閑話 マオ
※31日迄毎日一話更新します
設定晒しという名のた だ の ギ ャ グ 回☆
ボクは生まれながら孤独だった。
母はボク産んで間もなく死に、父は母の死を仕事に忙殺する事で相殺し誰もがボクを居ない者扱いした。
全てに絶望し掛けたその時、ボクは彼に出会った。
【万物破砕の拳王】ガーファンクル•ドラクリオン。
人の身ながら魔王軍死天王の一角を担う超越者。
彼は世を捨て、家族さえ捨てて、武の高みを目指す者だ。
彼は色々な事をボクに教えてくれた。
戦い方、生き残り方、人族の宗教や生活理念、時には失敗談や恋愛の話、残してきた家族の事など。
その種類は多岐に渡り、真面目な彼は時折変な勘違いをしてボクを楽しませてくれた。
いつしか幼かったボクは人族に興味を持った。
『ねぇ、ガーファンクル!ボクも人族の国に行ってみたい!』
『そうか。いつかきっと行ける。それまで修練を怠るなよ?』
『むぅ〜!いつかっていつだよ!ボク、今すぐ行きたい!人族の国を取って父上に褒めて貰うんだ!』
『そうだな、俺を倒したなら好きにすれば良い。運命の環は坊、お前を導いてくれるだろう。』
『よーし!ボク頑張る!それとボクは女だってば!』
『ごちゃごちゃ言ってないで掛かって来い!』
『うぎゃー!』
拳では勝てないと分かるとボクは武器を持つ事を思い付く。
ガーファンクルに頼んで死天王最強【這い寄る死】ゴッサムに渡りを付けて貰い、剣の指導をして貰った。
『おいおい、俺様に剣を教えろだって?ククク…お嬢、面白そうだから俺様も協力してやる!』
『ほんと?!やったー!』
『だが、俺様も忙しいからな…ふむ、こいつをやろう。テンカの奴から預かっ(借りパク)てたが俺様には扱い切れん。そんじゃ反乱してるオーガ共をぶっ殺して来い。そんじゃな。』
『えっ?!うわー!!』
…訂正しよう。
ゴッサムからは何も教わってない。
生きるか死ぬかの境地に突然転移魔法で飛ばされた。
だけどそんな極致だったからこそボクは生きる術を学んだ。
けどゴッサムは五年間、突然行方を眩ませた。
死天王其々が気分屋で年単位で居なくなる事はあるけど、音信不通なのは滅多にない。
ガーファンクルに尋ねるも『心配は無用』との返答のみ。
だが、武器を持ってしても再度挑んだガーファンクルには傷一つつける事すら出来なかった。
ならば魔法を身に付けようと【絢爛にして豪胆】グレイティアの元を訪れる。
『えー?あーしに魔法を教えろって?』
『お願い!あ、これオーガ族が溜め込んでた宝石。ガーファンクルにグレイティアに渡せば喜ぶだろうって…』
『うっは!何これ?!めちゃめちゃピカピカじゃん!略してめちゃピカ!…あー、魔法だっけ?んじゃ、これ読んどいて!あーし、忙しいからー!』
そう言って手渡されたのは分厚い魔導書。
魔王軍最大火力の魔導士の秘蔵の書だ。
一年掛けて全てを模倣したボクは再々度ガーファンクルに挑む。
この頃。出る所が出始めて、ガーファンクルからの呼び名が坊からお嬢になったのは余談。
今度はガーファンクルの胸に傷を付けたけど、擦り傷程度。
またボクは地に転がされた。
そして、最後に訪れたのは【月夜に潜みし暗影】テンカの元だった。
彼女は奇襲、暗殺、野外戦、屋内戦、撤退戦、防衛戦、強襲、侵攻、凡ゆる事態を想定して最善を捥ぎ取る魔王軍の知恵袋。
ボクは軍略を学びにテンカの元へ向かった。
『あの…軍略を教えて欲しいんだけど…!』
『…… (数巻の巻物を手渡す。)』
『えっと…これを持って行って良いのかな?』
『…(こくこく)カリカリ… (そっとメモを渡す)』
「?」
【南にてワイバーンが異常発生している。原因を突き止め対象を殲滅、又は捕獲せよ。
部隊はスレイヤーゴブリン精鋭十体、一体も死亡者を出さない事。期限は一週間。(と、達筆な字で書かれている。脇には顔を覆った人がニンニンと言いながら人差し指と中指を天に向けている可愛らしいイラスト有り)】
達筆すぎて読めなかったが、ガーファンクルに代読してもらい城を飛び出すとテンカの弟子らしい十体のゴブリン達と合流し、急いでワイバーンの飛び交う山へ向かう。
移動中、通りすがりのベヒーモスやリヴァイアサン、バハムートに襲われたがスレイヤー•ゴブリン達のお陰で何とか逃げ切った。
テンカから渡された兵法書【撤退戦の巻】を熟読しておいて良かった。
そして苦労して辿り着いたワイバーンの巣をどうにか攻略し、幼体を十体捕獲。
異常発生の原因を究明。
山の裏にある森に地龍が来た事によって住処を奪われた魔物が山に逃げ込みワイバーンの食料となり、数が爆発的に増加。
尚、幼体はゴブリン達がそれぞれ育成し、将来的には騎乗する模様。
レポートを書きテンカに提出すると、
良くできました!
の文字と大きな花丸がされたレポートと【忍びの極意】と書かれた巻物が帰って来た。
目に見えた成長は出来なかったが、戦のありと凡ゆる知識を身に付けた。
そして一年掛けて、テンカの固有魔術であろうニンジュツと呼ばれる魔法も教わった。
ボクは再々々度ガーファンクルに挑む。
きっかけはガーファンクルとの出会い。何度も地面を這いつくばって土も舐めてやっと覚えた格闘術。
ゴッサム…からは何も習ってないし、行方不明だったけど、死地で必死に頑張って覚えた刀術。
グレイティアから(魔導書を投げ渡されて)学んだ魔導の極意。
テンカから(無茶ぶりされつつも)教わった軍略と(レポートの出来が良かったから渡された)ニンジュツ。
今のボクならきっと勝てる。
そう信じて挑んだ都合四度目の真剣勝負に…ボクは勝った。
そしてその翌日、ボクは父上に呼ばれ謁見の間を訪れる。
『マオよ、よくぞガーファンクルを降した。最早お前に言い残す事はない。我は退位しお前に魔王を譲ろう。そして我は大魔王と名乗り人族を蹂躙しようぞ!フハハハハ!!』
『え?ちょ…魔王様ー!』
そしてボクは…突然魔王になった。
いや、押し付けられた、と言った方が正しいか…
父上…魔王の地位がこんなに忙しいなんて聞いてないよ?
忙しい中でボクは人族の世界の情報を集めた。
人族が崇める聖神教の女神リカーナに選ばれし英雄マシュー•ガーズ•センティス。
英雄…即ち魔王の敵!!
引き続き情報を集める様にダラスへと告げると、父の現在はボクの書斎へ向かう。
そこには人族の歴史や生活に関する本が多く蔵書されている。
だが今必要なのはそっちじゃない。
執務机の引出しに入れてある黒い板。
最新情報が常に更新される魔動連絡板なるものだ。
タブレットを弄っていると気になる情報を見付ける。
マシュー•ガーズ•センティスに関する情報だ。
マシュー•ガーズ•センティス(15)
運命神リカーナ【使徒】
好きなもの 義姉
嫌いなもの 鍛錬
家族構成 父(死去) 母 妹
四歳の時に借金の形としてアルデン家に戸籍移動
義父 義母 義姉(行方不明)(現在十一歳の姿でゴールディンモートに時間跳躍中) 義妹 義妹
え?え?え?
使徒って何?
姉が時間跳躍中?
ボクは混乱し、ダラスを呼び出した。
そして調べた結果、ゴッサムがリリアナなる少女に関わっている事が判明した。
ゴッサムを尋ねると確かにリリアナと交戦したという。
更に英雄マシューと【時渡りの聖女】の子孫もその場に居たという。
そしてリリアナは使徒であると同時に【神召の英雄】なるものらしい。
運命神リカーナの半身、魂魄神アーカナルがこの世ならざる世界から召喚した魂を宿せし者。
それが【神召の英雄】だと言う。
ボクはこのリリアナという少女に着眼し、動向を見守った。
最初はほんの些細な興味だった。
彼女を知っていくうちにそれは憧れに変わり、いつしか恋心へと変わっていた。
彼女と愛し合いたい。
彼女はゴッサムと互角に渡り合える…
いや、それ以上の潜在能力を身に宿している。
ボクの興味は尽きなかった。
部下を送り出し氾濫を起こしたり、愚かな王を焚き付け国同士を争わせたり、クーロン王国の姫を攫ったり、クーロン一の騎士クロッカスを部隊ごと捕らえたり…と、リリアナがどう動くのかが気になって仕方がない。
「クフフ…次はボクが直接殺しに行くよ!待っててね…?」
ボクは豊穣の大樹海に指定転移をした。
幼少期の歪んだ環境によりクレイジーサイコレズ爆☆誕!!
リリアナのライバルポジション…的なキャラです。
死天王(グレ、ゴッサ抜き)に育てられたハイブリッド魔王様。
そして色々設定とか新キャラ投入しましたが、暫く出番ありません!(キリッ
なお大魔王さんは南の大陸にて亜人達と鬼ごっこ(迫真)中。
夜中のテンションで気付いたら筆が乗って3000字を一時間程で書いてしまった…
時系列としては
マオ十才→ガーファンクルに弟子入り
十一才→刀貰う その二週間後ゴッサム行方不明
十二才→グレイティアに魔導書借りる
十三才→忍者ゴブとワイバーン殲滅
十四才→テンカの元で忍術修行 会話が出来ないので筆談で質疑していた
十五才→一人で特訓
十六才→魔王就任 ゴッサム帰還
と言ったところでしょうか
歳と誕生日がリリアナと一緒です




