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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

歪んだ純愛

作者: 秋元RJ

初めまして。

初めて小説を書いてみました。

かなり暗めの話になってるかなと思います。

読みにくいかも知れないですが、読んで頂けると嬉しいです。

まるで出口の無いトンネルのような暗い景色。

虫の息ほどで点滅する街頭。音の鳴らない道路。そんな場所を眩しいくらい焦がす月明かりを拒絶するかの如く生い茂る木々。木々からは何かに見られている気持ち悪さを感じる。これがいつもの帰り道だ。

 時刻は午前1時過ぎといったところか。車どころか人も居ない。家すら珍しく、あるものといえばほとんどが草木。森林に囲まれた不必要なほど空気を持て余した道路を横目に月の明かりも当らないただ黒い歩道を今日も歩く。ふと目に入る電柱。不審者情報の貼り紙。不思議。

「こんなところにも居るんだな。」

そうは言ったもののもうかなり古いもののようだ。それもそう。ここにはそんな人やそんな人を通報する人すら希少だ。しかし、陽が出ている時間はどうだろうか。実際見たことはないがここはそこそこ通行量がある道らしい。その時のものかも知れない。考えに考えるが正直どうでもいい。自分には関係無い。

「今日は何食べよう。」

何も考えてなかった。何も買ってこなかった。家にあるものでどうにかなるだろう。その考えは甘く今、たった今、何も無いから何か買って帰ろうと思っていたことを思い出した。でもその気力は無い。そのまま帰ることにした。

 レアだ。久しぶりに人を見かけた。女性だ。

「こんばんは。こんな時間に出歩くなんて珍しいですね。危なく無いですか?」

「こ、こんばんは…、え、ええ、大丈夫です…。お仕事だったんですか…?」

「はい、そうだったんです。仕事がちょっと…長引いちゃって…今、やっと帰りなんです。」

知っている。自宅の隣にあるアパートに住んでいる。201号室。1番端なのでお隣さんといえばお隣さん。隣といってもちょっと距離がある。桜さんだ。20歳くらい。いつもおどおどしている気がする。

「それで何してるんですか?」

「え、えっと、その…。ご、ごめんなさい」

そう言って引き返して帰って行ってしまった。何か邪魔してしまっただろうか。申し訳ないことをした。コンビニにでも行こうとしていたのだろうか。でもかなり距離がある。それに暗くて危ない気もするが、人も動物すら居ないような場所だからあまり心配もしない。そうこう考えているうちに自宅についた。

 私には特に何も趣味は無かった。家に帰るとお風呂に入ってご飯を食べて歯を磨いてただ寝るだけ。そんな日常を繰り返していた。でも、ある時夢中になれるものを見つけたのだ。"見る"ことだ。そう。ただ見るだけ。見ているだけでよかった。私は見ている間無性に嬉しくなれる。知らないをあなたを知れる。他の誰も見てないあなたを知れる。それが嬉しいのだ。見ることに夢中になった私はさらに見たいと欲が出て少し踏み出したことをしようとも思ったが…。なかなか勇気が出なかった。でももっと知りたい、もっと見ていたい。その気持ちは大きくなるばかりだ。

「だめだ…。明日も早いし今日はこのくらいで」

 次の日。今日も私は見る。ただ、今日は少し違う。良くないことをしているのはわかっていた。けど、もっと見たい気持ちを抑えられず体は動いていた。深夜の静まり返った道を歩く。不気味な木々のざわめき、奇妙な点滅をする街頭。全部怖い。けど。それでも。そんなことは全部どうでもよかった。緊張とワクワク、嬉しさでドキドキしている。喜んでいるんだ。嬉しいんだ。うるさい心臓の音を聞きながら一歩一歩踏みしめる。

 しばらくして目的地へ着いた。玄関はもちろん鍵が閉まっていた。窓の奥、閉まっているカーテンの隙間から光が漏れ出る。嬉しい。ここからあなたの存在を感じられるのが嬉しい。今日は満足だ。

「でも…明日はもっと…」

きっともっと近くに、もっと時間を。

 時刻は午前1時過ぎ。今日も遅くなった。遅くなった日に限って食料不足に陥る。さらに食料不足の日に限って何も買えずに帰ってきてしまう。負の連鎖だ。

「あ、あの…!」

驚いた。心霊系やびっくり系は少し苦手だ。意識外から話しかけると少し驚いてしまう。

「さ、桜さん。どうかしました?」

「あの、今日の朝、実は道に落ちてたの拾って…。」

鍵だ。紛れもなく鍵。落としたのすら気付いていなかった。このまま家に帰れないところだった。本当に助かった。

「気付かなかったよ。ありがとう。」

「でもわざわざこんな遅くまで待っててくれてありがとう。流石にこの時間まで待たせてしまったのは申し訳ない。何かお礼させて欲しいんだけど」

「い、いえ…!か、鍵無いと大変ですから…!そ、それに…!この前私も鍵無くした時に探すの手伝って頂いたので!それで充分です!で、ではっ…!」

そう言って、彼女は慌てたように帰って行ってしまった。面白い子だ。こんな静かで暗い景色を眩しく照らすような子だ。相変わらずおどおどしているが、最近は明るくて楽しい子だと感じる。また色々考えているうちに自宅に着いていた。

「今日も見て癒されるか…。」

こんな時間に帰って食料不足に悩まされる日々だが、一つの趣味を見つけるだけで前より人生楽しい気がする。

 お風呂から出てベッドに飛び込む。

「最近、話せて嬉しいな…」

天井を見ながらふと出た言葉にびっくりした。正直見てるだけでよかったのに。でも、かなり嬉しくなっている自分もいた。そう気付いた時には、気付いてしまった時にはまた体が勝手に動いていた。心臓の音がうるさい。足音すら聞こえない。息が出来てるのかもわからない。それでも歩みは止めない。来てしまった。玄関の前に立つ。手足が震えて正気ではいられない。スマホの画面を覗く。そこに映る顔は不安に潰されそうながら笑っていた。時間は3時。きっと寝ている。その顔を少しでも見たい。見たい。それだけ。この前、運良く手に入れた合鍵で玄関を通る。寝ているあなたを探す。見つけた。寝ている。初めて"見る"寝顔はとても良かった。興奮する気持ちを抑え、そっと頬にキスをする。抑えきれない気持ちを抑えて抑えて抑えて。音を立てずに玄関を出る。鍵を閉めるその手は来た時より震えていた。

 時刻は午後11時前。今日は比較的早い帰宅だ。今日は食料不足に陥ることが無い。この前の休日にスーパーに行ってきたからだ。今日は何となく気分がいい。いつもの道で人を何人か見かけた。新鮮だ。真上にある月がとても明るい。いつもの暗闇を白く切り開く。早く帰れた分、今日はより趣味に時間を使える。その嬉しさがかなりあるのかも知れない。足取りが軽い。

「あ、あの…!」

驚かなかった。聞き覚えのある声。見覚えのある状況。一度驚いたことには驚かない。桜さんだ。

「あ、桜さん。こんばんは」

「こ、こんばんは…!き、今日はいつもより早いですね…」

「そうだね…」

こんな時何を話せばいいのだろうか。そもそも、話しかけてきたってことは何かあったのだろうか。彼女はずっと黙っている。

「…どうしたの?」

「あ…あ…、えっと…実は…」

料理を作り過ぎてお裾分けしたいとのことだった。嬉しかった。どこまでいい人なのだろうか。

「せっかくだし、一緒に食べない?」

「え…い、いいんですか…?」

「あ、いやその、嫌だったら全然…」

「い、いえ…嫌とかないです…!」

 とのことで一緒にご飯を食べる事になった。ものすごくドキドキする。正直こうなるとは思っていなかった。嬉しさのあまり思わずにやけてしまう。

「ごめんね、迷惑じゃ無かった?」

「そ、そんなことないです。だ、誰かと一緒にご飯食べるの久しぶりなので…嬉しいです…!」

「そっか。一人暮らしだっけ?若いのにすごいね。」

「い、いえ…。」

「家ちょっと散らかってるからごめんね。」

「ぜ、全然大丈夫です!」

そんなこんなで家に向かう。いつもと同じ道が少し違う道に見えた。ドキドキも止まらない。嬉しい。今日は堂々と。間近で。沢山見れる。嬉しい。心臓がとてもうるさい。会話に集中できる状態じゃなかった。

 時間は15時過ぎ。今日は見ることは出来ない。いなかった。だから探す事にした。この前一緒にご飯を食べてる時に話した。今度の休日にデートをするらしい。悲しかった。辛かった。私だけのものだと思っていた。本人はただ一緒に外出するだけ、デートではないと言っていた。けど嫌だった。

 身支度して出かけた。もし、会った時に少しでも良く"見て"欲しい。だからより見た目に気を遣って。探す。どこに行くかは聞いていた。だから見つけた。いつもみたいに私は"見る"。けど違う。私だけのものじゃない。隣に人がいる。隣に男がいる。隣のその男と話している。その人に向かって笑っている。後悔した。見たくなかった。私だけのものであって欲しかった。

 時間は22時。空の黒を逆に飲み込もうとする光の世界2人は歩いていく。目も耳も痛いくらいにうるさいその世界は私の正気をどんどん失わせていく。

「桜さん、この後何か予定ある?」

「いえ…特にないです…。」

「じゃあ…」

2人はそのままうるさい光の奥に眠る深い暗闇へと飲み込まれていく。私は奪われたと思った。私だけのものを奪われた。だから思いついた。邪魔なものは消そうと。また私だけのものにするために。そう思うと何でもできる気がした。

 私は中野桜。21歳です。一人暮らしを始めて2年と数ヶ月頃のこと。好きな人が出来ました。私はあまり話すのが得意じゃなかったのですが、その人はそんな私の話をしっかり聞いてくれました。とっても優しいです。たったそれだけ。そんな風に思うかも知れませんが私にとってそれはものすごい大きなことでした。見てるだけでとてもドキドキします。目を見て話せません。すぐに顔が赤くなるしニヤけるし気持ち悪いと思われないか気にしてましたが全くそんなことはありませんでした。可愛いと言って微笑んでくれているようでした。そんなところも大好きです。

 朝起きた時、この前のことを思い出して思わずドキドキしました。嬉しさ半分よく分からない気持ち半分の不思議な気持ちでした。ベッドから立ち上がったところでいつもと違う事に気が付きました。外が騒がしかったです。サイレンが鳴り、窓から差し込む赤いランプの眩しさで目が痛くなりました。玄関の扉がノックされました。警察の方でした。外に出るとお隣さんと警察の方が話していました。泣いています。とても悲しそうな顔で泣きながら私を見ていました。

「今朝通報を受けまして。」

私も警察の方から話を聞いてショックを受けました。とてもショックでした。裏切られたような気分でした。

「わ、私が1番あなたが好きなの。ず、ずっと見てきた。ずっとずっと。私とあなたの邪魔をするあの男も殺した…!あなたと私のために…!なのに何で…。」

「黙れ!人殺しっ!」

拒絶されました。わかりませんでした。私がこんなに好きだと言っているのに。邪魔するゴミを消したのに。2人でもっといられる世界を作ったのに。理解出来ませんでした。

だから私は好きな人も隠し持っていたナイフで首を切りその場で殺しました。私が好きになって殺した3人目の女性でした。

読んで頂いてありがとうございました。

ラブコメや日常系を書きたいのですが書いているうちに捻れた内容になってしまうので逆にその方向で思い切って書いてみました。

語彙力も表現力もなく読み辛かったらすみません。

今後話を書く時に参考にさせて頂きたいので感想やアドバイスをお待ちしてます。

良かった点、悪かった点、どちらもしっかり受け止めて糧にしたいと思ってます。

改めまして、ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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