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7話

何処の年寄りかと問い詰めたくなるが、相手は神代の頃から生きる神である。

ーー神、なのだが、あいにく見た目が十四、五歳にしか見えない可憐な美少女。盛大な違和感しかなかった。

「大体、何で儂が呼び出されるんじゃ。お主が来ればよかろう。老体は労れ」

「だから見た目幼女のくせして壮絶に似合ってない老人みたいな喋り方は直せと散々言ってるだろう。あと呼び出したのは、お前が一つ所に落ち着かないから、捜索が面倒だったからだ」

「成程、それは仕方ない」

「納得するのかよ‼」

清々しいほどの手のひら返しに、傍観者に徹していたレイが思わず突っ込んだ。


そこでようやくレイの存在に気が付いたディアが、胡乱気に目を細めた。

感情の見えない硝子玉のような瞳に見つめられ、レイは言葉につまり、(他称)勇者としては大分情けないことにリティスの背中にそっと隠れて避難する。

その様子に助け船を出して答えたのはアイヴィスだ。


「なんじゃ、あの童は」

「他称勇者だな」

「……何で他称じゃ」

「どうにも、人間国家の国王殿がそのように仕立て上げたようでな」


アイヴィスは、人間国家の国王殿と言った時、鋭い怒りと酷い侮蔑を含ませていた。


それに対して微かに驚いた表情をみせたディアは、真剣な面持ちで詳しく話せと促す。


レイが溜まりに溜まった鬱憤を爆発させたことなどをはしょり、アイヴィスはディアに経緯を聞かせた。

話が終わると、ディアは痛ましいものを見るようにレイの手を握った。


「なんと……そんなことがあったのか……」

「人間王は、どうやらこの子一人の意思を踏みにじってまでこの戦争に勝ちたいらしい」

「勝利すれば土地と、商品と労働力という奴隷が手にはいるからな。魔族とは挙って見目が良い」

「神族とて同じだろう。だからこうして我らと精霊族は共闘している」

「それ、どういうこと?」

共闘の単語に、レイは反応を示す。

当然だろう。レイの認識としては、四つの種族は長い年月戦争を繰り返してきた。そう教えられてきたのだから。


「……そうか、お前は正しい真相を知らなかったのだったな」


アイヴィスは語る。戦争の真実を。

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