夕陽の元で交わす
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
喚かないのが~。の二人。
間接キスの話。
水族館の基本構成だと私は勝手に思っているのだが、まず熱帯魚のエリア、次にクラゲ、大水槽、そして淡水魚、最後に海洋動物、このルートで構成されていると思っている。そして大抵最後の海洋生物のエリアにはカフェやら売店が設置されているものである。この水族館でも例外ではなく、売店と思しき店が設置されていた。
「なんか飲むか?」
「飲む!!」
私の視線に気付いたであろう彼から提案をしてくれた。店の看板には鮮やかなグラデーションのカクテルのようなものが映されている。けれどもどうやら酒では無いらしい。モクテルと呼ばれるカクテルを模したソフトドリンクの様だった。何となく今まで見てきた水槽に似ていて、心が奪われたのは言うまでもない。
カクテルを模しているだけあって、それなりに種類も多い。惑う此方を余所に、彼は一つ問い掛ける。
「決まったか?」
「いや。ミックスフルーツーか、紅玉苺の二つで悩んでる………」
ミックスフルーツは透き通る様な橙の色合い。夕陽に照らされた南国の海を思わせる爽やかなものだった。もう一つは紅玉苺。名の通り紅玉一色。真っ赤に爛れた太陽の様な色をしていた。
何方も華やかで鮮やかで人目を引いて止まない色合いをしている。
「じゃあ、おまえはどっちか選べ。俺は選ばなかった方頼むから」
「え、良いよ。好きなの頼みなよ」
せっかくここまで来て、種類豊富な飲みもの提供してるのに、それはないと思う。
その反応を見越してか、彼はただ淡々と答える。
「同じので悩んでたから。これは折衷案なんだが、半分こするか?」
という訳で、私が紅玉苺、彼がミックスフルーツを選んだ。届けられた物は写真通り鮮やかで、静かな海を見ている様だった。
味はいちご特有の甘さとカルピスの酸味が合わさって、贅沢なカルピスを飲んでいる様な気分になる。思っていた以上に美味しい。
「ん」
彼が残り八割になったカップを此方に渡してくる。交換しよう。の意志を読み取って、彼が選んだミックスフルーツはアイスティーのほろ苦さに癖のない爽やかな果実の味がする。これもこれで美味しいと思う。
「恋人らしいこと」
「うん?」
彼はじっと前の水槽に目を向けながらポツリと呟いた。何が言いたいのか分からず思わず瞬きをする。そう、ぼんやりしているのも束の間だった。彼は私が選んだものを返すと、ニヤッと笑って一言。
「間接キス」
「ぶっ」
突然爆弾を落とすのは、昔から変わらない。
「ちょっとは意識したか?」
タイトルは
夕陽のような飲み物の元でキスを交わす。
という意味です。
水族館編はとりあえずこれで終了。
連載する時にはもう少し考えさせて下さい。
このモクテル、元ネタはあるんですが、提供元が違います。水族館では見てないって事ですね。
食レポが緩いのは私はまだ飲んでいないから。
故に今日ちょっと飲んで来ようかなと思います。
という訳で飲んだ感想でも。
ここからは自分の一人言なので敬語外れます。
物を書く上で必要なのは経験である。作家の想像力に頼ったところで経験には遠く及ばない。これはとある名作家の名言である。と言う訳で実際に購入した出来事でも書き写しておこう。
と言う訳でただいま絶賛、早足で飲み物を購入し、寛いで飲める場所まで移動してきた。
注文したのは『いちごカルピス』と、『フルーツティー』、写真で見るとカクテルのようか色合いをしているが、やはり実物とは違うものである。
いちごカルピスは全体的にビビットピンク。珊瑚礁の様な鮮やかな色合いに、マリンスノーの様ないちごの果肉がふよふよと浮いている。
フルーツティーは透き通る爛れた夕陽の赤茶色に、熱帯魚の様な鮮やかな果実が浮き沈みしている。
カクテルと違う。と称したのは何もそんな見た目だけではなく、その構成にもある。どちらかと言えばタピオカに近い。こう、飲み物の中にストローで啜れるサイズの小さな固形物を入れるところとか。という訳で、いざ実食。
まずはいちごカルピスから。飲んでみるとまずは強烈な苺の酸味。そして鼻から抜けるカルピスの風味。ごろごろと口の中に転がる潰された苺の塊は、そのまま飲み込むには惜しいほど食感が残っている。思った以上に甘くない。後味はしつこくない。酸味強めのいちごジャムをカルピス風味で味付けした様な感じ。
次にフルーツティー。これは想像通り、名の通り。ほろ苦いアイスティーが甘い果実の甘露を引き立てている。やはりタピオカの様に果実を細かく切った物がそのまま詰め込まれているので、噛む程に甘さが増す。市販されたフルーツティーに果実入れたら美味しい。それを地で行く様な味だった。
個人的には後者の方が好き。こっちの方が体感的に甘さが強いから。
以上感想でした。
実は彼女が売店に目を付けたところから割と計算ずくで行ってると思います。
彼女が悩まなくても、『一口頂戴』はやってると思うので、間接キスは是が非でもやる予定でした。
ちなみに彼がゴリゴリ積極的なのは
彼女自身が、『恋愛感情持ったまま』君と付き合いたいと言っているから。
※でもこれ、彼女の彼に向けての『気遣い 』でしかないんだよな……。そこが真骨頂ですが。