動物園の招待券
贈り物
娘の奈緒が歩けるようになった事を知ると母が大好きであった動物園に行こうと娘の奈緒と約束した矢先に母が病気で死んだ そのため遺品の整理を母の兄である健介おじさんと一緒にしていると動物園のパンフレットが出てきた 昔 私が8歳の時に借金を作り夜逃げした父の代わりに面倒を見てくれたのは健介おじさんだ 健介おじさんは毎月お米や食物などのたくさんの仕送りをしてくれた。その中でも母が一番喜んだのは動物園の入場券だ 健介おじさんは私が片親でも楽しい思い出をたくさん作れるようにと送ってくれたのかもしれないが私は毎月 動物園に行くほど動物園が好きではなかった しかし、母は動物園に行くと童心に戻ったのかのような笑顔になり 見てるこっちとしても楽しい気持ちになったのを覚えている 母は動物園に行くと必ずうさぎコーナーに行く 私はうさぎは昔から苦手だったがその横に毎回いる風船を配っている熊の着ぐるみから風船をもらいその熊の横で売っているアイスを母と一緒に食べる時間が大好きだった。母は大好きなうさぎを見ながらベンチに座りアイスを食べる時間が大好きだったのだろう。だが、今思うと高校生になるまで動物園の招待券を送ってきた健介おじさんには少し笑いが出てしまう。いつまで子供扱いしていたのだろう。パンフレットを見てその事を思い出し健介おじさんにその話をすると動物園の招待券なんか送ってないと言われた さらに母はうさぎに幼い頃噛まれてからうさぎが苦手だっという さらに遺品を整理していると先月も動物園の招待券が届いていることがわかった いろいろな気持ちが溢れたがとりあえず 妻と歩けるようになった娘を連れてもう一度 動物園にアイスを食べに行こうと思った。