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28話

魔王 アイヴィスの食事を作る名誉を賜った料理人の城ーー基、厨房にて、二人の男が様々な材料を両腕に抱えて仁王立ちしていた。


「さて……ーー始めるか‼ 日本の伝統調味料、醤油と味噌の作成を‼」

「ん‼」


淳の宣言に、レイが力強く頷いた。

一方、アイヴィスとリティス、ディアは堂々と入り口に立ってこそいたが、それ以外。クラスメイトたちは団子状になって見守っている。ーー何故なら、自分たちの食生活に重要なものを、今から彼らが作る予定なので。

一方、味噌と醤油がわからないアイヴィスは腕を組んで様子を見つつ、リティスたちの心中を代表して一言。


「何故、……壺?」


レイの腕にはしっかりと、至極大事そうに壺が抱えられていた。



何故、突然醤油と味噌を作ることになったのかと言えば、原因はやはりシリアスブレイカーレイの発言による。


「こっちの食事って、あちらでいうところの西洋とかの料理っぽい味付けだから、出汁文化で育った淳たちには味が馴染まないと思う」


たまに食べるならまだしも。

その言葉には淳たちクラスメイトも速攻で頷いた。

結果、出汁は小魚の乾燥したものや茸などで代用は可能と判断したが、後の問題は調味料である。

だが、立ち位置としてレイのオカンポジに君臨する淳が手を上げた。

曰く、「材料があれば、作り方ならわかる」、と。


材料は備蓄庫に蓄えられていた、名前もそのまま大豆を使うことで決まった。

では何故、レイが大事に壺を抱えているのかといえば、答えは簡単。


「だって丁度いい入れ物がない」

「そ、そうか……」


そして始まった醤油と味噌作り。

乾燥された大豆を水で戻している間に必要なものを準備していた淳が一言。


「まあ、今から作っても、結局使えるのは一月後だけどな」

「「「ですよね‼」」」

「残念……」

「そんなものなのか」


行程こそ知らねど掛かる日数ぐらいは予想していたクラスメイトたちはがっかりしながら頷いた。

何事も都合よくいかないものである。

短いですが、更新します。

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