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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
二部二章 ドキドキ?!学生編
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真っ黒お嬢様

私はゆっくりと唾を飲み込み情報を咀嚼する。


「キャサリーヌさん、どういうことですか?陛下の婚約者が私?ちょっと理解が追い付かないのですが…?」


「困惑するのは分かります。順に説明すると、私の家は王国誕生より国内外の情報収集を任として来ました。あ、これも機密扱いなので他言無用ですよ?」


どんどんと知らない情報が入ってくる。


対面するキャサリーヌ嬢の実家、ナランシア伯爵家が諜報活動をしていたなんてまるで知らなかった。


原作でも語られてないのではないだろうか…?


いや、キャサリーヌ攻略ルートはプレイしてないので知らなかっただけかも知れない。


けど、常にレオンハルトかナナリアの周囲に居たのでナランシア伯爵家は近衛か文官の役職だったと思っていたが…


「続けますね。我がナランシア伯爵家には国外は当然、平民区や各領内に諜報員を配置しております。そしてとある情報を手に入れました。陛下が婚約者を探している、そして近々発表する、と。そして一番に上がったのがリリアナさん、貴方の名前です。数々の功績を残し、国民から英雄と呼ばれる貴方に注目が集まりました。多分レオンハルト様が外堀を埋めようと動いたのでしょう…。リリアナさん、レオンハルト様に気に入られる様な事しましたか?例えば私室に行ったり、まだ世に出ていない功績を残したり。」


「……」


うん、心当たりあるなぁ…。


月に二~三度レオンハルトに呼ばれ過去の事を話したりこれからの流れや情報交換を行っていた。


だが二人で会うのは最低十五分以内だし、リアスティーナやナーナが常に一緒だった。


そんな噂を流される筋合いはないのだ。


「確かに二人で会う事は数度有る。けど、長くても十五分程度で私のメイドかリアスティーナ殿下、ナナリア殿下が常に側に居たからなぁ。」


「やはり、そうでしたか。もしかしたら幾度もレオンハルト様の元へ赴くリリアナさんを見て王城で働く何処ぞの貴族が早とちりした可能性もあります。これからはレオンハルト様との接触は最低限にした方が良いでしょう。」


その時私の直感が違和感を覚えた。これだけの為に私は呼び出されたのか?


先程ミュウちゃんとの対面時に噛み付いたキャサリーヌの行動がおかしく思えた。


レオンハルトの、王国の臣としては間違っていない行動だがやはりおかしい。


レオンハルトに諌められどうして私を睨み付けたのか。


答えは既に分かった。


「キャサリーヌさん、正直に答えて?キャサリーヌさんはレオンハルト殿の事を一人の男性として慕っている?」


「何をバカな事を…?」


キョロキョロと周囲を見渡し、手に持っている紅茶のカップがソーサーと何度もぶつかりカチャカチャと音を立てる。


明らかに動揺している。


冷静を装っているが、多分確信を突かれて焦ってるな。


「とても大事な事。話して?」


なるべく優しい口調で語り掛ける。


するとキャサリーヌは観念したのかカップをテーブルに置き、手をだらんと下ろし口を開いた。


「えぇ、そうですよ…私はレオンハルト様を一人の殿方としてお慕い申し上げております。ですが、私には既に婚約者が居る身…叶わぬ恋です。そしてレオンハルト様は明らかに貴方へ接する態度が軟化しています。ですが、正直に言います。これ以上レオンハルト様に近づかないで…!」


立ち上がり私を睨み付けるキャサリーヌ。


おお、怖い…でも私には危害を加えられないのは分かっている。


彼女は純粋な頭脳タイプだ。


脳筋に囲まれ育ってきた私には敵わないのは本能で分かっているだろう。


だが、私はそんなキャサリーヌを気に入った。


本音を晒け出し裏表なく語ってくれたキャサリーヌ・ナランシアという少女を。


そして嬉しく思った。彼女は私に良く似ている。此方側・・・の人間だ。


「今のキャサリーヌさん、凄くいい顔してるよ?気に入った、私と取引しない?」


「貴方に気に入られても虫酸が走るだけですッ!断固拒否します!」


意思の強い言葉を宣言するキャサリーヌ。


面白い子…私は自然と意地の悪い笑いをしてしまう。


「ヒヒッ…!キャサリーヌさん、最高…!貴方の婚約者の実家を没落させ、レオンハルトとの会瀬に協力すると言っても?」


「うっ…そんなことが出来る訳…!あっ…」


そう、私は飛ぶ鳥を落とす勢いに急成長した伯爵家当主で、王国国庫の三割を支配している。


私の一挙手一投足で宮廷貴族の伯爵家なんて閑職に追い込む事だって可能なのだ。


それを理解してキャサリーヌはわなわなと震え始める。


そして力なくその場にへたりこみ呟く。


「リリアナさん、貴方は私に何を望むのです?」


「仲良くしてくれるだけで良いよ。それとたまに機密情報を流してくれれば嬉しいかな?」


「分かり…ました…協力…します…貴方、悪魔よりもよっぽど悪魔ですよ…」


力なく項垂れるキャサリーヌの手を取り私は微笑んだ。


彼女とは長い付き合いになりそうだ。

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