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牧神


 


 「分かったよ、羽衣(はごろも)ヘィ!


 コレあげるから、もう泣かないで、娘さん」


 でも、ヤッパり一番悪いのはファヌスだ

 憎いのはファヌスだ


 地上に降り立つと、元牧神様は大の字に寝て口から泡出してる

 キモい

 蟹か、お前 (笑)


 泣いてる女が、いたらシャキリと立つのが男だろ


 (何だソレ、R指定してないんだから気を付けてネ)


 白目()いてる

 キモ過ぎせ


 死んだのかな


 さわるのキモいから、拾った小枝で顔ツンツンする


 「ファヌ君 死んだの」


 No Repry


 「ファヌス、アタイに平伏(ひれふ)永久(とわ)恭順(きょうじゅん)を誓うなら、蘇生(そせい)してやる」

 ギカの消費 酷いけど


 ギカて何だ?

 法力の源じゃない


けど、お前 動けないんだ


 ヘッ! 


 諦めろ お前 ここに眠れ、このモン・パステルの丘に


 (いしぶみ)を建ててやるからよ


 墓碑銘は、一般公募する


 嫌われ者に、最後に送る言葉は、憎しみと軽蔑に満々(みちみち)罵詈雑言(ばりぞうごん) てんこ盛り オンパレードだぞ


 「嫌われ者は、死んでも嫌われる

 イー、ヒッ、ヒッ、ヒッ」


 その全文を、碑に刻んでやる

 呪いのモニュメントだ


 墓参りしてもらえる なんて思うなよな


 周囲に悪臭を漂よわせてやる

 夜は鬼火を飛ばす

 村人は恐がり、誰も近づかないぜ

 草木は枯れ尽くし、丘は荒野と化す


 「嫌われ者は、お墓も嫌われる

 オー、ホッ、ホッ、ホッー」


 ところが元牧神様は、突然パチリと目を開けた


 エッ! 生きてたの?


 マジかよ


元神様が、突然カッと目を()き「ガォー、ガォ、ガォ、ガォー」と吠えまくり両腕を突き出し、飛び起きた


 何だよビックリするじゃないか

 ウルフマンにデモ化けたのかよ

 だからアタシも、クルリと宙返りして、ポンと消えた

 忍者みたいでしょ


 (タヌキだよ)


 「見たぞ! 今のは城のバカ娘リリィだ

 なんて事 しやがんだ、バカヤロー! 」


 元神様は、肩を寄せて泣いてる女達を集め

「子供みたいに何時までも泣くな、今日は解散だ」

羊の毛刈りを予定してたのにな

犬共は腹が空いたら帰って来るが、羊は臆病な動物だ集めるのに時間がかかる 、しばらく休業だ」


 「ウーン」

 娘達の落胆の ため息


 「だが、有給休業とする」 

 逃げられたら、困るし


 「オー! 」


 沸き上がる歓声、降り注ぐ称賛の眼差し

 うふふふ、尊敬から愛が生まれるんだ

 オジサンは愛が好きなんだ


 そこで調子に乗った


 「これは全部 城のバカ娘リリィの仕業だ

 カイキ様も何を(しつけ)してるんだ

 ワシなら尻を乗馬鞭で打ってやる」


 リリィ姫、あれは特上玉だ


 形良くキュッと締まった白いお尻が

 赤く色付くまで鞭でパチパチしたい


 妄想に(ひた)るファヌスの前に並んだ

 娘達の顔が何故か固まってる


 ? どうしたの ?

 ワシのスケベ、バレたかな?


 (オッサンは、みんなスケベだよ)


 娘達の瞳に、(おび)えが走る


 ? なんで ?

 

  まさか


 そお、その まさかだった


 「お前 不敬罪て知ってる 」


 振り向くと、満面の笑みを浮かべたリリィ

 (ヤバい)


 「さっき馬鹿野郎て、聞こえたけど、アタイの事じゃ無いよネ」

 「陛下、めっそうも御ざいません」

 「だよネ、女の子に野郎は可笑しいよ、それにアタイを陛下と

 呼ぶのも可笑しくネ?

 パパ生きてんだよ

 それともパパに、早く死んで欲しいのかな」


 リリィが、差し出した左手の立てた人差し指の先端が

 オレンジ色に光出す


 「アタイ嘘つかれるの嫌いなんだ」


 指を、ピンと(はじ)くと

 オレンジ色の光の玉が、スーと飛んで来る


 アッ! ヤメテ!


 パシュー


 鈍い破裂音と共にファヌスの全衣類が微塵(みじん)と消し飛ぶ


 元神様ファヌスは、娘達に全裸を(さら)


 見たくネー! 


 汚いオッサンの全裸(ヌード)


 見たくネー!

 (特に食事の前とか)


 娘達は、悲鳴を上げ逃げ散る


 羊も女も去った、草原で阿呆の様に1人たたずむ元神は、涙を流す。


 ア、ハハハハ、


 オマケに元神は、ハゲでした ツルツルのピカピカ


 (エー! ファヌちゃん ズラだったの? )


 知ってたよ (ひげ)も付け髭さ (笑)

 みんな飛ばしてやった (笑)

 これが本当の丸裸


 (やり過ぎだよ)


 「これで良いのだ」


 (バカボンのパパでも、そこまでしないよ)


 「なんだ それ? 


 (昭和の馬鹿代表(チャンピオン)さ)


 「知らないわ、それにアタイ馬鹿じゃないし」


 (じゃ無くても、チャンピオンには、成れるさ)


To be contenu




 

 





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