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追跡者・山口
背の高い男がこちらを見ている。どうやら、双眼鏡に集中し過ぎたようだ。男は目を見開き、口をあんぐりと開けている。仕方ない、一度距離をとるしかない。山口はそう決意して、車を走らせることにした。
車を一度動かす。、あの車がいなくなっていたらどうしよう、という懸念があったが、戻ると車はまだあった。双眼鏡で車を覗くと女が男をすごい剣幕で言い寄っている。何があったのだろうか? あの女は何者なのだろうかと気になる。
しかし、しばらくすると車が走り出した。山口は後ろから追跡を試みる。しばらく、車は走り続けて、また、車が止まった。山口も後ろに車を止め双眼鏡を覗こうとしたが、車から女が出てきた。
あの女は何者だろうか? 一体何をしているのだろうか? 山口には理解不能だった。だが、山口の心には嫉妬と怒りが溢れてくる。山口は携帯を1通のメールを打った。