お嬢様のプレゼント攻撃は成功しました
次の更新は土曜日です!
青い空、白い雲。
そろそろ体感で2時頃かしら。お日様は中天から少し傾き始めた。
穏やかな風が吹きよく手入れされた庭園の真ん中には白い猫足机を囲む三人の美幼女たち…!
デュフフフ…レインちゃん、タニアちゃん、アンちゃん!私が来たわよ!
秘密の花園へ…!
「あ、リリーちゃんだー!おーい」
「御待ちしてましたわ!」
「…遅刻。けど、誰も責めない。早く座って」
「皆様お待たせして申し訳ありませんわ。少々お菓子作りに手間取ってしまって…お口に合うか分かりませんが、食べてみて頂けませんか?」
私は手に持った二つのバスケットを差し出す。
片方はプリン、ゼリー、クレープなどの保冷が必要な菓子。氷魔法が使える私にとっては簡単な事。
もう一方はクッキー、マカロン、フィナンシェなどの焼き菓子が入ったバスケット。
どれも自信作で、お菓子作りに嵌まっていた前世の経験を糧にしてみた。
「こんなに沢山作ったのですか?リリーさんすごいです!」
はっはっは、そうだろうそうだろう!
「これ、なんだろ…?ふしぎー」
タニアちゃんはゼリーを指でつつきながら不思議そうに見ている。
ゼリー特有のプルンとした弾力を珍しそうに見ている。
「甘い…幸せ!」
アンちゃんはさっそく好物のプリンに舌鼓みを打っている。普段無表情な彼女からは珍しい頬を染めた笑顔だ。
「沢山作って参りましたのでお好きなだけどうぞ?余ったらお家にお持ち帰りになってもよろしくてよ?ここに調理手順が書かれたレシピもーー」
「ちょうだーい!」
「ください!」
「…プリン!」
フッ…作戦通り…!
私は三人に見えない様に少し悪い顔をした。
ジェシカと目が合う。
何故か憐れみの視線を向けられた。
解せぬ…解せぬぞ!
メモは三人のメイドさんたちにそれぞれ渡し、楽しい時間を脳内補完し、暮れ始めた赤い夕焼けをバックに心のシャッターを切りまくった。
聖アムスティア女学園生徒名簿
レイン・キュリエ・アルフォード 16才
箱入り娘として育てられ男と接さず生きてきたためか大の男嫌い。しかし幼少期は主人公と姉の友人としての付き合いをした為唯一家族以外で接する事が出来る。しかしひとつの事件を切っ掛けスレ違いが始まる。裏表ない性格で生徒から絶大な人気を博する生徒会長。だが実際はプライドが高く実家の爵位に不満を持っている。しかし持ち前の努力家精神で生徒会長まで登り詰めた野心の女。子犬や子猫が捨てられていたら放っておけない性格でついつい連れ帰ってしまう。学園唯一の男子生徒である主人公には高圧的に接する。
好きなもの 動物、権力、
嫌いなもの 実家 施しを受ける弱者、男
「あら、マシューさん。どうしたんですの?盛った犬のような目をして…汚らわしい…近付かないで下さる?」




