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あんたは強い

SIDEマシュー


(姉さん…凄すぎるよ)


僕は魔人を相手に怯まぬ姉さんに心のなかで称賛を送った。


姉さんとの戦いで傷付いたヨハンと僕は対峙している。


それでも向こうは大人で魔法使い。


満身創痍なのは見て分かるけど、僕の実践経験はバルッセ第四騎士団長のグリム・トルーパーのみで、全くタイプが違う相手だ。


『手負いの相手と戦う時は決して油断しないこと。向こうは追い込まれて居るから何をするか分からないからね。』


以前姉さんに言われた言葉をふと思い出した。


油断はしない。


自分に自信を持て。


『マシュー、自覚は無いと思うけどあんたはうちの騎士団で数えたら上から数えた方が早いわ。あんたの弱点は自信の無さ。もっと自信を持ちなさい!自信が有ればジョセフは無理でもホセやパルメラ辺りならいい勝負が出来るんじゃない?』


姉さんは僕をボコボコにされた後は必ず回復魔法を施してくれた。


その時ふと言われた言葉が僕を奮い立たせる。


「ヨハン、僕は貴方を許さない!うおぉぉぉーー!」


「ふん、小僧。私と斬り合おうなど千年早いわ!『風刃』」


幾つもの風の刃が僕の服や肌を斬り付ける。



だけど、僕は構わず前へ足を出す。


こんなの姉さんの魔法に比べたらへっちゃらだ。


それに今の僕には心強い味方が居る。


「マリアンヌさんっ!」


「はいっ!【回復ヒール】【継続回復リジェネレイト】【身体能力向上二乗ブーストツイン】」


ヨハンを守る結界の様な物としのぎを削る僕の愛剣。


マリアンヌさんの補助魔法によって僕の身体能力は上がり、今なら姉さんに勝てるとは言わないまでもジョセフ団長とならいい勝負が出来るのでは無いだろうか。


僕の渾身の一撃はヨハンの左腕を肩口が斬り裂いた。



「ウグッ…おのれぇー!」


横合いから大槌の様な風が僕を横殴りし、僕は吹き飛ばされる。


だが、この程度じゃ僕には何の痛快も与えない。


マリアンヌによる継続回復は伊達じゃない。



「ファルシオン!」


「ヒヒーン!」


僕は愛馬の名を叫ぶ。


すると、何処から飛んできたのか僕の横へ降り立ち腰を屈め乗るよう催促された。



「ありがとう。一緒に戦ってくれるか?」


「ヒヒン、ブルル!」


僕の言葉に答えるかの如くファルシオンは上空高く飛び上がると、ヨハン目掛けて急降下していく。


ヨハンが魔法で牽制しようとしてくるけど、マリアンヌさんが【聖盾】を飛ばしてくれたのか、僕に直撃する前に弾かれていく。


攻撃が届くかどうかギリギリの所でヨハンは横に飛び華麗に避けられた。


内心舌打ちをするも僕はファルシオンを操りヨハンへ攻撃を続ける。


「ヌゥ…小賢しいガキ共め!ならば、狙うはそこの小娘のみ!」



ハッ!マリアンヌさんが危ない!


僕はファルシオンの背を蹴りマリアンヌさんの元へ飛び込んだ。だが、間に合わない。



「マリアンヌさんッ!」



「アッ…」



「マリー!」


その時、僕より早く姉さんが、マリアンヌさんの元へ駆け付けた。


敵は…片手をダランと下ろし、その場に蹲っていた。


いつの間に?


姉さんはマリアンヌさんに回復魔法を施すとヨハンの残った左腕を斬り飛ばし、それでも足りぬとばかりに右足を膝から切り落とした。



「ウグゥッ…アァッ!わ、たしの腕と足が…!おのれ…おのれぇー!リリアナぁー!」


「あんたに構ってる暇はないの。じゃあね、噛ませ犬さん。」


「アハハ…ハーハッハッハ!全て…すべて消し飛べぇー!」


姉さんの一撃がヨハンの首に届く瞬間。


ドォォオーンーー


という音と共にヨハンは魔力を暴走させ自爆した。




「姉さんッ!マリアンヌさんッ!」


僕は爆風に飛ばされ意識を失ってしまった。



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