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お風呂と買い出しとストーカー

えー、こちら移動しまして拠点の裏側の開けた一角にて土魔法で壁を作った特設スタジオからお送りしています。


要するに…お風呂と言う名の合法もふもふ会じゃ〜!!


「ひゃうー!!冷たいですぅー!」


ファニちゃんは剥いたら出る所が出ていて柔らかい。あ、しっぽの付け根はこうなってるんだー。へー、ほーん。


「水、気持ちいい。ボクお風呂好き。」 


「えっと、私貴方達のこと知らないんだけど…?」


「ただのお風呂屋さんだよー、そーれそーれ!」


ビビちゃんの羽根は透き通っていて太陽に反射して凄く綺麗。あ、結構頑丈な作りなんだ、ネルちゃんにゴシゴシと強めに洗って貰ってる。


ネルちゃんも戸惑いながらも楽しんで居るようだ。


「何でウチまでひん剥かれとるんやー!!リリィのアホー!とばっちりやんけー!!」


うん、マルシェラちゃん。それは様式美ってやつさ。何処がとは言わないが、私と変わらないぺったんこのお胸を見て安心した。


「とっておきの石鹸をあげようー!薔薇の香り付きだよー!」


香り付きの石鹸はとっておきで中々製造が安定しない為普及していない。


「ふわぁーとってもいい匂いですー!」


「そうでしょ?これなんと一個で金貨二十枚!」


「に、に、に、二十枚?!そんな高級品、私達に使っちゃダメですよー!」


「良いの良いの、代金はもう貰ってるし。」


うん、凄く良い光景だ…!カメラ持ってくれば良かった…


「これ、楽しいね。ほら、ネルも泡々〜!」


「えー?ビビちゃん適応早すぎだよ!というか尾羽はデリケートだからあまり触っちゃ嫌〜!」


ツゥ…(鼻血)


眩し過ぎる…少女同士が仲良く戯れ合っているのがこんなに美しいモノだったとは…また別の亜人同士と言うのがプラスポイントだな…てぇてぇー。。。


「マルシェラちゃんも綺麗になろうねー!最近体拭くだけだったし。」


「ウチ、風呂は苦手なんや!止め…ひゃー!!」


マルシェラちゃん、ちゃんとお風呂は入らないといけないよ?私に任せておきなさい!!



×+×+×+×+×+×+×


「リリィのアホー!鬼畜ー!人でなしー!ウチ、お嫁に行けへん!」


「まぁまぁ、落ち着いてよマルシェラちゃん。あ、此処にさっきのお店で買った串焼きとふわっふわの白パンが…」


「ま、まぁ、リリィが変人なのは分かっとったしな。それで手ぇ打っちゃるわ!」


ちょろちょろじゃないですかやだー!


そこがまた可愛いんだけどさ!


風呂から上がり全員に私の服をあげる。髪をドライヤーの魔法で乾かしてファニちゃんの尻尾に櫛を掛けてあげる。 


おぉ、中々綺麗な毛並みだ。黄金色で艶もある。レトリバー系かな?耳も寝てるし。


「えっとファニから聞きました。私達の現況を変えてくれるかもしれない人たちだって。えっと私からもお願いします!個人的には旅の同行をさせて欲しいです!これ以上お姉ちゃん達に迷惑を掛けたくないから!」


「うん、私としてもそうなったら良いかな。レイアさんが他の二人と相談してるみたいだし、それ次第だよ。」


ネルちゃんがファニちゃんから説明を受けたのか頭を下げながらも決意の固まった顔をしている。


結果は分からないけど、ネルちゃんは賛成派だろうな。


ネルちゃんと会話してるとファニちゃんが私のあげた花柄のワンピースを恥ずかしそうにしている。


私の持っている服で一番大きいものだ。いつか成長した時の為に取っておいたものだが、他の服じゃ一部が窮屈らしかったので仕方なくワンピースを着て貰った。


己れ…格差社会め!私は貴様を絶対に許さない!


「えっとこんな綺麗な服、本当に頂いても良いんですか?」


「良いよ良いよ、どうせ余り物だし!凄く似合ってるよ?」


「本当ですか…?えへへ!」


「ファニは可愛い。もっと自信を持つべき!」


「そうだよぉ!普段着てるボロじゃファニの良さは出せないよ!もっとおしゃれするべき!」


「ふ、二人とも褒めすぎだよお!ビビちゃんもネルちゃんも可愛いよ!」


ビビちゃんは私が普段着てるレース付きのシャツとスカート、ネルちゃんは同じシャツにパンツスタイルだ。


ビビちゃんの妖精度が八割増しくらい上がってるのは間違いない。


レイアさんも含めて皆美形なんだよなー。


「さて、と。そろそろ私達は帰るね?これレイアさんに渡しておいてくれる?受けてくれた際の支度金と私達の泊まってる宿の場所書いといたから。それとこれで美味しいものでも食べて?」


金貨三枚と羊皮紙、別途に銀貨を六枚手渡す。

あまりお金をばら撒く様な事はしないほうが良いけど必要経費だ。


ファニちゃんはあう〜、と戸惑いながらも受け取ってくれた。


二日後の夜に、と別れを告げ、私とマルシェラちゃんは一度宿へと帰還した。


「ランゼ〜?居るー?」


ランゼの部屋をノックするとメルティさんが顔を出す。


どうやらランゼはギルドに行っているらしく留守だ。


メルティさんに旅の同行者が増えるかも知れないと言う事を説明して私は一人宿を出て買い物に出掛ける。


マルシェラちゃんは疲れたらしいから留守番をすると言う。


さて、やる事がいっぱいだ。


まずは馬車の購入かな?それから食料と香辛料の買い込み。あと武器の手入れとお化け大樹からドロップした宝玉の性能も確かめないと。


馬車屋は直ぐに見つかった。大きな修道女の絵が二階の屋根に飾られた立派なお店だ。


というかリモーネ商会の支部っぽい。


ということはもしかしなくても私…?何処となく似ていないことも無いけど…


マルーカ頑張ってるみたいだな、少し安心。


「いらっしゃいませ。リモーネ商会コッペリオン支部へようこそ!本日はどの様なものをお探しで?」


「馬車を探してるんだけど在庫ある?なるべく大きめで中古でも構わないんだけど。」


貴族章とマルーカの一筆が書かれた高級な紙を案内役のお姉さんに見せると、顔付きが変わり真剣なものになる。


「リリアナ•アルデン•センティス様…ご無事だったのですね?商会長にはこちらから連絡しておきます!私は南エリア担当のシュカと申します。ささ、応接室にご案内します。」


南エリア担当?多分商会では中々地位が高いんじゃ…?

案内役をして客の質を確かめていると言った所だろうか。


流石はマルーカ、後進の育成にも一切手を抜いて無いようだ。


「ご希望の商品ですが、二点有りまして。貴族用の中古のものと当商会最新鋭の技術で作られた行商用の二点有りますが如何でしょうか?」


写真が載ったカタログの様なものをテーブルに広げて見せるシュカ。


んー、貴族用か…派手派手であまり好みじゃ無いんだよな。


大きさもそこまで無いし。


行商用の方は大きめでサスペンション擬きの様なものが搭載されており、魔物避けの匂いがする刻印が刻まれている。


うん、買うならこっちだよね。


「行商用をお願い。それと香辛料とか置いてたら幾つか欲しいんだけど!」


「ええ、勿論ですとも。ではーー」


幾つか香辛料を買って馬車代も支払うと金貨二十枚だった。

まぁ必要経費、必要経費。


お金なら魔石と魔物の素材を売っていっぱいあるし!


馬車は明日宿に届けられる事になっている。


次は鍛冶屋によって、手入れの間に露天を巡ろうかな。


何だろ?商会を出てから誰かに付けられてる。


私をそこらの貴族令嬢と思って誘拐でもするつもりかな?


逆にコテンパンにのして衛兵に突き出してやる!


「ーーっと、失礼。」


「いやいや、此方こそ。」


人がぶつかってきたので軽く受け答えする。


スリか…まぁ逆に盗品だと思われる財布を数個取ってやったけど。


「あ、衛兵さん!あの人スリです!」


「なッ?!クソ…!!」


「はいはい、逃がさないよー!」


さっと追い付くとスリ男を地面に転がす。


背中に踏み付けを行うと男は短く悲鳴を上げた。


あぁ、衛兵さん。私はSランクですよー


身分証、身分証。


衛兵さんに捕まえたスリの身柄を渡すと私はまた歩き出す。


うーん、しつこいな。イライラしてきちゃったぞ?


面倒だし出てきてもらおう。



「さっきからそこで私を付けてる人達、出てきたら?それともこっちから行こうか?」


誘拐犯っぽいストーカー達の方にビシッと指を指して声を掛けるとヌッと細身の女と男が数人現れる。


「いやー、お嬢さん強いねー!その身のこなし、流石はSランクだ。」



冒険者らしき通行人が何かを囁き合っている。


聴力を強化して話に耳を傾ける。


「おい、ジェノスのルッカだ、逃げろ逃げろ。」


「あいつらに関わると碌な事になりゃしねぇ」


「あのお嬢ちゃん助けなくて良いのか?」


「馬鹿、竜の逆鱗に触れる様なもんだぞ?やめとけやめとけ。」


ジェノス?ルッカ?


よく分からないけど会話してみようか…それから判断しても遅くはない。

ファニ達の年齢と種族一覧


ファニ14歳 犬族獣人 大人しい性格

ビビ13歳 蝶族蟲人 ミステリアスな性格

ネル13歳 燕族獣人 元気っ子

レイア18歳 雀蜂族蟲人 おっとりお姉さん

ドロシー18歳 ?族?人 ???

シズ17歳 ?族?人 ???


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