人化薬?みたいなのを作った人が助っ人に現れちゃってさー。あ、作った人の名前はカーリアね?多分魔物研究が専門分野でギルドにも顔出してるはずだよ。んでカーリアは何と魔王軍の最大戦力である死天王の一人と繋がっててさー。また助っ人でグレイティアが来ちゃったんだよねー。流石に不味いと思って撤退を考えてたんだけど、紳士仮面さんって人が助けてくれてさー!もうめちゃくちゃ強いの何のって!!ーーー」


「あ、あの情報が多すぎて処理しきれません!一つ一つ教えていただけませんか?」


「あーごめんなさい。ちょっと色々あり過ぎて疲れちゃって、早く終わらせたかったのは有るかも。それじゃ町で起こった事からーーー」


それからゆっくりと懇切丁寧に説明する事二時間。

漸く情報と擦り合わせを終えて私は少しフラつき気味のままフローラと共に宿へと向かった。


紳士仮面さんの情報はギルドも持ってなかった。

残念…あんなに強いからてっきりSランクだと思ってたのに…


丁度本日分の作業を終えた後に私が姿を出したので残業という形になってしまったので、謝罪の意味を含めて夕食に誘ったのだ。


「本当にお邪魔しても良いんですかね?」


「大丈夫大丈夫!お詫びの気持ちもあるし!」


「……分かりました、ではお言葉に甘えさせて頂きますね?リリィさんって不思議な人ですね…?」


「不思議?これでもしっかりしてるつもりだよ?たまにちょっと…ほんのちょっとだけ失敗するけど…」


「いえ違うんです。ただ、側に居るとこの人について行けばどんな未来が待っているんだろう、とかリリィさんに任せておけばきっと大丈夫だって言う期待といいますか…兎に角ーー」


気配…素人ダダ漏れの下手くそな尾行が付いてる。

その中に一人、いや二人、他の奴等より隠れるのが上手い奴が潜んでる。


「シッ…!尾けられてる…五人…六人かな。ちょっと適当な料亭に入って時間を潰そう。」


「分かりました。指示に従います。」


近くにある料亭に入ろうとすると後ろから声が掛かる。


「リリィさん、あの…待って!」


「ふぇ?ファニちゃん?!」


「うん、皆一緒だよ!少しお話がしたくて…大丈夫?」


「ごめんなさいね?仕事を終えてからファニが持ってた宿の場所に行っても見つからなくて皆でリリィちゃんを探してたの。例の件で聞きたいことがこの二人にもあるらしくって。」


「シズだ、宜しく頼む。」


青い髪に羊の巻角、毛皮の様なモコモコした体毛に身を包んだ知的な女性だ。


「ドロシーよ!」


鳶色の髪に大きな翼。猛禽類を彷彿とさせる鋭い目付きで私を見やる。


「リリィだよ、宜しくね?フローラさん何処か個室のある料亭って知らないかな?」


気配を配って見たがさっきから感じる嫌な視線は途切れない。 


お腹も空いたしご飯が食べたい。


「ここなら大丈夫ですよ、集音の魔道具が設置されていて完全個室です。」


「良かった、じゃあ入ろうか。」


「いらっしゃいませ。お客様、申し訳ございませんが当料亭はドレーー」


ドレスコード?知らない子ですねー。

私達は殆どが冒険者だし、年端も行かない子供(私より年上)が居るんだぞー!


「これ、私のギルドカード、この人この町のギルドマスターね?私の言いたいことわかる?」


どうやら偶々通りがかったオーナーさんが友好的に接してくれて部下らしき人を叱り始めた。


「部下の教育がなっておらず申し訳ございません。」


「大丈夫だよ、本当ならお店のルールに従うものなんだろうけどちょっと事情があってね」


「構いません構いません!どうぞ最奥の部屋が空いておりますのでそちらへ!」


「さ、先程は失礼しました!どうぞ此方です!」


オーナー自ら案内してくれるらしく後に着いていく。

途中で部下さんに声を掛ける。


「私のせいで怒られちゃってごめんね?」


「いえ、もっと柔軟性を身に付けるべきだと学んだ所でして、お客様が謝ることなどありません」



「そう?ありがと。それでお願いが有るんだけど、この宿に泊まってるランゼって人を呼んできてくれない?なるはやだと助かるなぁーと」


「ももも勿論でございます!直ぐに行って参ります!」


うん、地図と金貨を一枚握らせたら穏便に済んだよ。世の中金と権力…


「リリィちゃん、私たちまで良かったのでしょうか?」


「大丈夫だよ。なんか私とフローラさん尾行されてたみたいでさ。個室の料亭にまで入って来ないと思うけど、ファニちゃんやビビちゃん達が居るからね、一応安全策。後はランゼに尾行者を捕まえてもらってここも奢って貰おうー!」


我ながらいい策だ。

ランゼなら『お嬢様のご命令とあらば直ぐにでも』とか言ってチャチャッと済ませそうだ。


「ランゼ?さんってどんな人なの?」


「あー、私の家臣だよ。最近までマルバラの町でギルマスやってた。」


「家臣?ギルマス?ごめんなさい、少し話が込絡こんがらがってて…リリィちゃん……リリィさまは、その貴族様の出身なのかしら?」


「あれ、言って無かったっけ?私の本名はリリアナ•アルデン•センティス。アムスティア王国所属の伯爵だよ。あ、態度は今まで通りで構わないよ?私がこんな性格だからさー、気楽に行こうよ、気楽に!」


「リリアナ•アルデン•センティス…伯爵位…消えた英雄…なるほど、分かりました。」


「え?レイアお姉ちゃん!リリィちゃんがあの御伽話の英雄さんなの?」


「あれは御伽話ではありませんよ、ファニ。実際に起きた事です。何よりこの貴族章がその証。」


「んー、何か魔王軍の死天王って大幹部と相打ちになって気付いたら五年後の世界に飛ばされてたって言うのが真実なんだよねー。」


「あー、脱線してしまったが当初の話を戻しても良いだろうか?」


「そうだね、シズさん。えっと私に話が有るんだっけ?」


「ああ。私達を雇いたいという事だが、要らないのではないか?Sランクが貴殿を含め二人居るのだろう?戦力的には十分だ。なのに何故私達を雇おうとする?」


「んー、少し話を聞いてほしいんだけど、最初に尋ねるね、ルッカって人に聞き覚えあるかな?」


「ルッカ?!ここに居る六人が全員知っている。私達の親代わりだった者だ。三年前、突如行方を眩ませた。」


ルッカが親代わりねー。二十代中頃くらいだったしそんな物か。


「私、ホームを出た後に襲われたんだよね。ジェノスって名乗ってた。」


正確には名乗って無いけど誤差だよ誤差。


「ジェノスですって!?嘘よ!ルッカお姉ちゃんが…そんな…!」


突然取り乱したドロシーさん。

ネルちゃん、ビビちゃんが怯え始める。


「ドロシー、落ち着きなさい。ビビ達が怯えてるわ。リリィちゃん続きを。」


「あーごめんね?てもその前に、私この町に来て日が浅いからジェノスを知らなくて。良ければ説明してもらえるかな?」


そう、よく分かって無いので説明がほしい。


「私から説明しましょう。ジェノスとは裏社会の者が破落戸ならずもの達を雇い、金や物を独占しようとする不届き者達の事です。根元は帝国主義にあり、暴力を振るい他者を貶める様な野蛮な連中です。」


「あー、タチが悪い無法者ってことね。納得。」


「それも含めて話を戻しましょうか?」


「うん、でね…ルッカが言ってたんだ。『裏通りのボロ屋に居る亜人達には近付かないでくれ。あれは私の獲物だよ。横からいきなり現れて掻っ攫おうなんて酷いじゃないか!』って。よく分からなかったけどそれがレイアさん達を指してるのは分かったんだ。」


「獲物?だがルッカ姉は私達を残して忽然と消した。未練があった?いやしかし…」


「んで、話を戻すとこのままコッペリオンに居るとそのジェノスに狙われるよ?元々はあんな荒屋で女が六人住んで危険だって思ったのと、着る物もボロボロで食べる物にも困る程の生活じゃこの先何処かしらで困難に遭うと思ったから。これは後付けの理由だけど、私達ならジェノスから皆を守る事が出来る。ルッカにもう一度会って話をする事が出来るかもよ?」


「それは…」


「私決めたわ!一緒に行く!シズ、アンタはどうするの?」


「私は…」


「シズ、この町に愛着を感じているのは分かります。貴方が一番ルッカに懐いていた事も知っています。ルッカが戻って来てもいい様にと【拠点ホーム】を無理矢理維持していましたが、もう限界なのは貴方も分かっているでしょう?」


「……分かった。リリィ殿に着いて行こう。これから宜しく頼む。」


「うん此方こそ宜しく。」


私とシズさんは硬く握手をした。と、その時ノックが響く。


『お嬢様、ランゼです。お呼びとの事ですが…』


「お、来た来た。とりあえず入ってー。」


質のいい服に着替えたランゼが姿を表す。おぉー流石亡国の王子。

馬子にも衣装ってやつか、よく似合ってるじゃない!

レイアさんとかフローラさんの視線が釘付けになってるけど…まぁ彼女持ちだし大丈夫っしょ。


「あ、この六人は新しい旅の同行者ね!後で適当に挨拶しといて。」


「畏まりました。道中、料亭に視線を向ける不届き者が居たので衛兵に突き出しましたが、それ絡みでしょうか?」


「おぉー、有能有能。それだけじゃなくてさ後二つあるんだー。フローラさんを旅に同行させる説得するの手伝って欲しいなって。」


「え?!私ですか?」


「うん、多分私と繋がりがあってこの六人と一緒にここに入ってるの見られてるし、あまり時間が経たない内に狙われるよ?下手したら家に火を放たれるまであるかも。」


「事情を聞いても?」


あ、ランゼにも話さなきゃ。


少女説明中……


「ジェノスですか…厄介ですね。フローラ、お前次第だがお嬢様の言葉に従っておいた方が良い。」


「ランゼは…私が着いて行ったら嬉しい…ですか?」


おや、様子がおかしいぞ?フローラさんの目が据わって…いつの間にお酒頼んだの?!


「ムッ?そうだなギルマス候補時代からのよしみだ。少なくとも旅が華やぐだろう。お嬢様もーー」


「私はランゼ個人に聞いてるんです。リリィさんの従者じゃなくランゼ•カーソナルにです!」


「私自身としてはお前と共に旅がしたい。」


らんぜの言葉を聞き急速に顔が真っ赤になるフローラさん。


「……ッッ!!分かりました。明日ギルドと父上に話を付けてきます。ランゼ手伝って下さいね?」


「あぁ!私に出来る事なら任せてくれ。」


ランゼ……鈍感すぎるのも罪だよ?お酒の力を借りてまで決意した乙女にそこまで言わせておいてその返しはちょっと…


「ランゼ、二つ目。フローラさんのお酒に付き合ってあげて?私は皆を連れて先に宿に帰っておくから。」


明日メルティさんに怒られても知らないもんね!罪な男よ…


「畏まりました!」


支払い?私がしたよ…。

リリアナ以外の七人のランゼに対する印象


フローラ→好き!(直球)

レイア→カッコいいかも

シズ→レイアが好きそう

ドロシー→お金持ってそう

ファニ→優しそうなお兄さん

ビビ→頼りになりそう

ネル→ビビが好きそう


シズ 羊族獣人 十八才

知識を探求しちゃう系女子 ものぐさそうに見えて一番家事が得意


ドロシー 鷹型鳥人 十七才

高飛車系女子 心を許した者にしか甘えない 実は意外とチョロイン

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[一言] やっとモヤモヤゾーンから抜けそうで何よりです(´ω`)
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