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守り神の消えた日  作者: ゆうき
彼岸花
2/3

三叉の槍

一つ一つのシーン毎に進んで行きます。

 暫く一本道を行けば、三つ。それぞれが何処かへと通じているはずなのに、そのどれもが赤に塗りつぶされていた。

 一つ、僕の左手側に続く道は、辛うじて河原沿いだと言うことが見て取れた。いっそ痛々しいまでに夕陽を跳ね返している河には、魚がいるようには見えない。

 一つ、目の前に広がる道は、左右を高いブロック塀が囲う。その上から僅かに覗くのは瓦屋根。ひっそりと、何かが息付いているように思えた。

 一つ、僕から見て右に進む道は、何処か廃れているように感じられた。コンクリートはぼこぼこと剥がれ、草が生えている。このまま行けば、使われなくなった建物にでも辿り着けるのかもしれない。

 一体、何処へ行けと言うのだろう。迷う気持ちと、けれど引き返せない気持ちでいっぱいになる。

 じりじりと、後ろを振り向けば付いて来ているのは僕の影だけだった。

 けれどそれがとても気味が悪いことに思えて、僕はそっと路地に潜り込んだ。高い塀の上には、ぽつりと白い雲が浮かんでいた。

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