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Attack of the 巫女

巫女さんと云えば

古来より近所のお姉さんと並んで男の子の憧れです


ボクはいまだかつて「巫女さんが嫌いだ!」

という人に会ったことがありません


巫女さんの存在とは正義である


無論だからといって女教師や看護婦さんをdisっている訳ではない

彼女達も等しく尊ぶべき存在なのだ


余談が過ぎた




しかし真夏の深夜に都会の安アパートの一室へと

ピンポン突撃とドアドン攻勢する巫女とは何か?


シュールとかそんなもんじゃねえ!


怖いわ!!



…そうだ!110番通報しよう

助けてお巡りさん!ボクの部屋の前に不審人物がいるの!


通報するべく慌ててドアの前から離れ

携帯を取りに戻る


そして「何事か?」と怪訝な顔をする二人に警告する


「外にヘンな人がいる!」

「巫女装束の変質者だ!」


怖えよ東京!

上京なんかすんじゃ無かった!


「「巫女?」」


そう巫女

ボクの網膜が認識したモノは断じて看護婦さんなどではなかった



「日菜乃かしら?」


ボクのお嫁さんが小首をチョコンと傾げる


あーもう、この仕草が可愛いなぁ…もう辛抱たまらん

キミだけは必ず守るからね


「そうじゃろうなあ」


溜息を付きながらばーちゃんが肯定する


…さすがに可愛くないな




どうやら雪音さんと祖母の知り合いらしい

てことは村の巫女さんか


あの村には夜中に他人様の家を襲撃する風習でもあるのか?


「知り合いなら開けるけど?」


まあ、知り合いなら

いきなり何かされるなんてある訳ないし


ばーちゃんは少し考え込んでいたが


「まあ、手間が省けるか」

「そうでしょうか?」


いささか困惑したようにしている雪音さんが

非常に気になるところではある


本能が叫ぶ「開けるな!」と


まあ二人の知り合いなら大丈夫だろうと

本能を理性で抑えこみ


「はいはい、いま開けますよ」


ドアを開けたところで、いきなり首筋に

ナタという禍々しさ全開の凶器を突き付けられた


やっぱり本能の警告に従うべきだった

変質者だ!それも相当に凶悪な!


「すいませんが何のご用でしょう?」

「ちなみに給料日前なんで、お金はありません」


首筋に凶器を突きつけたまま巫女は


「そんなものは要らねーですわ…」


底冷えのする巫女の声

押し付けられた冷たい鉄の感触に冷や汗が出る


パンパンと後ろで手を打つ音が響く


「はい!そこまで」


雪音さんが暴力巫女を制止する声が聞こえた


「そのナタを下げなさい日菜乃」


ぎゃああああ!

雪音さんナタが少しギリッと食い込んだよ!


説得効いてない!

効いてないよ!雪音さん!


これは、もう駄目かもしれんね

我が人生悔いばかり




何時の間にか首から鉄の感触が消え失せ

女の子の啜り泣くような声…


「雪音さまぁ…グスッ…ゆきねさまぁ…」


そこには泣きじゃくる巫女さんの姿があった


「ゆきねさまー!!!」


…と、イキナリ俺を突き飛ばし

雪音さんへと抱きつく巫女


雪音さんも泣きじゃくる巫女を、そっと抱きしめて

優しく背中を擦ってやっている


ただ呆然と、それを眺めながら俺は


(それはオレのおっぱいだぞ)


などと尻餅をつきて考えていた

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