表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/232

自由を夢見る古城の眠り姫3

マルシェラちゃんの案内で古城をトコトコ歩く私たち。


途中擦れ違う魔物がビックリしているようだが、主であるマルシェラちゃんが直々に案内しているためか突然襲いかかる様な真似は控えている様だ。


マルシェラちゃんは眠いのかふらふらしながらも、私を案内してくれる様だ。


さて…私が知っている情報で幾つか気になる事がある。


一つは【怠惰】というワード。


皆さん聞き覚えはないだろうか?


そう、リビーことオリヴィエ・ストロベリー・ジェネシス嬢の実家、ジェネシス家が昔話にて語られる塔の魔女に掛けられた呪いと同じなのだ。


その昔話のタイトルが【四公と塔の魔女】である。


そして特徴的な淡い水色の癖毛。


濃淡の違いはあるもののジェネシス家の特徴とあまりに似通っている。



少なくとも何かしらの因果関係にあるものと私は考えている。


原作の設定資料集には彼女が死天王の直属部隊、【罪深き親衛隊セブンズシン】の一員、としか記載されていなかった。


これは少し調べてみた方が良いかも知れない。


だが、それもここをマルシェラちゃんを連れて出てからの話だけどね。



「ん?リリー、どうしたん?」


「少し考え事。ーーちょっと待って?あそこ…魔力の流れが滞ってる…」


「へ?何処なん?ウチ分からへんわ!」


「ほら!あのガーゴイルの居る台座!あそこだけ魔力が流れてなくて隠蔽の魔方陣もあるよ!」


私は指を指し、等間隔で並ぶガーゴイルの一体が鎮座する台座に注目を促した。


上手く隠してあるけど、魔法のエキスパートである私には通用しない。


私じゃなきゃ見逃しちゃうね!



「んぅ?あ…ほんとや!長いこと此処にったけど全く気づかんかったわ…リリーは凄いんやなぁ!」


マルシェラちゃんが私を尊敬の眼差しで見つめてくる。


くぅ~…

嬉しいけど、ちょっと照れるな。


フッフッフ…もっとその愛らしい瞳で私を尊敬して良いのよ?


もっと誉めても良いのよ?


なんて、私は内心調子に乗りそうになるけど、私は自制心をフル活用して真面目を装う。


「マルシェラちゃん!あのガーゴイルってマルシェラちゃんの従魔?」


「うーん、分からへん。パスは繋がってるんやけど、ウチの言うこと聞いてくれへんのや。ウチの感覚なんやけど別の人が割り込んでる感じがすんねん…」


ふむふむ…私の魔力眼で見る感じ、確かにマルシェラちゃんと繋がっているが、他の方向へもガーゴイルからのパスは繋がっている様に見える。


恐らくゴッサムか、他の死天王であることは間違いないだろう。


だが、おかしい。


ゴッサムやダリアの父ガーファンクルは脳筋なので除外される。


残り二名の女性達は魔法を得意としているが、どちらも当てはまりそうもないのである。


「うーん、まぁいっか。襲われたら撃退すればいいだけだし…【魔断鋏マジックリッパー】」


えい、と声を上げ私はガーゴイルと繋がられたパスを切断した。


マルシェラちゃんとの繋がりは勿論残した。



すると変化が訪れる。


ガーゴイルだったモノは奇妙に身体を揺らすと突然姿を変え別物へと変貌を遂げた。


「グゥッッ…まさか魔力の繋がりを断ち切られるとは!!【あの方】に何て言い訳をすれば…おのれ…!おのれェー!」


それは額に角を生やした魔族だった。


特徴的なのは反対側の壁が透けていることだろう。


霊体か、それともスライムのように軟体な魔生物の高位体か…恐らくは後者だろう。


酷く激昂し、取り乱している。


それに【あの方】と呟いていた。


更に台座だったものは隠蔽が解け錨の様なモノに変化し、輪っかの部分から伸びた鎖はマルシェラちゃんの心臓部分へと繋がっていた。


これが【天魔の縛鎖】だろう。


原作でも何となく見覚えがあるので間違いない。


んー、きな臭いぞこれ。

感想、ブクマ、評価、レビューお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ