遠宮 美音(とおみや みおと)
世界:ハッピーエンド
属性:人間 女 抑止力
設定:あらゆる存在にツッコミを入れることができる
通称:“拳の調停者”
ツッコミを入れることを義務化された少女。帰宅部。
おバカな状況や理不尽な展開に拳でツッコミを入れずにはいられない、難儀な性格のメガネ少女。
世界によって選ばれた抑止力とも言える存在であり、そのツッコミはあらゆる設定を凌駕し最優先であらすじに記載されることになっている。美音が「ツッコミを入れよう」と考えたときには、すでにツッコミを入れて相手が地に伏している状況が物語上の必然としてプロットに組み込まれてしまうのだ。
カッコ良く言い直すなら“因果逆転のツッコミ”を使える少女ということになるだろう。
本来であれば暗く重苦しい設定を持った人物だらけの二年一組の物語が破綻せずに継続できているのは、ひとえに美音のツッコミのおかげとも言える。
それが己の物語の必定である以上、ツッコミの対象となったキャラクターはどんな手段を持ってしても美音のツッコミを回避することができない。
それどころか、「ツッコミが発生する」ということは「場の雰囲気が弛緩してしまう」ということにも繋がるため、どんな邪悪で凶悪な設定を持つキャラクターであったとしても、一瞬にして理不尽なすっとこどっこい時空に引き摺り込まれてギャグキャラ化してしまうという恐ろしい副次効果まで秘めている。
その強制力は過去の主人公であった神谷姉妹の“書き手の瞳”や“読み手の瞳”すら凌駕しており、終末愛好家をして「色々とヤバイスギルからこの世界の中で大人しくしておいてもらおう」と言わしめるほど。
美音にツッコミを入れられたことでモビルスーツの性能を活かせぬまま死んでいったラスボスは数知れず。白式黒識や葬雑椎縁もその一員だったりする。
あえて欠点を挙げるとするなら、美音の拳はあくまで“ツッコミ”なのでどれほどダメージを与えたとしても相手を死傷せしめることがないということ。
どれだけ流血してても死ぬほど痛い目に遭ったとしても、そのキャラクターはギャグキャラ補正によって決して死ぬことを許されない――っていうか、それってむしろメリットなのでは?
話は変わり、美音の両親は二人とも女性である。
正確には父親の葵が両性具有というだけなのだが、それが原因で幼少時に同級生の男子集団と大喧嘩を起こしてしまった。
大半の男子を殴り伏せた美音だったが、ちょっとした隙に投げつけられたコンクリート片を顔面に受けたことで視神経が損壊。それが精神疾患と合わさり、「視界が常に七色のノイズに包まれる」という奇病に侵されてしまう。
日常生活どころか目を閉じて眠ることすら困難になった美音は、もはや眼球を取り出して物理的に失明するしかないという状況まで追い込まれたが、両親の開発した科学技術と魔法技術を融合させたハイブリッド眼鏡を装着することで事なきを得た。
この眼鏡はレンズで取り込んだ映像を脳に直接伝達するという仕組みになっており、美音用に信号が調整されているため他者が装着してもただのガラスの塊でしかない。
また、眼鏡をかけることは美音の精神安定にも一役買っており、眼鏡をかけている間、美音は過去のトラウマを忘れて穏やかに振る舞うことができる(あれでも美音にとっては穏やかな方なのだ)。
しかし、自分に向ってボールなどが投げつけられる行為に対しては、今もなお強い恐怖を感じている(【ベヌケの時間】)。
以上諸々の条件が重なった末、美音は親友であり腐れ縁の宮越優に対して恋心を抱くこととなった(【メガネ色の恋】)。
彼女が男でないというのも大きな要因だが、一番なのは「彼女が万物に対して分け隔てなく愛を持って接している」こと。
一般人にとっては迷惑極まりない特性ではあるが、己の出生に少なからぬ疑問を持っていた美音にとって、優の在り様は聖母のように見えたのだ。
一方で、鳴無兄眞の事は愛しているけど好きではないといった微妙な立ち位置になっている。
美音曰く「まあ土下座して頼まれたら子供を産んであげてもいいけど、付き合ったり結婚したりとかは絶対無理」といった感じ。意味が分からない上に美音も大概拗らせすぎてて面倒臭い。
三年生への進級直前。
“二年一組お別れパーティ”の際に兄眞に告白された美音は、どう返答していいか分からなくなってとりあえず兄眞をフる。
しかし、それが原因で優にとんでもない条件を持ち出され、断ることもできずに兄眞と付き合うことを余儀なくされる。
関連人物:
〇宮越優 親友、腐れ縁、愛する女性
〇鳴無兄眞 隣の席、男友達、戦友、愛する男性
〇糸月瀬理奈 付きまとって来る変態
〇神谷都古 お気に入られ
関連物語
【メガネ色の恋】




