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うぉん!うおおぉぉぉおーん!

食事に満足し、私とダリアは冒険者ギルドへと向かった。


本部の三分の一ほどの大きさだけど、それでも周辺の建物の数倍は大きいギルドの建物は土地勘の無い私でも直ぐに目に付いた。


お馴染みの盾と剣が交差した看板は何処でも共通な様だ。


私とジェシカで一生懸命デザインしたんだから当然だよね!


ジェシカ、元気してるかなー?


今は五年後だから25才くらい?


流石に結婚してるよねー。

これ以上は行き遅r…ゲフンゲフン!


ギルドの押し戸を開けるとまだ昼時だというのに冒険者と思わしきガラの悪い連中が酒場スペースで屯っている。


まぁ、定番だよねー。


「おう、嬢ちゃん!ここは嬢ちゃんみたいな子供が来るような場所じゃねえぜ?顔の怖~い連中が、嬢ちゃんみたいな別嬪さんを拐っちまうかもな~ガハハ!」



「おじさんも顔怖いよ?」


「なッ!こんのクソガキッ!」


ほうほう、これもテンプレって奴かな?


けど、このおじさん素直に忠告してくれただけなんじゃ?


面白そうだから挑発したけど、どうしようか?


軽くしておく?


と、考えているとダリアが指を鳴らし後ろから入ってくる。


「ほぉー?ボストン!あたしの客人に喧嘩売る気かい?なんならあたしが相手してやろうかねえ?」


「あ、いや…えと…姉御の客人とは知らず…すまねえお嬢ちゃん!」


「んー、ダリア!私の実力を見せれば誰も突っかかって来ないよね?良いよ、リュックサックさん?サンドバッグさんだっけ?まぁ、いいや!私と喧嘩しよーよ!」



身体も鈍ってるし、少し動かしたい気分。


私はその場でピョンピョンと跳ねて軽く拳で空を切る。


ゴゥン、ゴゥン、と空を切る音が私の耳に響く。


うーん、やっぱりちょっと拳の速度が遅いなぁ。


こりゃ鍛え直した方が良いかも。



「ハッハッハ、B級上位のボストンをサンドバッグ扱いするたぁリリーも中々言うじゃないか。どうだいボストン、あんたが勝ったらこの身体好きにしても良いよ?んん?」


ほうほう、キャリーバッグさんはB級上位なのかー。


地方の冒険者がどのくらい育っているのか興味はあるかな。


「なっ?!あ、姉御の身体を?!ふもおぉおー!やりますやらせて下さい!」



「だってよ?リリーどうする?」


「良いよぉー!ポシェットさん?に先攻譲ってあげるー!」


単純な猿と化したエコバッグさんが両手を掲げて此方に突っ込んでくる。


まるでレスリングみたいな構えだ。


私は軽く上に飛んでランドセルさんの頭に着地する。


そのまま飛び上がり背中を軽く蹴ると酒場の奥側の壁にべちゃっと瞑れたカエルみたいになって、その状態で背中から落ち、ひっくり返った。


「ボストンさんが一撃?嘘だろ?!」


「てかあんな小娘が大の大人を軽々二十メートルは吹き飛ばしたぞっ?!」


「マジかよ…あり得ねえ…」


ギャラリー共がザワついている。



「ほう、リリー?あんたも結構血の気が多いみたいだねえ。あんたの身体を拭くとき見たけど、戦士の身体みたいに筋肉が付いてたからまさかとは思ってたけど…こりゃあたしの想像以上かもねぇ。」


嘘?!

私の身体見られちゃった?


イヤァーン!なんてね。


まぁ、ダリアだったら良いかなぁ。


とか思ってると誰かが二階から大声と共に降りてくる。



「誰だ、騒ぎを起こしているのは?!ギルドから追放されたいのかッ?」


ん?誰~?


「ギルマスだ!」


「チッ、また口うるさいのが出てきたよ。」


「またお前か?!ダリア!いつもいつも騒動ばかり起こしやがって!今度という今度はッーー」



私はさっとギルマスなる人物の背に回り指で肩をツンツンする。


「ねぇねぇ、騒動を起こしたのダリアさんじゃないよ?焚き付けたのはそうだけど。」


「おまえは誰だ?!」


「ちょっ、リリー!あんた、いつの間にそんな所に!」



「ん?リリーだと?」


うーん、話の通じなさそうな人だなぁ。


神経質そうなメガネのイケメン兄ちゃん。


年は二十代前半だろうか?


んー…どっかで見たこと有るような…何処だっけ?


あっ!もしかして!


「えと…ランゼかな?」


「ん?何故小娘が私の名を…え?リ…リリアナ…様…?本物?」


「ん!」


私は懐中時計を懐から取り出す。


ジェネシス公から頂いた私の領地の家紋要りだ。


私の部下でたまたま捕虜として捕まっていたのを助けた、帝国に滅ぼされた亡国の元王子ランゼ。


私の領地で別の国の王子だったこれまた捕虜になってたヴェイルと共に働いていた筈だ。


でも何でこんな所にランゼが居るのだろうか?


謎だ…。


「あの頃とお代わりないお姿だと…?!いや、それよりも…!生きて…いらっしゃったんですね…?うぉん…!うおおぉぉぉおーん!」


感極まったのかけたたましく吠え、男泣きを始めた。


あ、そういえばダリアが英雄譚を広めている男が居るって言ってたなぁ…


「お前の仕業かぁー!!」


私はランゼを指差し絶叫するのだった。

流石にこのサブタイトルは…無いかな…?

【ギルドでのテンプレ】と悩んだんですがどっちでも良いかなぁとこっちを採用しました。


次回更新は13日土曜日です。


また2/13を持ちまして本作品は二周年を迎えます。


投稿間隔が一定せず読者の方々には迷惑をお掛けしますが、温かい目でお見守り下さい。

ではでは、また次回~!


感想、ブクマ、レビュー、評価、お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 一人だけ未来へ行った?取り残した仲間達には辛いかも。。。そして時間の流れが違ったら絆が維持出来ない事は悲しいですね。。。
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