ゆうれいぼうやのきおく
あるところに、こわいゆうれいがいました。
ひとをおどかす、そのゆうれいは、じつはとってもさびしがり。
ともだちがほしい、だれかといっしょにあそびたい。
と、かんがえていました。
だから、こころやさしいこどもが、
ともだちになってあげるよ、といいまます。
こわいゆうれいは、うれしくなりました。
すると、ひとをおどかすことがなくなったので、
そのゆうれいは、こわいゆうれいではなくなりました。
ゆうれいとこどもは、なかよしのだいしんゆう。
いつもいっしょに、あそびます。
でもあるひ、ゆうれいのめのまえで、こどもがたおれてしまいます。
じつはそのこどもは、なおらないやまいをかかえていました。
こどもは、もうすっかり、いのちをすくなくしています。
だから、ゆうれいにとあるていあんしました。
しんだあとに、このからだをつかっていいよ。
ゆうれいは、なきながらこどもとわかれをすまして、そのからだをもらいました。
すると、ふしぎなことにゆうれいは、
どうしてじぶんがゆうれいになったのかを、おもいだしていました。
ゆうれいは、どこかへあそびにいったあとに、じこにあったこどもでした。
でも、じこのしょうげきで、きおくをうしなってしまったため、
かえるいえがわからなくなってしまいました。
それで、ずっとさまよいあるいているうちに、もくてきをわすれてしまったのです。
ゆうれいは、じぶんのいえをおもいだすことができました。
いえにかえったゆうれいは、だいすきなともだちとおなじてんごくへ、たびだちましたとさ。