こんな日はチョコレート
チョコレートを一口食べて
わたしはベッドに横たわった
口の中でゆっくりと溶けるチョコレート
甘さが次第に増していく
わたしは目を閉じて
この頭が浮かべる記憶に従った
口の中は甘くて
頭の中は苦くなった
この記憶は思い出したくないものだ
この記憶は恥ずかしくなるものだ
そんなことばかりを
わたしの頭は浮かべてくる
きっと眉を寄せ険しい顔になっているだろう
そこにふっと落ちてくるチョコレート
その甘さに包まれて
嫌な記憶の嫌さ加減は軽減される
そんなチョコレートの魔法に
常にかかっていたいと思うほど
日常には疲れてしまった
けれど
生きる以外の選択肢は
わたしにはない
今日はチョコレートに
助けてもらった日だ