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僕とあいつとちっさな種
歌い鳥がつーっと鳴きながら飛んで行った、青の日。例外なく、そらは青かったから、きっと見逃した人も多いと思うんだ。このコツッと僕の頭に不器用に挨拶した、この空色のタネをね。
空色のタネが降ってきたから、埋めなきゃいけないと思ったんだ。
別になんというか、ジャックと豆の木になるなんて思ってないよ!
だってお空に住んでいたんでしょう?
だから、お墓作ってあげなきゃって…
え?違うの。
いやいや、そこはちゃんと面倒みようよ!
どこに埋めたのさ?
え?もう!!もっと日当たりの良いところに埋めなきゃ!
タネ!なんでしょ?
ああ!?ここね。
よっと。ねえきれいでしょ?
なんか地上の植物って感じしないじゃん。
ちょっと、まってよ……これって、
宝石じゃない!!?
え?タネだよ。
いやいややや。
ほら、ここが胚芽の部分で…
うわ、無駄に学園でまなんでいるやつぁ。
植物科、面白いよ。
もう、そういうことはいいって。
鉢は…。
いや、それより、お金に変えるのは?
え?錬金術!?
ああ〜〜〜、売るの!!
やだよ。
よし、埋めた、と。
楽しみだね。
はあ、水やりやりますか。