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雨音と水溜まりを踏む音

ウィズ「あの……何をしていたんですか?」


作者「い、いや……ネットで紹介されてた某カードゲームのデッキ作りを」


ウィズ「にしては投稿遅すぎませんか?」


作者「いやほら、だって6月23日に新拡張パック出てるし……デュエリストとして見逃すとかないと思って働いてて……」


はい、すみませんでした(;'∀')

風邪+仕事+新拡張パック発売で遅れました。


いやー、ほっくほくですよ

三箱買いました。

だって優良カードが多いし、面白いカードが多いですからねー


そんなわけで、今回から新章。

ようやく少しだけ目的が動き始めます。


 空に立ち込める薄暗い雲。太陽が覆いかぶさるようにして、ポツポツと雨音が聞こえてくる。

 この閉鎖された街は、雨が多い。二日降っては一日晴れるといった変化を毎度繰り返している。

 そして、猫である俺こと喜野淳介は、こんな雨の日はベッドの上でぐっすりと眠っている。

 なんでかって言われるなら、猫っていうのは一日の睡眠時間が10時間以上。

 一日の約半分を寝ている生物である。つまり、今ものすごく眠いのだ。

 ベッドの上にいる俺は、丸まった状態からゴロリと体勢を変える。

 ……ザーザーと雨の音が心地いい。

 昨日は特にうるさかったからなぁ。

 ま、セリーヌがデュエルついでに札を束でも持ってきて、好きなやつをもらっていいとか言われたら、そりゃ目を凝らさずを得ないよな。

 なんだか、新しい拡張パックが来て、お小遣いを注ぎ込んでた生前の俺が懐かしい。

 亜紀と出会うまで、俺は本当にボッチだった。うん、本当に会話ができないくらいに。

 近くにカードショップがあって、そこでひっそり、新しい弾のパックで盛り上がるどこの子供かもわからない連中とは離れて、ワクワクしながら自前のハサミで中身を確認していた。

 思えば本当に惨めだな。

 一人でストレージ漁って、デッキに使えそうなカード見つけて、一人で喜んで……。


 あれ、俺って案外生前の記憶でいいことがない……?


「……はぁ」


 まぁ……現実のボッチデュエリストなんてこんな感じですよ。

 そんなやつが、環境デッキばかり握って大会とかで入賞してりゃ、そりゃ「あいつ本当に勝ちばっか追求するよな」とかボソッと呟かれるよな。

 友達もできないわ、そんなの。


「……」


 アフロディーテの女神に言われたことを思い出した。

 俺の目的は二つある。元の世界に戻ること、そして、どこかにいる亜紀を見つけ、元の世界に戻すこと。

 そのためには、ウィズに現神を倒してもらわなくてはならない。

 なんだろう、それってつまり今度はウィズが『憎まれ役』になるってことだよな。


 なんか、嫌だな。


 あいつは、今だってそんな街の住人にいい顔されてない。

 そんな奴が、今度は「あいつは勝ちにしか興味がない奴だ」とか「勝つためだったらどんな手段だってあいつはとる」とか言われ続けることになる。

 環境デッキっていうのは、いくつかある強い動きに対して、まずこいつと戦うためにどんな防衛策をとるかを考える。要は勝つために最初にメタ(ある一定の定番デッキに対して対策をとること)を張られる基準となるものだ。

 遅かれ早かれ、俺はウィズにその役をさせることになる。

 俺の生前みたく、ただ無視されるようになるだけならいいが、ここじゃそうはいかないだろうし……。


「淳介~!」


 と、俺が考えているとウィズが階段を駆け上がってきた。


「ん?」


「少し出かけませんか?」
























 思った。

 雨降ってるじゃん。

 外に出て、濡れた後に今更気づいた。

 しかもウィズのやつ、傘……がこの世界にあるかはわからないが、雨を避けることをなぜかしない。

 むしろ濡れることを楽しんでいるように見える。


「やっぱ雨の日はいいですねー!」


 これは……ツッコむべきなのか。

 いや、もしかしたらそういう風習とかなのかもしれない。

 ほら、よくある宗教とかにある奇妙な行動をすれば、神の祝福が得られるとかなんとかあるじゃないか。

 そういうのがあって、ウィズもその宗教とかの影響で雨に濡れることで神の意志を感じて……。


 ピチョン、と。


 俺の鼻にウィズの帽子から垂れた水滴が落ちる。


「……」


 やっぱおかしいよな。

 まぁ敢えて何も言わないことにしよう。

 というより、俺は気の利いた言葉がスッと出てくるほど器用じゃない。


「そういや、どこに向かっているんだ?」


「ふっふっふー……ついてからのお楽しみですよ?」


「……?」


 そう言ってパチャパチャと水溜まりを踏みながら、ウィズは大きく腕を横に振る。

 濡れながら歩くこと数分。

 って言っても、俺はウィズのデカいとんがり帽子のおかげでほとんど雨に打たれてなくて、濡れているのはウィズだけだ。

 ……日が昇る方にローレルへの関所があって、日が落ちる方に海があったから、きっと側面も壁に囲まれているんだろうなーと考えていたが。

 ウィズが連れてきたのは、ロックフォードの外れにある森だった。


「へぇー……こんな場所があったんだな」


「ふふ、綺麗なところでしょ?」


 雨で薄暗いけど、点々とホタルのような光が揺らめいている。


「あれ、なんなんだ?」


「あ、あれはですね、ソウルテイリングです」


「ソウル……テイリング?」


 聞きなれない言葉だな。

 ソウルは魂で、テイリングは……尻尾、か?


「それって、なんなんだ?」


「魂の残滓です、ああやって憑依できそうな生物を無造作に探しているんですよ?」


「え?」


 それって、つまり……。

 というか、魂って時点で気づくべきだった。


「お、おい! あの光こっちくるぞ、や、やばいんじゃないのか!?」


「そうですねぇ……確かに、あの光に触れたら、違う意識が身体に乗り込んできて、少しずつ浸食していくのかもしれないですね……」


 ウィズ……何言ってるんだ。


「……!」


 まさか、やっぱり人の目が嫌になってわざわざここへ死にに?

 だから雨が降って、人気がないときにここへきたってことなのか。


「ふふふ……」


 ウィズは、ふらりふらりと不安定に浮遊している光にちょっとずつ近づいていく。


「お、おい! やめ……」


 だめだ、猫の俺じゃ止められない。

 なんとかウィズを説得しないと……。


「ウィズ!」


「……」


「お前の気持ちはよーくわかる……けど、こんな簡単に死んじまったら、お前の楽しいデュエルができなくなっちまうんだぞ!? それでい……あっ」


 光が……ウィズの身体に触れる。


「ぷっ……」


 ……あれ?


 光は、ウィズの身体をすり抜ける。

 それだけじゃない。俺の身体にも入ろうとしているのか、折り返してこちらに近づいてくるが、結果は同じ。

 スーッと抜けていき、諦めたようで森のどこかへ光は消えていった。

 キョトンと口を開けたまま固まっている俺を見て、ウィズはついに耐えられなくなってその場で腹を抱えて笑い出した。


「あはははは、はははは」


 






















「淳介~、機嫌直してくださいよぅ」


 それは無理な相談だ。

 口に出しては言わないが、さっきどれだけ冗談に聞こえなかったか、少しは考えろ。

 俺は、ウィズのとんがり帽子の中で丸くなる。

 うん、少し湿気が強い。

 だが、いい感じに温いな。


「うぅー……重いですぅ」


 ちょうどいい。

 ウィズには少しさっき冗談を言った罪の重さをこのまま味わってもらうことにしよう。

 ふらふらと、どこに向かっているかはわからないが、「うーん……うーん……」という重そうなウィズの声だけは聞こえる。

 ふふふ、いい君だ。


 木の葉から落ちる雨粒は、ウィズのとんがり帽子に落ちて、ボツッボツッという普通の雨音とは違う音を奏でている。

 ロックフォードの街からここに来た時よりも、降り方が激しくなっているきがするが、本当にウィズは大丈夫なのだろうか。

 ウィズの足音が止まる。


「着きましたよ、淳介? 早く出てきてください?」


「んぁ?」


 

皆さんは、箱買い派ですか?

それともシングルを探して買う派でしょうか?


あ、作者はどっちもです(笑)


それでは、次のお話で(^^)/~~~


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