表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/18

  サンドラ

 



 窓から見下ろす校庭では、昼休みに ハカ

(ほらニュージーランド代表のアレだぜ)

 の練習して

 朝礼台で指揮するのは、もちろんサンドラ様


 始め5.6人だった

 馬鹿が馬鹿やってると、思ってたら

 今や30いや50人以上いる


 (でもJCの ハカ 見てみたいよネ)



 コレは、取られる


 冗談じゃネェや、女王はアタシじゃない!


  キェーッ!


 窓際に並んでたサンドラの勉強机を頭突きで叩き折る


 あの西部女の顔にもコイツを叩き込み

 ペシャンコにしてやる


「何ですの!  何の騒ぎです! 教室で暴れてるの誰? 」

 飛び込んで来たのは、担任のデバアー夫人先生


ヤバッ!


「まあ!リリイ様 如何(いかが)()された

 まあ お額から血が」


 リリイは、大粒の涙をポロポロ(こぼ)し嘘泣きした

「先生、わたくし大変な粗相を

国賓(こくひん)であるマキューリィ様の お机……を

ウェーェェン」

更に涙を追加大放出


「一体 何が有ったの? 」


「わたくし 朝から貧血気味で

教室で お休みしてたの

でもサンドラ様の活躍する お姿が見たくて

窓辺に寄ったら

(はらわた)が煮えくり返ったぜ)

クラクラめまいがして

(ここで もっと泣く)

倒れたの

(また泣く)

その時マキューリィ様の机にオデコぶつけて」

そして大泣き


(あのネ、オデコぶつけた位で、木製の勉強机が半分に、割れたりしないのよ)


「机の一つ位 代わりを用意させます、それより医務室に行かなきゃ」

 「平気です」

 「なら、もう泣かないで」


 先生はリリィを抱き寄せ、ピンクのマショマロハンカチーフ   で血を(ぬぐ)って  


  ハグハグ


 でも その手つき妙にエロい


 何処さわってんですか?


 (いけネェ、忘れてたババァにはバイセクシャルとの噂)

 「私の個室で、5時限目までお休みなさいな」

 

 デバアーは口のはしをピクピクさせ瞳を濡らす


  チャンスよ


 嘘を付いてもダメ

 私が何年教師して来たと思ってんの


  知ってるわ


 アンタは今、西の魔女王娘への嫉妬に狂って

 メンタルガタガタ


 チャンスね

 

 ベッドで額の傷口を舌で優しく愛撫(あいぶ)して

お乳を軽く()んでやったらコロリと落ちる


 (そんな単純なモンかな? )


 ウフン、ローティーンの女子の心理は

 熟知掌握してるわ

 これまで幾つの清らかな蕾を開花させて来た事か


 先生、怖いんですけど

「わたし、早退します」


 「あら、ガッカリ」

 午後のお茶で、スイーツ愉しみたかったのに


 相手、皇女だぜ あんた首が飛ぶよ

 馘首(クビ)じゃなくて、斬首だよ


 「LOVEに貴賤は無いの  ウフん」


 何か、よく分からん論法では有るが、一応納得


 「では、スクール馬車で クリムゾンまで、お送りしましょう」

 (馬車で8000メートル山頂まで!

 1週間かかるよ)


 大丈夫 メアリアの馬車は、空も飛べるから


 キューリィは廊下で呼び鈴を打ち鳴らす


 「ギルバート、ギルバート、リリィ様をお城まで お送りなさい」


 馬車内で馭者を待つリリィ

5時限目グランドの体育

(武道大会に向けて訓練、種目はテコンドー)

 の光景をボンヤリ見てた



 パチンと、指を鳴らす


 そうだ、この手が有ったぜ


 サンドラは人気者だ、顔(将来かなり美人に成りそう)もスタイルも良いし成績も優秀だ(先週の実力考査では学年ベスト10に、入ってた

 転校生がだよ)

もちろん1番はアタシ

(それタネが有るじゃない)


 うるさい!


 (お前 全部 負けてるじゃない)


 だから、うるさいってば!


 それに性格の良さアピール半端ネーんだ、あれなら誰でもコロリと行くぜ

(ヒガミじゃないの、アンタ(ゆが)んでるよ)


 私はネ誰にも負ける分けには いかないの

 私が負ける時は、断頭台に登る時だけだ


 リリィは馬車のなかで、クラス・メートにメールを送りまくる

「いいかお前ら、よく聞けよ……

西の魔女マキュリーは二重国籍だ」


この文面を読んだ級友達は、どう思っただろう


 馬車はカルチェランタン街を過ぎ、ブナの木が生い茂るブルーユの森へと入って行く

 森の中は昼でも暗く、冷たい静寂に満たされ美しい

 ブルーユは年に一度の星祭の夜に、国じゅうから精霊達が集まりサバルトの(うたげ)が開かれる神秘の森だ、村人達は気味悪がり近づかない

 その森の中程で

「ギルバート、止めて、アタシ降りるから」

「お嬢 冗談じゃネェ、ここは魔性の森じゃ日が暮れると生きては、帰れネェ」

「森に友達が、住んでるの」

「お嬢 困りるよ、オイラがキューリィ様に叱られる

 この歳で他に勤め先なんて見付からないよ」

「これで居酒屋で、一服 してきて」

 馭者台の横にペニーワイズ金貨を一枚 置く


「お嬢 いつも すまねえ」


 馬車が遠ざかるのを待ち

リリィは、怒鳴る。


「ジジイ、居るか? 出て来い。

 くたばったのかよ、生きてるなら出て来いよ ユンナ爺! 」

 すると小さな熊が、ヨチヨチ歩いて来てペコリと お辞儀(じぎ)した。

 「お待ちしてました」

 「熊なんかに用ないや」

次の瞬間頭上に殺気、体を転がせ辛うじてかわす、元居た場所に太い(つえ)が刺さっている。

 「お上手、お上手、」パチパチ

熊は小さな女の子に戻り手を叩いてる。

 「お前が、したのか!」

 「リリィまだまだジャな」

 見上げると、木の枝に仙人服を着てサンタ髭を生やしたユンナ爺が腰掛け、足をブラブラさせてる。

 「生きてたネ、頼みが有るんだ、降りて来いよ」

爺はスーとゆっくりワイヤーで、吊るされたみたいに降りて来る。

 「喧嘩だな、馬車が森に入って来た時から感じていたよ、真っ黒な憎しみが漂ってた、ワシが教えてるのは殺人術では無い拳法じゃ、それに怒りは本人も殺す、盲目になるからの、ワシの小屋に来い、お茶にしよう 少し頭冷やせ」

 「このチビは、何だ? 」

 「孫だ」

 「ヘッ、アンタに家族がいたとは知らなかったよ」

 「お前は、知らない事だらけさ」



To be contenued



 



 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ