伯爵令嬢は今日もお転婆です
新作始めました!
宜しければ御一読ください!
「マシュー!マシューはいる?」
私は弟の名を叫ぶ。全く、剣の稽古をサボって何処に行ったのかしら?
爺やが匿ってるか、厨房か…それとも町に出てるのかしら?
けど、メイやサラは屋敷で見たって言ってたから居る筈よね。
あの二人は私の従順な犬なんだから…!
一階にある部屋を回り、マシューが好みそうな場所を回ってみたが、見当たらない。
廊下を歩いてるメイドのスカートの中にもマシューは居なかった。
ほほーう?水玉模様か、良いね…!
私はメイドの休憩室に差し掛かり、中を覗いてもマシューはいない。
「あ、居た!」
爽やかな風が吹き抜けるとある個室、そこに目的の人物は居た。
メイド長のイレーネの膝の上で寝てたみたい。
まったくもう!私は静かに近付きマシューをイレーネの膝の上から引き摺り落とす。
「おっ…うわぁ!」
マシューは落ちながら叫ぶとキョロキョロ辺りを見渡し、やがて仁王立ちする私を見付けた。
「ね、姉さん…!」
「私のイレーネの膝の上でお昼寝なんて良いご身分ねマシュー。さぁ行くわよ?」
木刀を弟に放り投げ、イレーネの頬に口づけをすると私は部屋を出た。
「お嬢様、やりすぎです」
イレーネの忠告を無視して私は訓練場へと向かった。