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無貌の衆  作者: 彼岸花虚実
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空 Last Aiming

変わり映えもしない部屋。

窓の外は今日も霧雨だ。

ふと聞いた一節。

「彼は気丈な子」

気丈って何なんだよ。

本当に、帰れると思ってるのに。


砂時計は止まらない。

残る命はあとどれだけ。

この一矢、君に届くのかな。

少し痩せた手で、握りしめる弓で。

Last Aiming.


同室者の減った部屋。

窓辺の花だけが今日も生き生きと。

今日聞いた一節。

「きっと大丈夫」

きっとって何なんだよ。

本当は、無理だとわかっているのに。


砂時計は止まらない。

残る時間はあと少しだけ。

この一矢、君に届いてくれ。

力の無い手で、君の心に向けて。

Last Confession.


お見舞いの時間が増えたね。

毎日君は来てくれる。

いつも君は笑っていて。

僕の帰りを待ってくれる。

僕では君を幸せには、

とても出来ないと思うけど。

僕の最後のワガママを、

少し叶えてくれないかな。


砂時計は止まらない。

残る命はあとこれだけ。

この一矢、君に届いたかな。

そっと目を閉じる、眠りに落ちる様に。

Last Loving.


この目で見た、僕の最後の記憶。

君は泣きながら、僕の手を握ってた。


Last Aiming.

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