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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
二部一章 伯爵家当主学生準備編
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魔王復活に向けて

投稿日時間違えました!


申し訳ございません!


8月半ば、間もなく魔王の復活と共に各地に魔物が現れだす。


それに基づき、ダンジョンと呼ばれる魔物の巣窟が発生していく。


原作ではこのダンジョンに潜り魂の強度…レベルを上げていくのだが、これは対人戦や日常生活での様々な行動によって蓄積させることが出来る。


私はその魂強度、レベルを測ったり得意な技能を確認することが出来る魔法【鑑定】の開発に勤しんでいた。



「んー…ここがこうなって、これをこうして…あー、だめだ…!また失敗した…」



勤しんではいるのだが、上手くは行かず発動した魔法は白い煙となって天井へと登っていく。



今日何度目か分からぬため息の後、私はベッドへ身を投げ出した。



「お嬢様、お客様がお見えです。」


「どちらの方?」



「エンディミオン家の方々です。ルルイア様と、クトゥリカ様、公爵様もお出でになられております。」



なんと!ルルにクトゥリカさんからセンティス領へ遊びに来たいと手紙が来たという話を聞いていたのだが、エンディミオン公まで着いてくるとは…!


私は立ち上がり髪を左に流して一本に纏めると公的な場で使う礼服に着替え、待たせている応接室へと向かった。


ノックをし、扉を開けると白いワンピースに身を包んだルル、同じ格好のクトゥリカさん、チョビヒゲのナイスミドルが居た。


ルルと視線が合う。彼女は少しだけ微笑んだ。


「エンディミオン公、クトゥリカさん、遅くなり申し訳ございません。遥々センティス領へお越し下さいましてありがとうございます。」



南を治める大貴族エンディミオン家。


私の実家アルデン領から南西の大部分を牛耳る大物だ。


何度か謁見しているが、緊張はする。


「うむ、クトゥリカがセンティス領へ行きたいと駄々を捏ねたので私も着いてきた。すまないが二~三日厄介になる。」



「こんにちは、リリアナさん。来ちゃった、てへ!」


分かったぞ?

この人親バカな類いの人だ。


まぁ、クトゥリカさんはつい半年前まで植物状態だったので、容体を気にしない親は居ないだろうが、この感じは間違いなくそう。


そんなクトゥリカさんは病み上がりとは思えないほど可愛らしいてへぺろを披露してくれた。可愛い!


「二日三日と言わず心行くまでおくつろぎ下さい。今、メイドに部屋を用意させて居ますのでそれまでは不便かとは思いますが、この応接室をお使い下さい。」


「すまないな。いやー、軽くルルの案内で町の中を見てきたのだが、ここに町を構えて二年とは思えないほど、盛況だな。」


「そうですわね、お父様。リリアナさんの経営力が垣間見えました。あら、リリアナさん!目の下に隈が…」


「あー…すみません。新しい魔法の開発に勤しんでまして…これが中々上手く行かず…」


「何?!新しい魔法だと?」


え?何…?エンディミオン公の食い付きが凄まじいんだけど…!


「同志、何故私に協力を要請してくれなかったのかしら?書類仕事なんて投げ出して全面的に協力するわよ?」


いや、ルルさんや。

それはダメでしょ?


「私、気になります。もし良ければお話を聞かせてくれませんか?」


そうだった。エンディミオン家は【知欲】の呪いの一族。エンディミオン公やルル、クトゥリカさんが食い付くのは当然と言っても良いだろう。


「そうですね。話すことで何かヒントになるかも…実はーー」



私は【聖女】という不名誉な肩書きを全面的に使い、もうすぐ魔王が復活することなどを神託を受けたと話す。


まぁ、嘘ではないし、ジェネシス公にも似たように説明しているので


それに対する人類に必要な対抗手段として魂の強度を測る魔法を開発していることを話す。




私は一度部屋に戻り、走り書きをした紙と数枚の白紙と人数分の羽ペンとインクを用意して応接室へと戻った。


走り書きのものは癖が強く、所々漢字や平仮名を使っていたので、三人が読める様に白紙へ書き直し、それを三人へ見せた。


ルルに実践するが、発動する直前で魔法式が霧散し消える。



「理論上はこれで合ってる筈なんですが…要は身体強化を目で応用し、光属性の効果…治癒魔法などですね。を付与し魂の強度を閲覧するという感じです。私はこの魔法に【鑑定】と名付けました。」



「ふむ、実に興味深い!」


「私もそう思います。やはりリリアナさんは私なんかと違い天才なんですね!」


「同志が向ける熱意は規模や尺度が違いすぎて私には理解出来ないわ。けど、知的好奇心を擽られる。ね、父上。私の言った通りでしょ?同志は私達の考えから大きく逸脱しているって!」


エンディミオンは静かに頷き呟くと私の書いた紙を穴が空くのではないかと言うほど凝視していた。


クトゥリカさんはべた褒めだ。


美少女に手放しで称賛されると照れ臭いが悪い気はしない。


ルルさん、それは誉めてるんですか?なんか微妙な気持ちになるんですけど、私の気のせいかな?



「うーん…魂…光…天…死…闇…いや、違う?視力強化…目だけではダメなのかしら?」


ルルがブツブツと呟きだす。


私はその呟きを聞いて何かが体を突き抜ける感覚に陥った。



欠けていたパズルのピースがぴったり嵌まるような心地よい感覚だ。


「そうか…理論と構成は間違ってない。ここに付け足せば良いんだ!」


私は羽ペンを走らせる。


数十分かけ計算式を整えると羽ペンを置き、張り詰めた意識の糸を切る。


「これで発動すれば…ルル、協力してくれる?」


「勿論よ!」


魔力を練りたった今完成した魔法を唱える。


体全体に魔力を巡らせ目と手のひらに強めに魔力を多目に分配する。光と足りなかった要素…闇属性も織り混ぜルルの手を掴む。


すると、ぽわぁーと光が集まり、文字を形成していく。




ルルイア・ブラックベリー・エンディミオン


10歳


レベル8

体力 40

魔力 58

物攻 20

物防 28

敏捷 31

魔攻 65

魔防 57

運  41

器用 60


称号 深淵に魅入られし血族


状態 健康 呪い:《塔の魔女【知欲】》


所持技能 魔法の才 鞭の才 研究促進 献身 裁縫



「出た!ルル、成功したよ!」


「同志、おめでとう!これは…闇属性と手にも魔力を込めたのかしら?私の呟きがヒントに?でも、一度で成功させる同志は流石ね!」


「ルルのお陰だよ!ありがと!大好きッ!」


私はテンションが上がり思わずルルに抱き付いてしまう。


しかも原作では名前と年齢、職業、レベル程度しか見られなかったのだが、詳しい値まで書いてある。



「ふふ、同志ったら嬉しい事を言ってくれるわね。ほら、父上もクトゥ姉も見てるんだから一度落ち着いたら?」


「あ…!すみません…取り乱しました。お恥ずかしい姿を見せてしまい、申し訳ありません…」


「いや、良いんだ。おめでとう、センティス伯!貴殿の開発した魔法が、人類を助ける一助となるだろう。世紀の大発明だよ!」


エンディミオン公は何度も大きく頷くと、そんな事を言っていた。何だろう、この身体に満ちる高揚感は。


その後クトゥリカさんや、モガ、屋敷の人間へ掛けていき使用人達のステータスを把握した。


レベル1で大体数値が10いくかいかないかで、レベルが上がる毎に個人差はあるが、大体5~10変わるみたいだ。



明日以降は軍の人間も確認したいな。


今日はジョセフも確認したんだけど、レベルが80、能力もオール200越えだ。


流石剣聖の血筋である。


ちなみに私はこんな感じ。


リリアナ・アルデン・センティス


アムスティア王国センティス家当主


10歳


レベル 60


体力 132

魔力 6000

物攻 180

物防 120

敏捷 98

魔攻 250

魔防 240

運  60

器用 100

魅力 12


状態 健康


称号 魂導かれし者 発明王 建築王 魔法の母 運命に抗いし者


所持技能 天武の才 魔導の才 武芸の才 作戦立案補正 魔法強化 並列思考 料理 作成補正(大) 


うん。


どうしよう…なんか色々とおかしいんだけど…


魔力と魅力の値が極端すぎる…


色々と気になるが、このステータスは誰にも見せないと、私は心に誓ったのだった。



領軍の上級兵から順番に日に数名ずつ鑑定していく。


流石に5000人全員は見れないので隊長職の者のみだが、大体のステータスの統計は取れた。


これを参考に色々と役立てていこう。


そんなこんなで半月は過ぎ、九月へとなった。



魔王が復活するまでもうすぐだ。


さて、準備していたあれやこれを早速行動に移しますか…!

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