私にとっての希望
SIDEマリアンヌ
「い、嫌!リリアナ…様?リリアナ様ぁー!そんな…嘘でしょ…?」
わたくしが不甲斐ないばかりに…そんなの嫌よ!リリアナ様に受けた恩を私はまだ少しも返せてないのに。
「リリアナ様…!絶対に死なせませんわ。《我が祈りよ、神に届け。矮小なる我を全霊を持ってこの者を死の闇から救い給え。【代償蘇生】》」
私の祈りよ…神に届け…!
例えこの命が尽きようと、このお方だけは見捨てないで…!
私はそのような事を考えながら必死に祈りを捧げました。
リリアナ様に教わった聖属性魔法の極意、禁じ手と言われる蘇生の呪文。
私は唯々必死に同じ呪文を唱えました。
「ガハッ…ふぅふぅ、リリアナさまぁ!」
吐血しても私は唱える事を止めませんでした。
何度も何度も。全てはリリアナ様の為に。
私の魔力は既に空っぽ。
命を削ってでもリリアナ様を助けたい。
唱える度に私の中で何かが消えていく感覚が残ります。
最初は血の臭いが消え、七回目の詠唱時に辺りに漂う血の臭いがしなくなりました。
「アウッ…はぁ…はぁ…絶対…たす…ける…!」
嗅覚、次に視覚を失ったのだと気付いたのは八回目の詠唱後。
お願い…息を吹き返して…!
ただただそれだけを私は願いました。
「うぅっ…おねがいっ!リリアナさまぁ!」
十二回目の詠唱をしたその時、
「ガハッ…ハァハァ…」
「リリアナ様!」
リリアナ様が息を吹き返したのです。
神よ、感謝します。
私にとっての希望の光、リリアナ様。
私はその場で意識を失った。
感想、ブクマ、評価、レビューお待ちしております。




