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子供の頃に住んでいた家
私が小さい頃に住んでいた家は、下町で昭和の古い長屋風の借家でした。
元は2軒の家を、片方の家の方が引っ越ししたので、父が大家さんに頼んで1つの家にリフォームして貰った家でした。
平屋建てで6畳間2つ、隣りの家の台所を改築した3畳間が1つのあまり広い家ではありませんでした。
父はお金を貯めてそこの土地を買い取り、新しい家を建てる計画をしていたそうです。
さて前置きが長くなりましたが、繋げた方の部屋は6畳間が寝室、3畳間が9つ離れた兄の部屋になりました。
兄は自分だけの部屋が出来て喜んでいましたが、私は兄の部屋が苦手でした。
兄の部屋には元の家の名残りで、小さな台所と裏口がありました。
その台所の所が私は苦手でした。
当時の私は身体が弱くよく熱を出して寝室で寝ていました。
熱を出すと必ず見えるモノがありました。
兄の部屋で探し物をしている、真っ黒いオジさんです。
そのオジさんは台所での辺りで何か探し物をしていました。
熱にうなされながら私は『またオジさん来てる、嫌だなぁ帰ってくれないかなぁ』そういつも思っていました。