表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/232

不調

更新遅くなりまして申し訳ございません。


諸々の事情により四月中の更新は行えません…

読者の皆様には大変ご迷惑を御掛けしますがご了承のほど宜しくお願い致します。

初戦から明けて次の日。


深夜に駆け付ける捕虜捕獲の伝令とレオンハルトに送る報告書を認める作業でほぼ休めなかった私は不機嫌になりつつも諸侯が集まるまで覚醒作用のある苦い紅茶を飽き飽きしながら飲んで待っていた。


「リリー、少し休んでは?」


レインがそっと肩に触れる。

私は肩越しに振り返り微笑みお礼を言う。


「心配してくれてありがとっ。これを終わらせて午前中の軍議を終えたら少し休むね。レインこそサレナちゃんの天幕に戻って少し休んできたら?私を気遣って付き合う必要はないよ。モガ、レインに付き添ってあげて?」


「畏まりました」


初戦後に二時間ほど仮眠を取ってから起きており、マリアンヌが深夜突然やって来た時には起きていたレインは少し眠そうだ。


気遣ってくれるのは有難いけどレインも身体を休めて欲しい。


ついさっきもうつらうつらと船を漕いでいたのだ、それに成長期の大事な時期を不健全な時間調整で過ごして欲しくない。


私?もうどうにでもなーれ☆って感じですけど、何か?


少し気だるさと微熱と疲労感があるけど、動ける範囲だ。問題ない。



身長や筋肉なんかは成長してるし、一部を除いて特に問題はない、一部を除いては…ね。


どうして私の胸は膨らまないのだろうか…うん、止めよう頭痛が痛い。


レインがモガに連れ添われて退室するとジョセフやホセが天幕に集まってくる。


バルムンク卿、アルトリオは数人の諸侯軍を連れ残敵を捕らえてはここへ連れてくる任務を逐っている。



「お嬢、隈がひでぇが大丈夫か?何なら軍議は俺達で纏めとくがどうする?」


「ううん、これも私の仕事。午後はゆっくり休む予定だから準備を整えて?三十分後には軍議を開始するよ。」


心配そうに見つめるジョセフに力なく笑って見せるとジョセフは一つため息を吐き天幕を出て数人の兵士に声を掛けた。


軍議に参加するものにまもなく開始する旨を伝令として走らせたのだろう。


ホセはホセで別の兵士を捕まえ軍議の場のセッティングを始めた。


私も一度天幕を出て水球を作り顔を洗う。


【清潔】と【体力回復】の魔法を使い、服と身体の汚れを落とした私は気持ちを切り替え天幕へと戻った。



▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


軍議を終え三時間ほどの仮眠を終えた私は次の行動へ移る。


ここから北へ五十キロほど進むとパーシアス家の領地、その領都がある。


ジョセフが二千を引き連れ先行し、陣地を構える予定だ。


私達はどうするのかと言うと増えすぎた捕虜を管理する体制が必要なので千を残し二日後に全軍で北上するのだが、捕虜の収容施設がこの街にはない。


ので、作るというのが次の私の仕事だった。



「【防壁】【防壁】【防壁】【防壁】…はぁ…二日で終わるかな、これ…?」


平原に聳え立つは十メートルを越す城壁。厚さは三メートルほど。


軍議で決まった事とは言え普通の兵士達に作らせていては日数が係りすぎる。


まずは外箱だけ私が作り待機する千人に残りの工事は任せることにした。


のだが、約一キロの範囲を囲うのは大して手間ではないのだが、今の私は連日の徹夜や書類作業で端的に言って疲労している。


少し仮眠を取りはしたが募った疲労により魔力効率が悪く、多くなったり少なくなったりと均一に魔法を発動することが難しくなってくるのだ。


「やはりもう少し休んだ方が良いのでは?リリーほどは難しいですが、私やルルイアさん、イシスさんも魔法を使えるのですから。それに魔法兵や聖教騎士の方々もいらっしゃいますし。」


と、レインが悪魔ならぬ天使の囁きを呟くが私は首を振る。


「ううん、これは私の仕事だから。今日中に終わって明日一日休むから気にしないで。」


「でも…ーー!」


私は人差し指で四の五の言うレインの唇を塞ぎ微笑む。


「大丈夫。レインは向こうで休んでて。よーし、頑張るぞー!うぉー!」


空元気を言い大声を上げて私は防壁作成作業に戻った。


完成したのは深夜になってからだった。



▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


完成してから収容や残工事の手筈を諸侯の一人に引き継いだ。


彼にはこの収容所の監督をしてもらうことになっている。


この先戦線に出れないと言う訳ではなく一ヶ月置きに全線と収容所の兵士を丸々取り替えるのと、月に一回収容所の責任者を交代するという約束なので文句も出ず滞りなく引き継ぎは済んだ。


捕虜が死んだり逃げ出したりしなければ良いので特に責任はない。


食事は一日一回でずっと刑務作業に従事させるというような、人を人として扱わない者なら考えるが彼はジョセフやアルトリオ、バルムンク卿には数段劣るが信用は置けるのでそんな事はしないだろう。


その後軽い食事を取って私は丸一日眠った。


翌日、目が覚めると私は拳をギュッギュッと握り体調を確かめる。


「ん!上出来ッ!」


体調の戻った私は軍を率いて北上を始めた。

このあともう一話更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ