キャメロン城潜入作戦〜A班〜
お久し振りです。
連載再開して参ります。
翌朝、軍の指揮をジョセフに任せて私はマシュー達を引き連れ、結界魔法を使い城の屋根へと降り立った。
幾つか有る尖塔の窓から忙しなく動き回る兵士が見えた。
「っと…ここまでは難無くクリアだね。皆、此処からは兵士に気付かれない様に慎重かつ速やかに行動するよ?改めて作戦の再確認ね。マシュー、私達の目的は?」
「A班が敵指揮官及び幹部の捕獲。B班は城内の敵勢力の鎮圧。」
「OK!んじゃここに穴を開けるから下に降りたら注意して進む事。くれぐれも単独行動はしない事。良い?」
「「「了解」」」
屋根に穴を開け城内部に潜入する。私、ルル、マリアンヌ、ジョーズ、ポロ、モガがA班、B班はレインを隊長としてマシュー、ロイ、サレナちゃん、イシスちゃん、アンちゃん、タニアちゃんが指揮下に入る。
「レイン、頼んだよ?」
「お任せください。リリーも気を付けて?」
頷き合い私達A班は右に続く廊下を慎重に進んだ。
王城には劣るものの元は公爵家の居城、それなりの広さが有る。
入り組んだ通路を何度か曲がった先で前を歩く二人組の兵士の背が遠くに見えた。
「ポロ、行ける?」
「誰に物言ってやがる!任せとけ!」
鼻を擦り勢いよく頷くと音を立てず忍び寄り左の兵士の心臓に剣を一突きし絶命させる。
「な、なんだ、奇襲か?!え…子どーー」
右の兵士が気付き声を上げるが私が遮音の魔法を半径50メートル以内に掛けているので彼の声は誰にも届かない。
冷静に斬り伏せたポロが近くの部屋を確認し、異常無かったのか兵士の亡骸を引き摺り部屋の中へ放り込んだ。
私は絨毯に付いた血を掃除しようとしたがルルに待ったを掛けられる。
「同志、待って。ローズマリーがやらせて欲しいって。」
「ん?ローズマリーが?んー、分かった。お願い出来るかな。」
緑色のタコ型魔物が触手を上げると浮遊し血溜まりのある場所まで一瞬で移動した。
魔法陣が周囲に展開され、水球が複数発動する。
そのまま床にぶつけるのかと思ったら血溜まりが水球へと吸い込まれて行くのが見えた。
全ての血溜まりを掃除した水球はポロが兵士の亡骸を入れた部屋へと移動し床にぶつかる音を残し扉を器用に触手で閉めたローズマリーが戻ってきた。
凄い…!あれは重力魔法?それとも風魔法と水魔法の複合だろうか?どれにしても私の知らない応用法である。従魔とはいえ侮れないな。
「同志、驚いたかしら?私のローズマリー凄いでしょ?」
「うん、単純に驚いたよ。」
ローズマリーはルルの肩に器用に乗ると、まるで人間の様に胸?を張り触腕を腰?に当てた。
どんなもんよ?と言う幻聴さえ聞こえて来そうだ。
私は頭を振り、皆に声を掛けて先を急いだ。
明日も投稿します!




