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怒りのグランメテオ

どうもです。

言い訳させてください。

ザ〇〇ラヴォ〇グループデッキ作ってました。

だってですね。ザ〇〇ラが一枚880円ですよ!?

それが四枚もシングルで売ってたら作るしかないじゃないですk(ry


そ、それでは本編どうぞ!

【      ☆      】


 俺がまだ死ぬ前、多分小学生くらいだっただろうか。

 その日は、ちょうどやっていたカードゲームの野良大会があって、俺はそれに参加するためにデパートに来ていた。


「はーい、ただいまよりフォルスワールの大会のエントリーを開始しまーす、参加する方は一列に並んでくださーい」


 店員が一番に走ってきた俺を見る。

 微かに「あっ……」と声を上げた。


「や、やぁ……今週も来たんだね」


「うん!」


 俺は深くうなずいた。


「じゃあ、ここに名前を書いてね」


「うん」


 さらさらと手慣れた手順で自分の名前を記入すると、端のマスに『1』と書いた。

 それを見て店員は苦笑い。

 多分、「一番目に並んだし、一戦目を期待したんだろう」とかそういうのよりも、「この子、本当に勝つことに忠実だな」というのが本心に近いだろう。

 あながち間違ってはいない。

 俺は適当に座れそうなところを見つけると、デッキの確認をし始める。

 しばらくそうしていると、最後に並んでいた子供が、やたら嫌そうな表情で名前を記入し終えた。


「それでは、エントリーした子は、席を確認してください、時間になり次第開始しまーす」


 店員の一声で、俺も含めた子供たちが各々の席について時間を待つ。

 相手は、あの最後に名前の記入をしていた子だった。

 なんか気が弱そうな印象。でも、顔はよく知ってる子だ。

 先週は列に横入りされてたな。

 ……っと、時間だ。

 店員が言った。


「それでは、デュエルスタート!」


 この子、意外に侮れないんだよな。














 大会は進んで決勝戦。その6ターン目。

 初戦の相手だったあの気弱な子以外は、ストレートで勝ち進んだ。

 というか、初戦以外だいたいが同じ構築。

 種族デッキと呼ばれる、ある一定の場が揃ったら強いデッキ相手だったから、簡単にメタを張らせてもらった。

 恐らく、小学生でメタという概念を知っているのは俺くらいなものだ。

 そして、いつもと同じ展開。

 またあのガキ大将みたいな奴が決勝戦での対戦相手だ。

 だけど、今日は一つだけ勝手が違った。


「11コスト」


 俺は手札から場に一枚、モンスターを出す。


「うっ……」


 ガキ大将みたいな奴から、小さく悲痛な叫びを上げる。

 当然だ。こいつが場に出た時、コスト合計が11になるように墓地のスペル(謂わば戦略札)を唱えることができる。

 それを手札事故(序盤に使うことができないカードが来てしまい、何もできないこと)が起きている状態で、こちらが最速で場に出してきたのだからたまったものじゃない。

 いつもだったらまずはコスト6『神罰の大津波』でコスト6以下のモンスターを三体までバウンスするのだが……。

 俺は場を見るまでもなく、こう思った。


 その必要はなさそうだ。


 前回だったら、もう少しいい勝負をしていた。

 だけど、恐らくボロ負けした反動で、俺に対して嫌なカードを積み込んだのだろう。

 そう思いながら墓地のカードを選んでいると、突然のことだった。


「うわああああああああああああああああああああああああ!!」


「ちょ、ちょっと君!」


 ビリッ。


 俺は、その音に目を丸くした。

 もう手遅れだった。

 そいつは怒りに任せて俺の切り札を真っ二つに引き裂いていた。

 店員が止めに入るが、力任せに俺へ殴りかかろうとしている。

 思わず反射的に後ろに下がると、座っていた椅子がバタンと倒れた。


「ふざけるな……ふざけんなぁ! 一枚しかないのにこの前も決まる前で出てきやがってぇ!」


 細かく、もう絶対に修復できないように、そいつはカードをバラバラにした。

 そして、泣き出してしまった。俺はそいつから目をそらす。

 まだ机をバンバン叩いている。相当悔しかったようだ。


 以来、そいつを大会で見ることはなくなった。


 気づいてしまったんだと思う。

 あの時殴りかかって、俺をねじ伏せたところで、デュエルで勝ったことにはならない。

 残るのは、正々堂々と戦った相手に自分の都合が悪いからと暴力で解決しようとした事実だけだ。

 だから俺は、敢えてやり返すことも何かを言い返すこともしなかった。

 そんなことしたら、ますます場の空気が悪くなるし、デュエルも面白くなくなるから。


 俺はあの時、破かれたことに関して何も感じなかった。

 普通なら、弁償とかも考えられたはずなのに、それをしなかった。

 なんでだろう、と、あの時どう思っていたかを質問されて答えるなら……。


――――また、買い直せばいい。


――――代用できるカードはいくらでもある。


 俺があの時カードを破かれて何も感じなかった理由。

 それは間違いなく、カードを『物』として見ていたからだ。

 カードは破かれても「痛い」なんて言わない。

 捨てられそうになっても「捨てないで」なんて泣き言は吐かない。


 だけど、マスターカードであるウィズもマスティマも痛みを感じるし、「お前なんていらない」とも言えば、傷つくんだ。

 だから俺は……プレイヤーという立場でしかない俺は――――。


【        ☆        】


 直撃。

 デッドフレイムドラゴンの放った火炎弾は、俺を包むように火柱を上げる。


「う゛わあ゛あ゛ああああああああああああああああああ!!」


 熱い。剣先を喰らった時とは比べ物にならない。

 火柱はしばらく続いた後、焦げた俺を残して消え去った。


「馬鹿な……かばったっていうのか、あの炎を!」


 俺はその場にうずくまる。

 空気を口から吸い込むと、胸の辺りが痛い。

 これが肺を炎でやられる感覚か。


「なぜだ、なぜただの猫風情がそこまで出来る!」


 なぜ?

 そんなの決まってるだろ。

 俺は四肢に力を入れて立ち上がる。


「ウィズは……俺にとって、大切な……友達だからだ」


「友達ぃ?」


 ダメだ。

 立ち上がる力を出すだけで精一杯。

 あれだけ雑魚って言われたから、少しくらい強いところ見せたかったんだけどなぁ。

 これじゃ、まるで犬死にならぬ猫死にだな。

 そう、ゆっくりと横に倒れる俺を……。


「……ウィズ?」


 ウィズはそっと支え、俺の肩に乗せた。


「ぷっ、ははははははははは!! 友達ごときに自分の命を差し出そうとしたのかよ! っははははははは、意味がわかんねぇぜ、はははははは!」


「……私のターン」


「いいかぁ、この世界で他人ていうのはなぁ?」


「ドローはしません……」


「利用するためだけにあるんだよ、雑魚どもぉ!」


「っ……グラン、メテオォ!」


 そのウィズの怒りがこもった火球は、メイに向かって衝突する。

カードを物と見る目線って、やっぱありますよね。

単純にリアルのカードゲーマーはスペックを見てこれがほしいあれがほしいと考えるでしょうしね


遊〇王とかって、やっぱり優良カードが限られてくるんでしょうか?

種族デッキなイメージがありますが、その辺詳しい方いらっしゃったら教えてください←え

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