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旻 暗晦
ねえ、もう気付いてるんだ。
誰かが言ってた。
「前を向いて行きよう」
そんな事したって。
何も、見えやしない。
世界は暗晦、見いだす幸福なんてどこにもさ。
光探すのは、もうとっくに諦めた。
必死で目を凝らしても。
暗闇が続くだけ。
独り、漏らす。
世界は暗晦だ。
ああ、何なんだよ。
誰かが騙った。
「神に祈りなさい」
そんなのやったって。
神は、現れない。
世界は暗晦、救いを待ってたって来なくてさ。
闇を探る、何も出てきはしない。
いつかきっと幸福、そんなの。
未来にも託さない。
独り、漏らす。
世界は暗晦だ。
誰もが、気付かない。
世の中、始めから。
光にゃ、満たされてないって。
愛とか、恋とか、そんな軽い、言葉でさ。
誤魔化してんだろ。
そう、ずっと知ってた。
誰かが言ってた。
「真理は自分で」
そんないわれなくたって。
ずっと、感じてる。
世界に光を、闇夜に朝日が昇る様に。
闇を探す、そんなのはもうやめた。
煌めく幸せ、灯して、闇夜を。
自力で、切り裂いて。
独り、漏らす。
光は創るもの。
世界に光明を。