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スタンピード2

「来たかッ!総員構えよッ!」


「「「おう!」」」


ランゼの一言で全員がやる気を全面に出し武器を構える。


今日は私もランゼの指揮に加わるかな。



「とりあえず、一撃入れてもいーい?」


「はぁ…ダメと言ってもお嬢様は聞かないでしょう?構いません、ド派手なヤツをぶち込んでください!」


ため息吐かれた?!もしかしてランゼからの私の評価ってかなり我が儘なの?!


これはそのうち改善しなくちゃ!


ここはランゼのリクエストに答えて今まで封印していた魔法を使おう。


出来る上司ってのを見せ付けねば!




「おっけー。ふぅ…【爆炎雷刃ブレイズサンダー】!!」


見た目は普通の火弾。

でも電気を帯びてるのをうっすら感じる事が出来る。


敵の中心辺り目掛けてとんでもない速度で放たれた魔法それは、爆音と共に多くの魔物の命を刈り取った。


ある魔物は熱波に焼かれ、ある魔物は感電し、ある魔物は炎の刃に首を落とされ絶命した。


今の一撃で三分の一がご臨終だ。


三分の一消し飛んだ尚も続々とその後ろから魔物が増えている。


うーん…際限ないなぁ…


だけど…今のは少しやり過ぎました…反省。


よし、切り替え切り替え!


「ランゼ!五年でどれだけ強くなったか見ててあげる!私は少し休むね?」


「フフッ…良いでしょう。主にそこまで言われたのならば全力をお見せしましょう。ーー【風翔脚力強化四掛ウィングブーストクアンタム】!!」


自信有りげな笑みを浮かべ身体強化をしたランゼがあっという間に魔物の元へ辿り着く。


あれは単純な身体強化だけじゃないかな?


多分風魔法も使ってる。


巨大なトロルの真下に立つと下から一気に跳躍し、縦一文字に切り裂いた。


かと思うと、振り返り様に群がるウルフ六体の首が舞う。


「【剛嵐弾テンペストバレット】!!」



すかさず右回りに何度も魔法を放ち敵を一掃する。


一発一発が特大の嵐の様に有象無象を小間切れに変えていく。


へぇー、やるじゃん。


というかランゼって魔法そこまで得意じゃなかったよね。


獲物も槍から剣に変わってるし、いつの間にか無詠唱も使いこなしてる。


五年でよく成長したものだ。


うんうん、私の背中は任せたよ?



「ふぅ…如何だったでしょうか?あれ?お嬢様が不敵に笑っておられる…?何か良からぬ事を企んで居るのでは?」


「失礼な!ただ、今のランゼなら私の魔法に何発耐えられるかなぁー、とか、本気で剣を打ち合ったらどのくらい持つかなぁー、って考えてただけだよ!」



「それが危険な思想なんですよ!」



「むぅ~…」


不承不承ながらここはランゼの意思を汲み取るとしよう。


それからランゼは魔力を使いすぎて疲れた様で本陣に向かいフラフラと歩き始めた。


気を付けてよー!


そう声を掛けて、私は魔物側の監視を始めた。


暫くその場で監視をしていると不意に背後から声が掛けられた。


「さっきのはあんたたちの仕業かい?あんな派手に暴れるたぁあたしの血が騒いじゃうじゃないかい!」


「あ、ダリア!見てたんだ?」


「あんだけ派手に暴れりゃ嫌でも目に付くさね!それよりリリー、あんた本物のリリアナ・アルデン・センティス…なのかい?ギルドマスターがあんたと会ってから其処らの冒険者より大人しくてるのを見てまさかと思ったけど…」


「うん。まぁ、これまで通り接して欲しいかな~!ダリアには助けて貰った恩があるし!」



「フフ…はいよ!あたし達ゃもう仲間だよ!さぁーて、あたしも一暴れしてくるさね!」


「お!ダリアの戦闘気になる!私も行っていーい?」


「あんたが暴れちゃランクが低いやつらの獲物がなくなっちまうじゃないか!はぁ…手加減くらいはするんだよ?」


「うん、分かったー!クククッ…【黒腕】の実力…この目でしかと見せてもらおうか」



「…?変な子だね、リリーは。それじゃ、行こうか?」


「フハハ、今宵大地を赤く染め上げてやろうぞ!」


「まだ昼なんだけどねぇ…」


ダリアから言われた仲間って言葉…実は凄く嬉しい!


貴族も良いけど、冒険者にも憧れてたんだよなぁ…!


こういうのも悪くないかも!


何だかテンションが上がって中二病(第二人格)まで姿を表してきた。


楽しいなぁ…!


「あんた…何だい?その不気味な笑顔は…?」


ダリアから指摘されるまで私は暗黒笑顔ダークスマイルを続けたのだった。

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