キャメロン制圧
増援部隊がやって来たのはそれから一時間後だった。
ロイと共にやってきたのはパルメラの部下で小隊長のアマンダとその部下たちである。
小隊規模にしては練度も高く、アマンダ自身男勝りな性格で負けず嫌いだったのを何度か行った調練視察で見たのを覚えている。
男嫌いだったと記憶しているが最近ロイと食事を共にしているのを見掛ける。
まぁ、他人のプライベートに口を出すつもりは無いが七つも年下の少年に熱を浮かすのはどうかと…この話は良いか。パルメラに後事を任せ私は悠々と拠点へ戻った。
食事を取り湯浴みを終え夕方までゆっくり執務をしていると伝令から報告が入る。
「閣下、都市キャメロンの制圧、完了しました!」
「伝令ご苦労、配給班からお酒を受け取って休むと良いわ。明日の仕事はキャンセルして良いから。そのかわり明後日から休む暇もなくなるくらい忙しくなるからその覚悟でいなさい!」
「畏まりました!それでは失礼します!」
部下の部下とはいえ信賞必罰は私の権限だ。
残り少なくなった酒と食料ではあるがキャメロンが陥落しその心配は無くなった。
バルッセ公国軍の持ち込んだ物資はキャメロン市民に開放するとしてお酒だけ押収させて貰おう。
ちゃちゃっと書類を認めると秘書官を通じ商業ギルドの長に届けさせる。
グッ、と背伸びをして一息吐いていると背後から声を掛けられる。
「リリー、今夜はゆっくりする筈だったのでは?戻って来てからずっと机に向かっているじゃないですか。お身体を壊しますよ?この間もそれで倒れーーンムッ!ハァッハァッ…リリー?」
レインが心配してくれているがお小言は勘弁だ。
小煩い口を私の唇で塞ぐ。
「あー、ごめん。もう留守中に残してた仕事は片付けたから一緒にゆっくり出来るよ?けど、少しだけ席を外して良いかな?少し気掛かりでーー」
「リ…リリーはズルいです…!けど仕方ありません。マリアンヌさんのところでしょう?行って下さい。」
あれ?マリアンヌの所だなんて一言も言ってないんだけどな?
「うーん…前から思ってたけどレインって勘が鋭いよね?ごめん、ちゃんと埋め合わせはするから!」
「私の勘が鋭いのではなくて、リリーがわかりやすいんですよ、フフッ!ほら、早くマリアンヌさんの元へ行ってあげて下さい!」
私の背を押し強引に天幕から追い出すとレインは天幕の出入り口の布を閉じてしまった。
ここで時間を潰してても仕方ないし、私は早々に切り替えマリアンヌの元へ向かった。
更新遅くなりました…申し訳ない…!




