自由を夢見る古城の眠り姫1
私は単身上空を結界術で走り回っていた。
目指すは《狂乱の古城》と呼ばれるダンジョン。
実はソロでダンジョンに挑むのは初めての経験で、私は少しテンションが上がってる。
土地勘は無いけど、際限なく沸く魔物の列を追って行けばそのうち着くでしょ!
うん、だいじょぶだいじょぶ!
ダリアが十キロくらいって言ってたから三十分くらいで着くでしょ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
うーん、何だか予想より早く着いちゃったかも。
半分くらいの時間で目的のダンジョン上空へと到着しちゃった。
まぁ、早く済むに越した事はないし、結果オーライ!
ちゃちゃっと済ませちゃおう!
「フッフッフ…とうッ!」
結界から勢い良く飛び降りた私は持ち前の身体能力を生かして無駄に三回転宙捻りを魔物に披露してしまった。
「ギョワッ!」
「ナンダ、アイツ?ヒト族か?」
「若いオンナだ!捕まえロ!」
「「「うおーー!」」」
おっと、無駄に注目を集めてしまったか…
どんなに隠しても私の良い女オーラは隠せないのか…フッ。
なんて冗談かましてるけど、実際嫌悪感マシマシのニンニク野菜盛りなので近寄ってくるゴブリンやオークをなます切りにしてやった。
んー、出入り口は目の前の玄関くらいしか見当たらないなー。
窓が一つも見当たらないや。
とりあえず【百式火弾幕】を適当に発動して様子を見よう。
ドガガガガガガガーーー
物凄い勢いで音を立て火弾が城壁へと命中するのだが、全く崩れそうにない。
それに雑魚どもが音を聞き付け集まってきた。
あっちゃー…完全に失策ですわ、コレ…。
方向調整に使っている右手をそのまま雑魚どもに向けて百烈火弾幕をお見舞いしてやった。
ひゃっはー、魔物の消し炭の完成だぜぇー!
ハッ!魔物の口調が一瞬私を支配していたみたい!
いけない、いけない!
私は花も恥じらう淑女、お下品な口調など吐いたことありませんわ!オホホホホ!←どの口が言うか!
むぅ、やっぱり正攻法で玄関からお邪魔するしかないか…
トボトボと玄関先に向けて歩を進めていくと内開き式なのか中から一人出てくる。
「ふわぁー…ウチの眠りを邪魔するのは…誰なん?お仕置きせな…ん…?…敵?」
透き通るような真っ白な肌に綿飴を連想させるかのようなふわふわな水色の髪に寝癖を付け、頬は枕跡なのか圧迫され片側だけ真っ赤だ。
パステルピンクのパジャマ姿の少女が気だるそうに問いかけた。
手にはとある魔族のデフォルメ抱き枕が抱かれている。
え?嘘ー?!
「ふぇッ?!マ、マ、マルシェラたんだー!やっべぇ、オラわくわくすっぞッ!」
私のテンションは最高潮へと鰻登りとなるのだった。
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